古詩十九首之七 (7) 漢詩<94>Ⅱ李白に影響を与えた詩526 漢文委員会 紀頌之の漢詩ブログ1395

星をかりて、立身出世し誠意を失った旧友を責めた詩。

     
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 2012/1/11唐宋 Ⅰ李商隠187 行次西郊作一百韻  白文/現代語訳 (全文) 
     


古詩十九首 第七首
明月皎夜光,促織鳴東壁。
中秋の月はこうこうと明るくかがやいていて、こおろぎが東の書斎の壁下で鳴いている。
玉衡指孟冬,眾星何歷歷。
北斗七星の柄杓の柄に当たる玉衡星は初冬の方角を指し、多くの星が行列をなしてきらめいている。
白露沾野草,時節忽復易。
白露の季節になった、露は野の草をうるおして、時節はたちまち秋は更けてゆく。
秋蟬鳴樹間,玄鳥逝安適。
秋せみはいまだ樹の間に鳴いているが、つばめはもうどこかへ去ってしまった。
昔我同門友,高舉振六翮。
昔わが同門の友も季節の変わりと同じで、今出世していたく羽振りのよい者のことである。
不念攜手好,棄我如遺跡。
その同門の彼らはかつて手を携えた付き合いをしたことを忘れて、わたしなど道に残した足跡のように棄てている。
南箕北有鬥,牽牛不負軛。
八月の夜空の南に箕の星があり、北には北斗星があり、「箕」といい「斗」といってもそれは名ばかりで実がともなわない。牽牛星にしても同じことで、車を引くくび木がかけられているわけではない。
良無盤石固,虛名復何益?

ほんとに盤石のような堅固な実意がなければ、朋友という虚名だけではなんの役にも立たない。

銀河002

現代語訳と訳註
(本文)
第七首
明月皎夜光,促織鳴東壁。
玉衡指孟冬,眾星何歷歷。
白露沾野草,時節忽復易。
秋蟬鳴樹間,玄鳥逝安適。
昔我同門友,高舉振六翮。
不念攜手好,棄我如遺跡。
南箕北有鬥,牽牛不負軛。
良無盤石固,虛名復何益?


(下し文)
明月皎として夜光り、促織【そくしょく】東壁に鳴く。
玉衡【ぎょくこう】孟冬を指し、衆星 何ぞ歴歴たる。
白露 野草を沾【うるお】し、時節 忽ち復た易【かわ】る
秋蝉【しゅうぜん】樹閒【じゅかん】に鳴き、玄烏 逝【さ】りて安くにか適【ゆ】く。
昔我が同門の友、高擧して六翮【りくかく】を振ふ。
手を携へし好【よしみ】を念はず、我を棄つること遺跡の如し。
南には箕【き】北には斗有り、牽牛【けんぎゅう】軛【やく】を負はず、
良に盤石【ばんじゃく】の固きこと無くんは、虚名【きょめい】復た何の益かあらん。


(現代語訳)
中秋の月はこうこうと明るくかがやいていて、こおろぎが東の書斎の壁下で鳴いている。
北斗七星の柄杓の柄に当たる玉衡星は初冬の方角を指し、多くの星が行列をなしてきらめいている。
白露の季節になった、露は野の草をうるおして、時節はたちまち秋は更けてゆく。
秋せみはいまだ樹の間に鳴いているが、つばめはもうどこかへ去ってしまった。
昔わが同門の友も季節の変わりと同じで、今出世していたく羽振りのよい者のことである。
その同門の彼らはかつて手を携えた付き合いをしたことを忘れて、わたしなど道に残した足跡のように棄てている。
八月の夜空の南に箕の星があり、北には北斗星があり、「箕」といい「斗」といってもそれは名ばかりで実がともなわない。牽牛星にしても同じことで、車を引くくび木がかけられているわけではない。
ほんとに盤石のような堅固な実意がなければ、朋友という虚名だけではなんの役にも立たない。


(訳注)
第七首
・第七首 星をかりて、立身出世し誠意を失った旧友を責めた詩。


明月皎夜光,促織鳴東壁。
中秋の月はこうこうと明るくかがやいていて、こおろぎが東の書斎の壁下で鳴いている。
・促織 こおろぎ、また、はたおり。
東壁 東の書斎の壁。西の窓は閨の窓。


玉衡指孟冬,眾星何歷歷。
北斗七星の柄杓の柄に当たる玉衡星は初冬の方角を指し、多くの星が行列をなしてきらめいている。
玉衡 北斗七星の第五星、斗柄に当たる。「玉衡孟冬を指す」とは斗柄の指す方位が、初冬の月に当たっているの意。
 「北斗七星の中央の星」玉衡星と牽牛星。衡は北斗七星の第五星。『爾雅』に星紀は斗宿と牽牛星とある。
謝霊運 『擣衣』 -#1
衡紀無淹度、晷運倐如催。白露園滋菊、秋風落庭槐。
肅肅莎雞羽、烈烈寒螿啼。夕陰結空幕、霄月皓中閨。
歴歴 分明のさま、また行列のさま。


白露沾野草,時節忽復易。
白露の季節になった、露は野の草をうるおして、時節はたちまち秋は更けてゆく。
白露 二十四節気 : 処暑→白露→秋分 二十四節気の一つ。旧暦八月(葉月)の節気。 大気が冷えて来て、露が出来始める頃。


秋蟬鳴樹間,玄鳥逝安適
秋せみはいまだ樹の間に鳴いているが、つばめはもうどこかへ去ってしまった。
秋蟬 ツクツクボーシ。
玄鳥 燕。


昔我同門友,高舉振六翮。
昔わが同門の友も季節の変わりと同じで、今出世していたく羽振りのよい者のことである。
六翮 副は羽の茎。巽の利き羽は六枚、それにはいずれも太い茎が通っている。故に六新は羽翼の意。


不念攜手好,棄我如遺跡。
その同門の彼らはかつて手を携えた付き合いをしたことを忘れて、わたしなど道に残した足跡のように棄てている。
遺跡 あとに残した足あと。顧みる価値のないこと。


南箕北有鬥,牽牛不負軛。
八月の夜空の南に箕の星があり、北には北斗星があり、「箕」といい「斗」といってもそれは名ばかりで実がともなわない。牽牛星にしても同じことで、車を引くくび木がかけられているわけではない。
 牛の頭にかけて、車を引かせるための頸木。
 

良無盤石固,虛名復何益?
ほんとに盤石のような堅固な実意がなければ、朋友という虚名だけではなんの役にも立たない。
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