折楊柳行 その一 謝霊運(康楽) 詩<72-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩495 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1302


折楊柳行二首 その一
鬱鬱河邊樹,青青田野草,舍我故鄉客,將適萬里道,妻妾牽衣袂,抆淚沾懷抱,還拊幼童子,顧托兄與嫂,辭訣未及終,嚴駕一何早,負笮引文舟,飢渴常不飽,誰令爾貧賤,咨嗟何所道。
その二

騷屑出穴風,揮霍見日雪,颼颼無乆搖,皎皎幾時潔,未覺泮春冰,巳復謝秋節,空對尺素遷,獨視寸陰滅,否桑未易繫,泰茅難重拔,桑茅迭生運,語默寄前哲。

(楊柳を折るの行 二首)その一
鬱鬱【うつうつ】たる河辺の柳、青青たる野田の草。
我を舎【す】つ故郷の客、将に万里の道を適【ゆ】かんとす。
妻妾【さいしょう】は衣袂【いべい】を牽【ひ】き、涙を抆【おさ】めつつ懐抱【ふところ】を沾【うる】おす。
還【かえ】って幼童の子を拊で、顧みて兄と嫂とに托す。
辞訣【じけつ】未だ終わるに及ばざるに、駕【くるま】を厳【ととの】えること一【いつ】に何ぞ早き。
笮【えびら】を負い文舟【ぶんしゅう】を引き、飢渇して常に飽かず。
誰か爾【なんじ】をして貧賤【ひんせん】ならしむ、咨嗟【ああ】何の道【い】う所ぞ。

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折楊柳行二首 その一
別れに楊柳を折って輪にして健康を祈る。
鬱鬱河邊樹,青青田野草。
草木がよく茂っていて大河の川辺のきもしげる田畑や野原もあおあおと草がしげる。
舍我故鄉客,將適萬里道。
わたしは故郷を棄てて旅路に立とうとしている。まさに万里の先までこの路を行こうとしているのだ。
妻妾牽衣袂,抆淚沾懷抱。

妻や妾妻はころも袂をひっぱり涙をかくしている、涙を拭き収めて懐は潤いでいっぱいになる。

(楊柳を折るの行 二首)その一
鬱鬱【うつうつ】たる河辺の柳、青青たる野田の草。
我を舎【す】つ故郷の客、将に万里の道を適【ゆ】かんとす。
妻妾【さいしょう】は衣袂【いべい】を牽【ひ】き、涙を抆【おさ】めつつ懐抱【ふところ】を沾【うる】おす。

折楊柳0002


現代語訳と訳註
(本文)
折楊柳行二首 その一
鬱鬱河邊樹,青青田野草。
舍我故鄉客,將適萬里道。
妻妾牽衣袂,抆淚沾懷抱。


(下し文)
(楊柳を折るの行 二首)その一
鬱鬱【うつうつ】たる河辺の柳、青青たる野田の草。
我を舎【す】つ故郷の客、将に万里の道を適【ゆ】かんとす。
妻妾【さいしょう】は衣袂【いべい】を牽【ひ】き、涙を抆【おさ】めつつ懐抱【ふところ】を沾【うる】おす。


(現代語訳)
別れに楊柳を折って輪にして健康を祈る。
草木がよく茂っていて大河の川辺のきもしげる田畑や野原もあおあおと草がしげる。
わたしは故郷を棄てて旅路に立とうとしている。まさに万里の先までこの路を行こうとしているのだ。
妻や妾妻はころも袂をひっぱり涙をかくしている、涙を拭き収めて懐は潤いでいっぱいになる。


(訳注)
折楊柳行二首 その一
別れに楊柳を折って輪にして健康を祈る。
詩題の「折楊柳」は、前漢の張騫が西域から持ち帰った音楽を素にして出来たものだが、この時の辞は、魏晉時代に亡失してしまっているという。晉代には兵事の労苦が陳べられるようになり、それが南朝の梁、陳に始まり唐代ではさらにひろがった。
『折楊柳』の曲調。別離の曲。離愁を覚えるということ。王翰の『涼州詞』「秦中花鳥已應闌,塞外風沙猶自寒。夜聽胡笳折楊柳,敎人意氣憶長安。」、李白に『春夜洛城聞笛』「誰家玉笛暗飛聲,散入春風滿洛城。此夜曲中聞折柳,何人不起故園情。」とある。


鬱鬱河邊樹,青青田野草。
草木がよく茂っていて大河の川辺のきもしげる田畑や野原もあおあおと草がしげる。
・鬱鬱【うつうつ】1 心の中に不安や心配があって思い沈むさま。2 草木がよく茂っているさま。


舍我故鄉客,將適萬里道。
わたしは故郷を棄てて旅路に立とうとしている。まさに万里の先までこの路を行こうとしているのだ。


妻妾牽衣袂,抆淚沾懷抱。
妻や妾妻はころも袂をひっぱり涙をかくしている、涙を拭き収めて懐は潤いでいっぱいになる。
衣袂 取り付けられ腕を覆う衣服の部分