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『為焦仲卿妻作』-其三(8) 漢詩<151>古詩源 巻三 女性詩591 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1590


為焦仲卿妻作-其三(3)-#6
府吏默無聲,再拜還入戶。
府吏はだまり、無言を続けたままで、お辞儀をして自分の部屋にはいっていく。
舉言謂新婦,哽咽不能語。
事の仔細を妻に伝えようとするが、むせび入って語ることができない。
我自不驅卿,逼迫有阿母。
やっと謂ったのは、「わたし自身がそなたをおい出すのではない。母にせまられたことでどうにもならないことのだ。」
卿但暫還家,吾今且赴府。
府吏卿は続けて謂う「そなたはしばらく家に帰っていなさい。わたしは今から役所に行かねはならぬ用件がある。」
不久當歸還,還必相迎取。
「そう長くはならずに帰宅できるはずだ。帰ればかならずそなたをよびかえす。」
#7
以此下心意,慎勿違吾語。
「心をおちつけて私の言うことを理解しくれ、よく気をつけてわたしのことばどおりにして違うことをしてはいけないよ」
新婦謂府吏,勿複重紛紜。
妻は府吏にいうのだ。「また呼び戻すなどと、そんなごたごたな面倒を重ねてはいけません。」
往昔初陽歲,謝家來貴門。
「昔のことになりますが、初春の候でございました、わが家を辞してあなた様のお宅にまいりました。」
奉事循公姥,進止敢自專?
「お舅姑さまの心にそうようにとおっかえして参りました。けっしてわがままな振舞などはいたしてはおりません。」
晝夜勤作息,伶俜縈苦辛。
「昼も夜も仕事にいそしみましたし、苦労辛苦にあけくれて、やつれはててしまいました。」
#8
謂言無罪過,供養卒大恩。
わたしには別に言われるような間違いや罪などありはしません、先祖を大切にしてお舅姑さまにお仕えして大恩をまっとうしたいと思っていました。
仍更被驅遣,何言複來還?
それなのに追い出されることになったのですから、どうしてまた戻ろうなどと申すことができましょうか。
妾有繡腰襦,葳蕤自生光。
わたしに刺繍の腰に巻く襦袢があります。それは女としてのはなやかな光沢のあるものです。
紅羅複鬥帳,四角垂香囊。
また、紅のうすぎぬで作った二重の枡形のとばり、四隅に香の袋がさがっているものなどがあります。
箱簾六七十,綠碧青絲繩。

それに箱の中に首飾りの六、七十の飾りの玉があり、それぞれ緑や碧や青色の飾りの紐がつけてあります。
#8
謂【おも】う言【われ】罪過【ざいか】無く,供養して大恩を卒【お】えんと。
仍【な】お更に驅遣【くけん】被【せ】らる,何んぞ複た來り還えるを言んや?
妾に繡【しゅう】腰襦【ようじゅ】有り,葳蕤【いすい】として自ら光を生ず。
紅羅の複鬥【ふくとう】の帳,四角 香囊【こうのう】を垂る。
箱簾【そうれん】六七十,綠碧【りょくへき】青絲【せいし】の繩【じょう】あり。
#9
物物各具異,種種在其中。人賤物亦鄙,不足迎後人。留待作遣施,於今無會因。時時為安慰,久久莫相忘。
#9
物物 各【おのお】の具【とも】に異なり,種種 其の中に在り。
人 賤【いやし】ければ物亦鄙【いやし】く,後人を迎えるに足らじ。
留待して遣施と作す,今に於て會因【かいいん】無し。
時時 安慰を為し,久久 相い忘るる莫れ。


『為焦仲卿妻作』-其三 現代語訳と訳註
(本文) #8
謂言無罪過,供養卒大恩。仍更被驅遣,何言複來還?妾有繡腰襦,葳蕤自生光。紅羅複鬥帳,四角垂香囊。箱簾六七十,綠碧青絲繩。


(下し文) #8
謂【おも】う言【われ】罪過【ざいか】無く,供養して大恩を卒【お】えんと。
仍【な】お更に驅遣【くけん】被【せ】らる,何んぞ複た來り還えるを言んや?
妾に繡【しゅう】腰襦【ようじゅ】有り,葳蕤【いすい】として自ら光を生ず。
紅羅の複鬥【ふくとう】の帳,四角 香囊【こうのう】を垂る。
箱簾【そうれん】六七十,綠碧【りょくへき】青絲【せいし】の繩【じょう】あり。


(現代語訳) #8
わたしには別に言われるような間違いや罪などありはしません、先祖を大切にしてお舅姑さまにお仕えして大恩をまっとうしたいと思っていました。
それなのに追い出されることになったのですから、どうしてまた戻ろうなどと申すことができましょうか。
わたしに刺繍の腰に巻く襦袢があります。それは女としてのはなやかな光沢のあるものです。
また、紅のうすぎぬで作った二重の枡形のとばり、四隅に香の袋がさがっているものなどがあります。
それに箱の中に首飾りの六、七十の飾りの玉があり、それぞれ緑や碧や青色の飾りの紐がつけてあります。


(訳注)#8
謂言無罪過,供養卒大恩。
わたしには別に言われるような間違いや罪などありはしません、先祖を大切にしてお舅姑さまにお仕えして大恩をまっとうしたいと思っていました。
謂言 言は、われ、または、ここになどと訓し、語調をととのえる語。


仍更被驅遣,何言複來還?
それなのに追い出されることになったのですから、どうしてまた戻ろうなどと申すことができましょうか。


妾有繡腰襦,葳蕤自生光。
わたしに刺繍の腰に巻く襦袢があります。それは女としてのはなやかな光沢のあるものです。
・繡腰襦 刺繍の腰に巻く襦袢。貞操感を示すもの。
・葳蕤 はなやかなさま。もと草の名で、その花や葉の盛んにして垂れさがれるをいうと。


紅羅複鬥帳,四角垂香囊。
また、紅のうすぎぬで作った二重の枡形のとばり、四隅に香の袋がさがっているものなどがあります。
・この二句は夫婦生活を意味するもの。
複斗帳 うらおもて二重にはった四角のとばり、寝台をおおうもの。


箱簾六七十,綠碧青絲繩。
それに箱の中に首飾りの六、七十の飾りの玉があり、それぞれ緑や碧や青色の飾りの紐がつけてあります。
箱簾 小物入れの箱の中に簾にする飾の玉が入っている。