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   2012/1/11 唐宋 Ⅰ李商隠187 行次西郊作一百韻  白文/現代語訳 (全文) 
     

順東門行
出西門,眺雲間,揮斤扶木墜虞泉,
西門を出ることは閨を後にするか、歓楽から出ること、振り返ると薄もやの中に妓女をのぞむ。斧をふるいうまく枝を断ち切る『荘子』に出る二人の名人郢と匠の故事ように上手な技術で美人の泉を陥落させた。
信道人,鑒徂川,思樂暫捨誓不旋,
浄土信仰を信じる者にとって、川は低きに流れゆく当たり前のこととして、歓楽を思うことはしばらくは捨てると誓い人生を迷うことない。
閔九九,傷牛山,宿心載違徒昔言,
古代の禹帝の子啟【けい】が勤勉によって九辯九歌を得たのに死ねば憐れだし、孟子が言われた牛山の木にしても斧できればただの木で、前々からの志があってもそれは昔の人が言うようにはなりはしない。
競運落,務頹年,招命儕好相追牽,
良い時には思いもしなかったが運が落ちてきたら競争するし、年老いてくれば急に勤勉に務めるものだ。そして息の合った友達同士が招いたり、命じたりして、互いに追いもとめ、ひっぱりあう。
酌芳酤,奏繁絃,惜寸陰,情固然。
そうして、香しいお酒を酌み交わし、一所懸命に琴を演奏して、わずかの間も惜しむことなく、心情、感情、友情を固くするものである。
西門【せいもん】を出でて 雲間を眺め、斤【まさかり】を揮【ふる】いて木を扶【えぐ】り虞泉【ぐせん】に墜つ。
信の道の人 徂川【そせん】に鑒【かんが】み、楽を思うこと暫く捨てて旋【せん】せざるを誓う。
九九を閔【あわ】れみ 牛山を傷む、宿心 載【すなわ】ち違い徒【いたず】らに昔言す。
落運に競い 頽年は務め、儕好【さいこう】を招命して相い追牽【ついけん】す。
芳しき酤【さけ】を酌み 繁絃【はんげん】を奏し、惜しみ 情は固然【かた】し。

miyajima 709330


現代語訳と訳註
(本文)
順東門行
出西門,眺雲間,揮斤扶木墜虞泉,
信道人,鑒徂川,思樂暫捨誓不旋,
閔九九,傷牛山,宿心載違徒昔言,
競運落,務頹年,招命儕好相追牽,
酌芳酤,奏繁絃,惜寸陰,情固然。


(下し文)
西門【せいもん】を出でて 雲間を眺め、斤【まさかり】を揮【ふる】いて木を扶【えぐ】り虞泉【ぐせん】に墜つ。
信の道の人 徂川【そせん】に鑒【かんが】み、楽を思うこと暫く捨てて旋【せん】せざるを誓う。
九九を閔【あわ】れみ 牛山を傷む、宿心 載【すなわ】ち違い徒【いたず】らに昔言す。
落運に競い 頽年は務め、儕好【さいこう】を招命して相い追牽【ついけん】す。
芳しき酤【さけ】を酌み 繁絃【はんげん】を奏し、惜しみ 情は固然【かた】し。


(現代語訳)
西門を出ることは閨を後にするか、歓楽から出ること、振り返ると薄もやの中に妓女をのぞむ。斧をふるいうまく枝を断ち切る『荘子』に出る二人の名人郢と匠の故事ように上手な技術で美人の泉を陥落させた。
浄土信仰を信じる者にとって、川は低きに流れゆく当たり前のこととして、歓楽を思うことはしばらくは捨てると誓い人生を迷うことない。
古代の禹帝の子啟【けい】が勤勉によって九辯九歌を得たのに死ねば憐れだし、孟子が言われた牛山の木にしても斧できればただの木で、前々からの志があってもそれは昔の人が言うようにはなりはしない。
良い時には思いもしなかったが運が落ちてきたら競争するし、年老いてくれば急に勤勉に務めるものだ。そして息の合った友達同士が招いたり、命じたりして、互いに追いもとめ、ひっぱりあう。
そうして、香しいお酒を酌み交わし、一所懸命に琴を演奏して、わずかの間も惜しむことなく、心情、感情、友情を固くするものである。


