夜宿石門詩 謝霊運(康楽) 詩<39#2>Ⅱ李白に影響を与えた詩421 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1080


夜宿石門詩
朝搴苑中蘭,畏彼霜下歇。
暝還雲際宿,弄此石上月。
鳥鳴識夜棲,木落知風發。」
異音同至听,殊響俱清越。
ちがった音がともに聞こえて来て、殊なつた響きかどれも皆清々しくて平常の域を越えてくる。
妙物莫為賞,芳醑誰與伐。
すぐれた物といって我がために誉めてくれる人がなく、芳しい酒は誰に自慢できるというのか。
美人竟不來,陽阿徒晞發。」

楚辞に私の慕うよい人はとうとう来ない。「夕宿兮帝郊、君誰須兮雲之際。與女遊兮九河、衝風至兮水揚波。與女沐兮咸池、晞女髮兮陽之阿。望美人兮未來、臨風怳兮浩歌。孔蓋兮翠旍、登九天兮撫彗星。」(夕に帝の郊【こう】に宿れば、君誰をか雲の際【はて】に須【ま】つ。女なんじと九河【きゅうか】に遊べば、衝風【しょうふう】至って水波を揚ぐ。女【なんじ】と咸池【かんち】に沐【もく】し、女【なんじ】の髪を陽【よう】の阿【あ】に晞【かわ】かさん。美人を望めどもいまだ来らず、風に臨【のぞ】んで怳【こう】として浩歌【こうか】す。)(少司命)とあるが、私も友人か来ないので、むなしく伝説の日の照る山の端で、ひとり髪を乾かすだけである。同じ心の友がいないのは寂しいことである。

(夜石門に宿る詩)
朝に苑中の蘭を搴【と】り、彼の霜下に歇【つ】くるを畏【おそ】る。
瞑【めい】に雲際【うんさい】の宿に還【かえ】り、此の石上の月を弄【もてあそ】ぶ。
鳥鳴いて夜棲むを識り、木落ちて風の發【おこ】るを知る。
異音【いおん】同じく听【せき】を致し、殊なれる響き 俱に清越たり。妙物 賞を為す莫く、芳【かおりよ】き醑【うまざけ】 誰と与にか伐【ほこ】らん。
美人 竟に來たらず、陽の阿【おか】にて徒【いたず】らに髪を晞【かわ】かす


現代語訳と訳註
(本文)

異音同至听,殊響俱清越。
妙物莫為賞,芳醑誰與伐。
美人竟不來,陽阿徒晞發。」


(下し文)
異音同じく寵に至り、殊響供に清越なり。
妙物も馬に賞する莫し。芳醇誰にか伐らん。
美人寛に来らず、陽阿に徒に髪を怖かすのみ。


(現代語訳)
ちがった音がともに聞こえて来て、殊なつた響きかどれも皆清々しくて平常の域を越えてくる。
すぐれた物といって我がために誉めてくれる人がなく、芳しい酒は誰に自慢できるというのか。
楚辞に私の慕うよい人はとうとう来ない。「夕宿兮帝郊、君誰須兮雲之際。與女遊兮九河、衝風至兮水揚波。與女沐兮咸池、晞女髮兮陽之阿。望美人兮未來、臨風怳兮浩歌。孔蓋兮翠旍、登九天兮撫彗星。」(夕に帝の郊【こう】に宿れば、君誰をか雲の際【はて】に須【ま】つ。女なんじと九河【きゅうか】に遊べば、衝風【しょうふう】至って水波を揚ぐ。女【なんじ】と咸池【かんち】に沐【もく】し、女【なんじ】の髪を陽【よう】の阿【あ】に晞【かわ】かさん。美人を望めどもいまだ来らず、風に臨【のぞ】んで怳【こう】として浩歌【こうか】す。)(少司命)とあるが、私も友人か来ないので、むなしく伝説の日の照る山の端で、ひとり髪を乾かすだけである。同じ心の友がいないのは寂しいことである。

(訳注)
異音同至听,殊響俱清越。
ちがった音がともに聞こえて来て、殊なつた響きかどれも皆清々しくて平常の域を越えてくる。
清越 清くて調子が高い。清々しさが平常の域を越えてくる。


妙物莫為賞,芳醑誰與伐。
私の作った興味ある変わった詩文に対して賞賛してくれる人はいない、それに香しい旨酒をだれと共に自慢できるというのか。
妙物 すぐれた物。たえなるもの。○芳醑 香ばしい酒。○伐 ほこる。


美人竟不來,陽阿徒晞發。」
楚辞に私の慕うよい人はとうとう来ない。「夕宿兮帝郊、君誰須兮雲之際。與女遊兮九河、衝風至兮水揚波。與女沐兮咸池、晞女髮兮陽之阿。望美人兮未來、臨風怳兮浩歌。孔蓋兮翠旍、登九天兮撫彗星。」(夕に帝の郊【こう】に宿れば、君誰をか雲の際【はて】に須【ま】つ。女なんじと九河【きゅうか】に遊べば、衝風【しょうふう】至って水波を揚ぐ。女【なんじ】と咸池【かんち】に沐【もく】し、女【なんじ】の髪を陽【よう】の阿【あ】に晞【かわ】かさん。美人を望めどもいまだ来らず、風に臨【のぞ】んで怳【こう】として浩歌【こうか】す。)(少司命)とあるが、私も友人か来ないので、むなしく伝説の日の照る山の端で、ひとり髪を乾かすだけである。同じ心の友がいないのは寂しいことである。
美人 美しい女性。佳人。芸妓のこと。○陽阿徒晞發 楚辞九歌少司命篇「「夕宿兮帝郊、君誰須兮雲之際。與女遊兮九河、衝風至兮水揚波。與女沐兮咸池、晞女髮兮陽之阿。望美人兮未來、臨風怳兮浩歌。孔蓋兮翠旍、登九天兮撫彗星。」(夕に帝の郊【こう】に宿れば、君誰をか雲の際【はて】に須【ま】つ。女なんじと九河【きゅうか】に遊べば、衝風【しょうふう】至って水波を揚ぐ。女【なんじ】と咸池【かんち】に沐【もく】し、女【なんじ】の髪を陽【よう】の阿【あ】に晞【かわ】かさん。美人を望めどもいまだ来らず、風に臨【のぞ】んで怳【こう】として浩歌【こうか】す。)と。陽阿は日の照る山の端の意味。九陽の丘。扶桑のほとりの伝説の地名。