石壁精舎還湖中作 謝霊運(康楽) 詩<42#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩422 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1083

(石壁精舎より湖中に還る作)


謝霊運は仏教の勉学と修行、その合間にあちこちと遊歩した。巫湖の南に南山、北に北山という山があったが、謝霊運はいつも石壁精舎の南山に居住し、南山から北山に向かおうとして、巫湖を経て、船中で眺めた美景を歌った秀作に、(石壁精舎より湖中に還る作)を作っている。これは『文選』の巻二十二の 「遊覧」に選ばれている。別に-『於南山往北山経湖中瞻眺』(南山より北山に往き湖中の瞻眺を経たり)―もある。



石壁精舍還湖中作詩
南の山の石壁精舍から北山の住まいへ帰る巫湖の中に船から見ての作詩。
昏旦變氣候。山水含清暉。
午前中とくらべ夕がたになると気候が変わりってきた、(わたしの勉学修行に満足感があり)山も水も清々しい光を含んでいるようだ。
清暉能娛人。遊子憺忘歸。
その清らかな光彩は人をこころから楽しませることができ、旅ゆく人の心を和ませてたのしむため帰ることをわすれるのである。
出谷日尚早。入舟陽已微。
石壁精舎のある谷を出るときは日はまだ高かったが、船に乗るころには太陽はもう暗く微かになっていた。
林壑斂暝色。雲霞收夕霏。』
林や谷、山影に夕暮れの色が深くこめてきている、空は雲や夕霞に夕映えがはえていて、やまかげには夕靄がすっかり治まってしまっている。

#2
芰荷迭映蔚。蒲稗相因依。
披拂趨南徑。愉悅偃東扉。
慮澹物自輕。意愜理無違。
寄言攝生客。試用此道推。』


(石壁精舎還湖中作。石壁精舎より湖中に還りて作る)
昏旦【こんたん】に気候【きこう】変じ、山水 清暉【せいき】を。
清暉 能く人を娯【たのし】ませ、游子【ゆうし】憺【やす】みて帰るを忘れる。
谷を出でて日尚はやく、舟に入りて陽已に微なり。
林壑【りんがく】瞑色【めいしょく】を斂【おさ】め、雲霞 夕霏【せきひ】を収む。」

#2
芰荷【きか】迭【たがい】に映蔚【えいい】し、蒲稗【ほはい】相い因【いん】依【い】す。
被払【ひふつ】して南径【なんけい】に趨【おもむ】き、愉悦【ゆえつ】して東扉【とうひ】に偃【ふ】す。
慮【おもい】澹【しずか】にして物自ら軽く、意 愜【かな】いて理 違【たが】う無し。
言を寄す摂生【せつせい】の客、試みに此処の道を用って推せ。」


現代語訳と訳註
(本文) 石壁精舍還湖中作詩

昏旦變氣候。山水含清暉。
清暉能娛人。遊子憺忘歸。
出谷日尚早。入舟陽已微。
林壑斂暝色。雲霞收夕霏。』


(下し文)
(石壁精舎還湖中作。石壁精舎より湖中に還りて作る)
昏旦【こんたん】に気候【きこう】変じ、山水 清暉【せいき】を。
清暉 能く人を娯【たのし】ませ、游子【ゆうし】憺【やす】みて帰るを忘れる。
谷を出でて日尚はやく、舟に入りて陽已に微なり。
林壑【りんがく】瞑色【めいしょく】を斂【おさ】め、雲霞 夕霏【せきひ】を収む。」


(現代語訳)
南の山の石壁精舍から北山の住まいへ帰る巫湖の中に船から見ての作詩。
午前中とくらべ夕がたになると気候が変わりってきた、(わたしの勉学修行に満足感があり)山も水も清々しい光を含んでいるようだ。
その清らかな光彩は人をこころから楽しませることができ、旅ゆく人の心を和ませてたのしむため帰ることをわすれるのである。
石壁精舎のある谷を出るときは日はまだ高かったが、船に乗るころには太陽はもう暗く微かになっていた。
林や谷、山影に夕暮れの色が深くこめてきている、空は雲や夕霞に夕映えがはえていて、やまかげには夕靄がすっかり治まってしまっている。

鳥居(3)

(訳注)
石壁精舍還湖中作詩

南の山の石壁精舍から北山の住まいへ帰る巫湖の中に船から見ての作詩。
石壁精舎 「精舎は今の読書斎走れなり」と。心をやすめて棲む所を精舎という。○湖中 謝霊運遊名山志に「巫湖は三面悉く高山水渚にのぞみ、山の渓澗凡そ五処。南の第一谷は今も在り。所謂石壁精舎なり」とある。
故郷の会稽の巫湖の中から見上げ眺めた風景。湖の南北の山に仏教修行館や謝霊運の居所があり、南山から北山に行く途中の作。
紹興中部の山会平原 (山陰―会稽平原) は, もともと沼沢地. であった。現在, 水郷風景が広がっている
会稽の曹娥なる女子は、その父が巫覡であったが、五月五日、(父は)神を迎えるため長江の大波に逆らって溺死した。紹興市東浦鎮。古い景観を残す水郷地帯。


昏旦變氣候。山水含清暉。
午前中とくらべ夕がたになると気候が変わりってきた、(わたしの勉学修行に満足感があり)山も水も清々しい光を含んでいるようだ


清暉能娛人。遊子憺忘歸。
その清らかな光彩は人をこころから楽しませることができ、旅ゆく人の心を和ませてたのしむため帰ることをわすれるのである。
 心をなごませて楽しむことができる。


谷日尚早。入舟陽已微。
石壁精舎のある谷を出るときは日はまだ高かったが、船に乗るころには太陽はもう暗く微かになっていた。
 口光。○林璧 林や谷の蔭。○赦瞑色 夕暮れの色を深くこめる。


林壑斂暝色。雲霞收夕霏。』
林や谷、山影に夕暮れの色が深くこめてきている、空は雲や夕霞に夕映えがはえていて、やまかげには夕靄がすっかり治まってしまっている。
雲霞 夕やけ雲。○夕霏 夕靄。

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