悲哉行 謝霊運(康楽) 詩<76-#2>Ⅱ李白に影響を与えた詩503 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1326



     
  同じ日のブログ 
     1326悲哉行 謝霊運(康楽) 詩<76-#2>Ⅱ李白に影響を与えた詩503 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1326 
     1327城南聯句 韓退之(韓愈)詩<64-#20>Ⅱ中唐詩416 紀頌之の漢詩ブログ1327 
     1328雨晴 杜甫 <287> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1328 杜甫詩 700- 407 
   
 李商隠詩李商隠/韓愈韓退之(韓愈)・柳宗元・李煜・王安石・蘇東坡 
   2011/7/11李商隠 1 錦瑟 
      2011/7/11 ~ 2012/1/11 まで毎日掲載 全130首(187回) 
   2012/1/11 唐宋 Ⅰ李商隠187 行次西郊作一百韻  白文/現代語訳 (全文) 
     


悲哉行
萋萋春草生,王孫遊有情,
さかんに茂っている春の草木がのびている、「楚辞」で詠う王孫は遊んでいて情をもっている。
差池鷰始飛,夭裊桃始榮,
翼を動かしツバメが飛び始めるし、若くやわらかくしなりながら桃が初めて栄える。
灼灼桃悅色,飛飛燕弄聲,
あでやかな桃は喜びの色になり、飛び回るツバメは声を上げる。
檐上雲結陰,澗下風吹清,
軒端の上にいたツバメが飛び立ち、雲の影に入っていく、谷の下には風が吹きすがすがしさを運ぶ。
幽樹雖改觀,終始在初生。
薄暗い木の陰に姿を改めているとしても、初めから終わりまで、うぶなものとしてあるのだ。

松蔦歡蔓延,樛葛欣虆縈,
風がこちらに来たからといってそれに頼ってしまってはいけない。鳥が去って行く様にどうして聞き流してしまうのだろうか。
松に絡むつたは蔓延していることを歓喜するし、その纏わって蔦はからみ纏わることを欣喜雀躍する。
眇然遊宦子,晤言時未并,
取るに足りないことであるが故郷を離れて務めている役人がいる、相対してうちとけて語ることは時に全く意に沿わないものがいる。
鼻感改朔氣,眼傷變節榮,
鼻が感じることは、秋が改ためられて北方から吹いてくる寒気であるし、目が傷つくことは季節の華やかに栄えるのが変化していくことである。
侘傺豈徒然,澶漫絕音形,
志を失うことはどうしてやるべき事がなくて、手持ち無沙汰なさまということだ、
風來不可托,鳥去豈為聽。


現代語訳と訳註
(本文)

松蔦歡蔓延,樛葛欣虆縈,
眇然遊宦子,晤言時未并,
鼻感改朔氣,眼傷變節榮,
侘傺豈徒然,澶漫絕音形,
風來不可托,鳥去豈為聽。


(下し文)
松の蔦【つた】蔓延【まんえん】を歓び、樛【まつわ】れる葛 虆縈【るいし】するを欣ぶ
眇然【びょうぜん】たり遊宦【ゆうかん】の子、悟言す時に未だ并【あ】わざるを。
鼻にて朔気に改むるを感じ、眼は節の栄ゆるを変ずるを傷む。
侘傺【たてい】豈 徒然ならんや、澶漫【たんまん】に音形 絶ゆ。
風来たるも託す可からず、鳥去り 豈 聴くを為さんや。


(現代語訳)
松に絡むつたは蔓延していることを歓喜するし、その纏わって蔦はからみ纏わることを欣喜雀躍する。
取るに足りないことであるが故郷を離れて務めている役人がいる、相対してうちとけて語ることは時に全く意に沿わないものがいる。
鼻が感じることは、秋が改ためられて北方から吹いてくる寒気であるし、目が傷つくことは季節の華やかに栄えるのが変化していくことである。

志を失うことはどうしてやるべき事がなくて、手持ち無沙汰なさまということだ、
風がこちらに来たからといってそれに頼ってしまってはいけない。鳥が去って行く様にどうして聞き流してしまうのだろうか。


(訳注)
松蔦歡蔓延,樛葛欣虆縈,
松に絡むつたは蔓延していることを歓喜するし、その纏わって蔦はからみ纏わることを欣喜雀躍する。
松蔦 この詩に言う松は、男性、男性に局所。蔦は女性を示す。


眇然遊宦子,晤言時未并,
取るに足りないことであるが故郷を離れて務めている役人がいる、相対してうちとけて語ることは時に全く意に沿わないものがいる。
・眇然 小さいさま。取るに足りないさま。・遊宦 故郷を離れて務めている役人。・晤言【ごげん】相対してうちとけて語ること。また、そのことば。(「悟」「晤」は、あう、むかいあうの意)


鼻感改朔氣,眼傷變節榮,
鼻が感じることは、秋が改ためられて北方から吹いてくる寒気であるし、目が傷つくことは季節の華やかに栄えるのが変化していくことである。
朔氣 北方から吹いてくる寒気。


侘傺豈徒然,澶漫絕音形,
志を失うことはどうしてやるべき事がなくて、手持ち無沙汰なさまということだ、
侘傺 志を失う。・徒然 やるべき事がなくて、手持ち無沙汰なさま。・澶漫 ほしいままなこと。緩やかに長いさま。


風來不可托,鳥去豈為聽。
風がこちらに来たからといってそれに頼ってしまってはいけない。鳥が去って行く様にどうして聞き流してしまうのだろうか。


この詩は、謝靈運の他の詩と比較して疑問のおこる詩である。内容的、語句のつかい方など若い時のものなら理解もできるが異なる語句が随所にある。詩経と楚辞の語句をそのまま使用したり、その内容・背景を借用するということ基づいて作るというより、直接使用している。謝靈運に艶詩は不得手である。