東陽溪中贈答二首その(1) 謝霊運(康楽) 詩<40#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩422 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1083
東陽谿中贈答 謝靈運      *385~433年 南朝の宋の詩人。


東陽溪中贈答二首
一  可憐誰家婦、緣流洗素足。
   明月在雲間、迢迢不可得。

二  可憐誰家郎、緣流乘素舸。
   但問情若為、月就雲中墮。




東陽谿中贈答 その(1)
東陽の谷にあたって答えて贈る。その(1)
可憐誰家婦,淥流洗素足。
可愛らしい娘がいるが、誰の家系もご婦人なのだろうか、澄み切った谷の流れに、西施のように素足をだしての白い足を洗っている。
明月在雲間,迢迢不可得。

明月は、雲のむこうにあって抱かれているようだが、遥か彼方の存在だから、とても手にいれることはできはしない。 


東陽の谿中 答え贈る
可憐【かれん】なるは 誰【た】が家の 婦【おんな】ぞ,淥流【ろくりゅう】に 素足を 洗ふ。
明月  雲間に 在り,迢迢【ちょうちょう】として  得 可【べ】からず。


現代語訳と訳註
(本文)

東陽谿中贈答
可憐誰家婦,淥流洗素足。
明月在雲間,迢迢不可得。


(下し文)
東陽の谿中 答え贈る
可憐【かれん】なるは 誰【た】が家の 婦【おんな】ぞ,淥流【ろくりゅう】に 素足を 洗ふ。
明月  雲間に 在り,迢迢【ちょうちょう】として  得 可【べ】からず。


(現代語訳)
東陽の谷にあたって答えて贈る。
可愛らしい娘がいるが、誰の家系もご婦人なのだろうか、澄み切った谷の流れに、西施のように素足をだしての白い足を洗っている。
明月は、雲のむこうにあって抱かれているようだが、遥か彼方の存在だから、とても手にいれることはできはしない。 


(訳注)
東陽谿中贈答

東陽の谷にあたって答えて贈る。
東陽 浙江省東陽県。会稽山脈の南方にある
谿 (1)山または丘にはさまれた細長い溝状の低地。一般には河川の浸食による河谷が多い。成因によって川や氷河による浸食谷と断層や褶曲(しゆうきよく)による構造谷とに分ける。また、山脈に沿う谷を縦谷(じゆうこく)、山脈を横切るものを横谷(おうこく)という。(2)高い所にはさまれた低い部分。 (3)二つの屋根の流れが交わる所。


可憐誰家婦、縁流洗素足。
可愛らしい娘がいるが、誰の家系もご婦人なのだろうか、澄み切った谷の流れに、西施のように素足をだしての白い足を洗っている。
可憐 愛すべき娘。可愛らしい娘。 ・誰家 どの家系。 ・ おんな。 ・淥流:谷川の流れに沿って。 ・ あらう。 ・素足 白い足。 ・:白い。
東陽の素足の女は。○素足女 この地方は美人の多い子で有名。素足の女は、楚の国の王を籠絡した女性西施がそのふっくらとした艶的の魅力により
語の句に警告させその出発殿のすあしのおんなであった。


明月在雲間、迢迢不可得。
明月は、雲のむこうにあって抱かれているようだが、遥か彼方の存在だから、とても手にいれることはできはしない。 
明月 澄みわたった月。素足の女性、西施をイメージする。 ・雲間:雲の間。 ・迢迢 (ちょうちょう) 遥か。遠い。高い。 ・不可得 得ることができない。


(解説)
淥水=白 素=白 足=白 、明=白 月=白 雲=白 ここで一句に3つの白、次の句で6つの白を挿入している。淥水は透明な水昼は緑に見え、夜は黒で、月明かりで白ある。素月は霜月で澄み切ったもの、汚れていないものをいう、その清らかなそんざいが、雲のようにつかむことはできない。エロチックな雰囲気を出しつつも謝霊運には精一杯かもしれない。玉台新詠の中で最も艶歌らしくない詩である。



 越王勾践(こうせん)が、呉王夫差(ふさ)に、復讐のための策謀として献上した美女たちの中に、西施や鄭旦などがいた。貧しい薪売りの娘として産まれた西施(施夷光)は谷川で洗濯をしている素足姿を見出されてたといわれている。策略は見事にはまり、夫差は彼女らに夢中になり、呉国は弱体化し、ついに越に滅ぼされることになる。
 「あでやかな物言いたげな」は西施たちを意味し、同じように白蘋を取る娘たちも白い素足を出している。娘らには、何も魂胆はないけれど見ている作者に呉の国王のように心を動かされてしまう。若い娘らの魅力を詠ったものである。(当時は肌は白くて少し太めの足がよかったようだ) 李白に限らず、舟に乗って白蘋(浮き草)を採る娘たちを眺めるのは、とても素敵なひとときだったであろう。