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王昭君歎二首 其一
早信丹青巧、重貨洛陽師。
あの絵師が、あんなに似顔絵をうまく書くと早くから信じていたなら、私はたくさんの貨幣を都洛陽の絵師に使っていたことだろう。
千金買蟬鬢、百萬寫蛾眉。
千金で蟬鬢の美しさを買って、壱百萬金をかけて蛾眉の美しい姿を写させていたものを。
早く丹青の巧なるを信ぜば、重く洛陽の師に貨す。
千金 蟬鬢を買い、百萬 蛾眉を寫さしめしに。
王昭君歎二首 其二
今朝猶漢地、明旦入胡關。
今朝、わたしはまだここ漢の国土にいる、明日の午前中には異民族の玉関門にいるだろう。
高堂歌吹遠、遊子夢中還。
漢の土地にある高楼の奥座敷では、歌や笙笛が遠く聞こえてくる、旅に出た身の上ではもう夢の中でしか買えることが出来ないだろう。
今朝は猶お 漢地、明旦【めいたん】は胡關に入らん。
高堂【こうどう】 歌吹【かすい】 遠し、遊子 夢中に還らん。
沈満願 映水曲
輕鬢學浮雲、雙蛾擬初月。
軽やかな鬢は浮んでいる雲の形をまねたものである。二つ並んだ美しい眉は8月の初月と見まごうものである。
水澄正落釵、萍開理垂髪。
水の澄んでいるところでは落ちかかっている釵子を正しくなおし、浮草がひらけたところではまた垂れかかる髪を手入する。
輕鬢【けいびん】浮雲【ふうん】を學び、雙蛾【そうが】初月【はつづき】に擬す。
水澄みて落釵【らくさ】を正し、萍【へい】開きて垂髪【すいはつ】を理【おさ】む。
現代語訳と訳註
(本文) 映水曲
輕鬢學浮雲、雙蛾擬初月。
水澄正落釵、萍開理垂髪。
(下し文) 映水曲
輕鬢【けいびん】浮雲【ふうん】を學び、雙蛾【そうが】初月【はつづき】に擬す。
水澄みて落釵【らくさ】を正し、萍【へい】開きて垂髪【すいはつ】を理【おさ】む。
(現代語訳)
軽やかな鬢は浮んでいる雲の形をまねたものである。二つ並んだ美しい眉は8月の初月と見まごうものである。
水の澄んでいるところでは落ちかかっている釵子を正しくなおし、浮草がひらけたところではまた垂れかかる髪を手入する。
(訳注)
映水曲
すみきった水面に白く輝く月の影を映してさらに清らかにしてくれる。美人は水に映る自分の姿を、風に吹かれ、船が揺れて乱れた髪を直す。芸妓の舟遊びを詠ったものか、奥座敷で二人で過ごしたその夜遅く鏡を見て詠ったものか後世に影響を与えた詩である。
輕鬢學浮雲、雙蛾擬初月。
軽やかな鬢は浮んでいる雲の形をまねたものである。二つ並んだ美しい眉は8月の初月と見まごうものである。
・雙蛾 蛾の触角のように細く弧を描いた美しいまゆ。転じて、美人。
・初月(はつづき、しょげつ). 三日月。陰暦3日(ごろ)の、月で最初に見え始める月。特に、陰暦8月の初月。
水澄正落釵、萍開理垂髪。
水の澄んでいるところでは落ちかかっている釵子を正しくなおし、浮草がひらけたところではまた垂れかかる髪を手入する。