古詩十九首之三 (3) 漢詩<90>Ⅱ李白に影響を与えた詩522 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1383

     
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   2011/7/11李商隠 1 錦瑟 
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   2012/1/11 唐宋 Ⅰ李商隠187 行次西郊作一百韻  白文/現代語訳 (全文) 
     


古詩十九首  第三首
青青陵上栢、磊磊礀中石。
青々とした丘の上には柏の木があり、ごろごろとした谷川の石、自然は常にこのようなものだ。
人生大地間、忽如遠行客。
天地の間において人生のはかないものであり、遠出した旅人がたちまちのうちに過ぎ去るようなものである。
斗酒相娯楽、聊厚不為薄。
せめては一斗の酒を酌みかわしてともに楽しむことであり、そうすれば結構これで十分であるし、不足などとは考えない。
駆車策駑馬、遊戯宛與洛。
足の鈍い馬であってもむちうって車ででかけるのである、宛の街や洛陽の都で遊びまくる。
洛中何欝欝、冠帯自相索。
これらの街はさすが花の都の盛んなことである。衣冠束帯姿のおえら万が、右往左往している。
長衢羅夾巷、王侯多第宅。
東西南北の大通りに小路を規則的に列ねており、そこには王侯の邸宅が建ち並んでいる。
両宮遥相望、双闕百余尺。
南北に向かい合う両宮殿ははるかにとおくのぞみ合っている、そびえ立つ宮門の高い楼閣の高さは百余尺もある。
極宴娯心意、戚戚何所迫。
この繁華街ではこころゆくまで酒宴歓楽に喜び、人生の憂い悲しみは、どうして身に迫り近寄ることがあろうか。


青青たる陵上【りょうじょう】の栢【はく】、磊磊【らいらい】たる礀中【かんちゅう】の石。
人の大地の間に生る、忽ち遠行の客の如し。
斗酒 相い娯楽しみて、聊【しばら】く厚しとして 薄しと為さざらん。
車を駆て 駑馬【どば】に策【むちう】ちて、宛と洛とに遊戯【ゆうぎ】す。
洛中 何ぞ欝欝【うつうつ】として、冠帯【かんたい】自ら相い索【もと】む。
長衢【ちょうく】夾巷【きょうこう】に羅【つら】なり、王侯 第宅【ていたく】多し。
両宮 遥かに相い望む、双闕【そうけつ】百余尺あり。
宴を極めて 心意を娯【たのし】ましぶれば、戚戚【せきせき】として 何の迫る所ぞ。


現代語訳と訳註
(本文)
第三首
青青陵上栢、磊磊礀中石。
人生大地間、忽如遠行客。
斗酒相娯楽、聊厚不為薄。
駆車策駑馬、遊戯宛與洛。
洛中何欝欝、冠帯自相索。
長衢羅夾巷、王侯多第宅。
両宮遥相望、双闕百余尺。
極宴娯心意、戚戚何所迫。


(下し文)
青青たる陵上【りょうじょう】の栢【はく】、磊磊【らいらい】たる礀中【かんちゅう】の石。
人の大地の間に生る、忽ち遠行の客の如し。
斗酒 相い娯楽しみて、聊【しばら】く厚しとして 薄しと為さざらん。
車を駆て 駑馬【どば】に策【むちう】ちて、宛と洛とに遊戯【ゆうぎ】す。
洛中 何ぞ欝欝【うつうつ】として、冠帯【かんたい】自ら相い索【もと】む。
長衢【ちょうく】夾巷【きょうこう】に羅【つら】なり、王侯 第宅【ていたく】多し。
両宮 遥かに相い望む、双闕【そうけつ】百余尺あり。
宴を極めて 心意を娯【たのし】ましぶれば、戚戚【せきせき】として 何の迫る所ぞ。


(現代語訳)
青々とした丘の上には柏の木があり、ごろごろとした谷川の石、自然は常にこのようなものだ。
天地の間において人生のはかないものであり、遠出した旅人がたちまちのうちに過ぎ去るようなものである。
せめては一斗の酒を酌みかわしてともに楽しむことであり、そうすれば結構これで十分であるし、不足などとは考えない。
足の鈍い馬であってもむちうって車ででかけるのである、宛の街や洛陽の都で遊びまくる。
これらの街はさすが花の都の盛んなことである。衣冠束帯姿のおえら万が、右往左往している。
東西南北の大通りに小路を規則的に列ねており、そこには王侯の邸宅が建ち並んでいる。
南北に向かい合う両宮殿ははるかにとおくのぞみ合っている、そびえ立つ宮門の高い楼閣の高さは百余尺もある。
この繁華街ではこころゆくまで酒宴歓楽に喜び、人生の憂い悲しみは、どうして身に迫り近寄ることがあろうか。


(訳注)
第三首
山間から都会の人間の現実世界に身を駆って、享楽と野心の中に憂いを消そうとする。最後の一句中の「戚戚」の言葉の底。人生の憂いこそ、この詩の基調である。
・第三首 人生は無常であるが、それを悲しむよりは命に安んじてしばらく行楽しょうとの意。


青青陵上栢、磊磊礀中石。
青々とした丘の上には柏の木があり、ごろごろとした谷川の石、自然は常にこのようなものだ。
・陵 高丘。
・柏 このてがしわ、ひはに似た一種の常緑樹。
・磊 磊石のごろごろしたさま
・礀 石間の水


人生大地間、忽如遠行客。
天地の間において人生のはかないものであり、遠出した旅人がたちまちのうちに過ぎ去るようなものである。


斗酒相娯楽、聊厚不為薄。
せめては一斗の酒を酌みかわしてともに楽しむことであり、そうすれば結構これで十分であるし、不足などとは考えない。
・聊厚不為薄 酒を飲んで楽しみ,多少厚くても厭わず,又,薄しともしない,転じて,しばらく,之は結構なご馳走だと思い,つまらぬものと思うまい.


駆車策駑馬、遊戯宛與洛。
足の鈍い馬であってもむちうって車ででかけるのである、宛の街や洛陽の都で遊びまくる。
・駑馬 足の鈍い馬では,あるがの意.
・宛與洛 河南省の南陽の宛県と洛陽


洛中何欝欝、冠帯自相索。
これらの街はさすが花の都の盛んなことである。衣冠束帯姿のおえら万が、右往左往している。
・欝 繁盛の状態
・冠帯 衣冠束帯,即ち貴族官僚人
・自相索 訪問し合うのを常としていること。 相追い求める。右往左往している。


長衢羅夾巷、王侯多第宅。
東西南北の大通りに小路を規則的に列ねており、そこには王侯の邸宅が建ち並んでいる。
・長衢 長い大通、衢は四方に通ずる都大路。
・羅 羅列,連なり並ぶ
第宅 邸宅


両宮遥相望、双闕百余尺。
南北に向かい合う両宮殿ははるかにとおくのぞみ合っている、そびえ立つ宮門の高い楼閣の高さは百余尺もある。
・両宮 漢代には洛陽に南北の両宮があり、七里を隔てて相対した。
・双闕 宮門の左右にある高い楼閣。


極宴娯心意、戚戚何所迫。
この繁華街ではこころゆくまで酒宴歓楽に喜び、人生の憂い悲しみは、どうして身に迫り近寄ることがあろうか。 
・戚戚 憂い,悲しみ
・何所迫 どうして身に迫り近寄ることがあろうか