夜宿石門詩 謝霊運(康楽) 詩<39#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩420 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1077



故郷始寧における謝霊運の日常生活はというに、たとえは、始寧の別荘の南に楼があり、そこで漢の謝安の故事、朝廷の誘いに乗らず始寧の芸妓を携えて遊んだことにならい、芸妓を待っていたが来なかったときの感情を歌ったものである。

南樓中望所遲客
杳杳日西頹,漫漫長路迫。
登樓為誰思?臨江遲來客。
與我別所期,期在三五夕。
圓景早已滿,佳人猶未適。
即事怨睽攜,感物方淒戚。』
孟夏非長夜,晦明如歲隔。
瑤華未堪折,蘭苕已屢摘。
路阻莫贈問,雲何慰離析?
搔首訪行人,引領冀良覿。』
(南樓の中にて遅つ所の客を望む)
杳杳【きょうきょう】として日は西に頹【くず】れ、漫漫として長き路は迫【せま】れり。
楼に登り 誰の為かと思う、江に臨み釆たる客を遅【ま】つ。
我と別れしとき期する所あり、期は三五の夕に在り。
円景【まるきつき】は早く己に満ちしに、佳人は殊に末だ適【いた】らず。
事に即【つ】きて睽【そむ】き攜【はな】れるを怨み、物に感じて方【まさ】に淒【いたみ】戚【うれ】う。
孟夏【もうか】は長き夜に非ざるも、晦明【かいめい】は歳の隔つるが如し。
瑤華【あさのはな】は未だ折るに堪えざれど、蘭苕【らんしょう】 己に屢【しばし】ば摘【つ】む。
路阻【へだ】たりて贈問【ぞうもん】する莫ければ、云何【いか】んぞ離析【りせき】を慰めん。
首を掻いて行人に訪ね、領【うなじ】を引いて良き覿【み】んことを冀【ねが】う。


送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈
攜妓東山去。 春光半道催。
遙看若桃李。 雙入鏡中開。
 姪良が二姥を携えて会稽に赴くを送り、戯れに此の贈有り
妓を携えて 東山に去れば。春光 半道に催す。
遙(はるか)に看る 桃李(とうり)の若く、双(ふた)つながら鏡中に入って開くを。


夜宿石門詩
ある夜石門に宿す時の詩。
朝搴苑中蘭,畏彼霜下歇。
朝になって庭園の中に咲く蘭の花を取る、それは秋の霜の下に枯れ尽きるのを心配するからなのだ。
暝還雲際宿,弄此石上月。
夕暮れになって引返し、高い所の雲のはての石門山に宿する、この山の石の上に登ってくる月を愛で楽しむのである。
鳥鳴識夜棲,木落知風發。」
鳥の鳴く声に彼等が夜、この林にやどっていることを認識し、木の葉の落ちるのをみて風の発する方向がわかる。
異音同至听,殊響俱清越。
妙物莫為賞,芳醑誰與伐。
美人竟不來,陽阿徒晞發。」

(夜石門に宿る詩)
朝に苑中の蘭を搴【と】り、彼の霜下に歇【つ】くるを畏【おそ】る。
瞑【めい】に雲際【うんさい】の宿に還【かえ】り、此の石上の月を弄【もてあそ】ぶ。
鳥鳴いて夜棲むを識り、木落ちて風の發【おこ】るを知る。
異音【いおん】同じく听【せき】を致し、殊なれる響き 俱に清越たり。
妙物 賞を為す莫く、芳【かおりよ】き醑【うまざけ】 誰と与にか伐【ほこ】らん。美人 竟に來たらず、陽の阿【おか】にて徒【いたず】らに髪を晞【かわ】かす



現代語訳と訳註
(本文)
夜宿石門詩
朝搴苑中蘭,畏彼霜下歇。
暝還雲際宿,弄此石上月。
鳥鳴識夜棲,木落知風發。」


(下し文)
朝に苑中の蘭を奉り、彼の霜下に駄くるを畏る。
瞑に雲際の宿に還り、此の石上の月を弄す。
鳥鳴いて夜棲むを識り、木落ちて凧の葬るを知る。


(現代語訳)
ある夜石門に宿す時の詩。
朝になって庭園の中に咲く蘭の花を取る、それは秋の霜の下に枯れ尽きるのを心配するからなのだ。
夕暮れになって引返し、高い所の雲のはての石門山に宿する、この山の石の上に登ってくる月を愛で楽しむのである。
鳥の鳴く声に彼等が夜、この林にやどっていることを認識し、木の葉の落ちるのをみて風の発する方向がわかる。


(訳注)
夜宿石門詩
ある夜石門に宿す時の詩。
石門 浙江省会稽道、始寧より少し南の浙江省嵊県の嘑山の南にある名勝にある里。謝霊運の別荘がある。


搴苑中蘭,畏彼霜下歇。
朝になって庭園の中に咲く蘭の花を取る、それは秋の霜の下に枯れ尽きるのを心配するからなのだ。
○搴 取る。○ 枯れ尽きる。


暝還雲際宿,弄此石上月。
夕暮れになって引返し、高い所の雲のはての石門山に宿する、この山の石の上に登ってくる月を愛で楽しむのである。
 暮れ。・めでる。


鳥鳴識夜棲,木落知風發。」
鳥の鳴く声に彼等が夜、この林にやどっていることを認識し、木の葉の落ちるのをみて風の発する方向がわかる。
。○夜棲 夜、巣に戻って樹上に宿ること