(訳注)
順東門行

東門は志を以て家を出ること。謝恵連にも同題の作がある。詩は、古詩源 漢の無名氏『西門行』をまねて作る。
西門行
出西門、歩念之、今日不作樂、當待何時。
夫爲樂、爲樂當及時。
何能坐愁拂鬱、當復待來茲。
飲醇酒、炙肥牛、請呼心所歡、可用解愁憂。
人生不滿百、常懷千歳憂。
晝短而夜長、何不秉燭游。
自非仙人王子喬、計會壽命難與期。
自非仙人王子喬、計會壽命難與期。
人壽非金石、年命安可期。
貪財愛惜費、但爲後世嗤。


出西門,眺雲間,揮斤扶木墜虞泉
西門を出ることは閨を後にするか、歓楽から出ること、振り返ると薄もやの中に妓女をのぞむ。斧をふるいうまく枝を断ち切る『荘子』に出る二人の名人郢と匠の故事ように上手な技術で美人の泉を陥落させた。
西門 西は家でいえば閨であったり、城郭内では芸妓のいる歓楽街の門である。・揮斤扶木 『荘子』 に出る二人の名人郢と匠の故事。 郢人(えいひと)の左官の鼻先に薄く塗った土を、匠石(しょうせき)という大工が手斧(ちょうな)を振って傷つけることなくこれを落としたという。 ここでは、釈迦・弥陀二尊の意が一致していることを喩えたもの。郢匠揮斤.【釋義】:比喻純熟、高超的技藝。 【出處】:《莊子•徐無鬼》載,匠石揮斧削去郢人塗在鼻翼上的白粉,而不傷其人。


信道人,鑒徂川,思樂暫捨誓不旋,
浄土信仰を信じる者にとって、川は低きに流れゆく当たり前のこととして、歓楽を思うことはしばらくは捨てると誓い人生を迷うことない。
信道人 浄土信仰を信じる者。・徂川 川は低きに流れゆく当たり前のこと。東流と同義語。


閔九九,傷牛山,宿心載違徒昔言,
古代の禹帝の子啟【けい】が勤勉によって九辯九歌を得たのに死ねば憐れだし、孟子が言われた牛山の木にしても斧できればただの木で、前々からの志があってもそれは昔の人が言うようにはなりはしない。
閔九九 『楚辞、天問』「啟棘賓商,九辯九歌」(啟【けい】棘【ゆめ】に商【てい】に賓【ひん】し,九辯九歌あり。)聖人といわれる禹の一般の男女と同じに交友をしたのかと詠い、その子啟が災難に遭って拘禁されたが、後自由を得て、勤勉によって九辯九歌を得たのに死ねば憐れだ。・傷牛山 【孟子:告子章句上八】 『原文』 孟子曰、 牛山之木嘗美矣、 以其郊於大國也、 斧斤伐之、可以爲美乎。(孟子曰く、 牛山の木は 嘗て美なり。 其の大国に 郊するを以て、 斧斤【ふきん】之を伐る、以て美と為す可けんや。)・宿心 =宿志:かねてからの希望。前々からの志。・昔言 古人のことば。


競運落,務頹年,招命儕好相追牽,
良い時には思いもしなかったが運が落ちてきたら競争するし、年老いてくれば急に勤勉に務めるものだ。そして息の合った友達同士が招いたり、命じたりして、互いに追いもとめ、ひっぱりあう。
競運落 良い時には思いもしなかったが運が落ちてきたら競争する。・務頹年 年老いてくれば急に勤勉に務める。・儕好 息の合った友達同士。・相追牽 互いに追いもとめ、ひっぱりあうこと。


酌芳酤,奏繁絃,惜寸陰,情固然。
そうして、香しいお酒を酌み交わし、一所懸命に琴を演奏して、わずかの間も惜しむことなく、心情、感情、友情を固くするものである。