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為焦仲卿妻作-其十(27) 漢詩<170>古詩源 巻三 女性詩610 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1657


#23為焦仲卿妻作-其十(10)-1
阿母謂阿女,適得府君書,明日來迎汝。何不作衣裳,
母親が娘蘭芝にいう。「今まさに、太守のお手紙がとどいたところですよ。
明日はおまえを迎えにくるといわれております。なぜ持参衣裳を作らないというのではないでしょうね。

莫令事不舉。阿女默無聲,手巾掩口啼,淚落便如瀉。
この婚儀が運ばぬようなことにしてはいけませんよ」と。可愛い娘は無言のままじっとしている。
手にしたハンカチで口もとをおさえて泣いている。涙が落ちるるのは雨がふりしきるようである。

移我琉璃榻,出置前廳下。左手持刀尺,右手執綾羅。
やがて琉璃の椅子を引き出し移動させて、前窓の下の方におきひろくした。
左手で裁ち物の刀とものさしを持ち、右手に綾の羅をとってはじめたのである。
#24其十(10)-2
朝成繡夾裙,晚成單羅衫。暗暗日欲暝,愁思出門啼。
朝の間に刺繍の襦袢はかまを作り、晩方には単衣の薄絹の上着を作り上げたのだ。
だんだんと日は落ち暮れてゆく。娘の蘭芝は愁いと思いがこみ上げ、門を出てしくしくと泣くのである。

府吏聞此變,因求假暫歸。未至二三裏,摧藏馬悲哀。
府吏は女が嫁入りするというこの変事を聞きつけ、急いで役所から仮休暇をもらって、帰宅することとなった。
まだ家についていない二、三里手前のあたりで、馬が疲れてあわれな声を出して鳴いたのである。

新婦識馬聲,躡履相逢迎。悵然遙相望,知是故人來。

門を出て泣いていた娘の蘭芝が馬の声を聞き知って、履をふみしめ馬の声の方に迎えに出た。
もしやと思い遙か先を眺めると、やっぱり、彼の夫が来ていることがわかったのである。
#25其十(10)-3
舉手拍馬鞍,嗟歎使心傷。自君別我後,人事不可量。
馬に手をあげて鞍を打たいて落ち着かせて、ああ、と悲しさをしめし、そして本当に心が痛んでいるのだ。
「あなたとお別れしてからそのあとのわたしは、人とのからみということでは見通しがつかないのです。

果不如先願,又非君所詳。我有親父母,逼迫兼弟兄。
お約束を果たそうとしたのですがそのようにはなりませんでした。しかし私が努力したことはとてもあなたにはわからないでしょう。
(ご承知の通り)わたしには肉親の父母があり、そのうえ兄弟までが無理にせまったのです。

以我應他人,君還何所望 。府吏謂新婦,賀君得高遷。

そうして、わたしを一人ばかりか他の人からも申しこみがあり、それに応じるようになったのです。今あなたがお帰りになって前のお約束を所望されてもどうにもならないのです。」
府吏が蘭芝にいう。「君のこの玉の輿はとてもめでたいと思います。」
#26其十(10)-4
磐石方且厚,可以卒千年。蒲葦一時韌,便作旦夕間。
そして、「磐石の私は四角で筋を貫きそのうえ分厚く決意も堅いのです。だから千年でも筋を曲げずに保てるものです。」
つづいていう「蒲や葦などは一時をつなぐ縄のようなもので、したがって午前中から晩までぐらいしかもたないのだ。」

卿當日勝貴,吾獨向黃泉。新婦謂府吏,何意出此言。
「あなた(元妻の蘭芝)は日が経つのつれ、おえらくなるに違いない。わたしはただひとりで黄泉の国に行くことにしましょう」と。
蘭芝は府吏にいう。「必死で努力したこの私にどんなおつもりでそんなことをおっしゃるのです。」
#27其十(10)-5
同是被逼迫,君爾妾亦然。

思うことは、この世に望みを捨ててしまうということだから、千や万ほど考えても生命を全うすることはできはしないのだ
わたしたち今度のことはあなたの母親に二人に無理なことを迫って引き離したからうなったのです。あなたの家はそうでしょうし、わたしの家も太守からの事でそうなったのです。
黃泉下相見,勿違今日言。
こうなれば黄泉の国に降ってお目にかかるということだけで、くれぐれも今日のおことばにはそむいてはいけません。」と。
執手分道去,各各還家門。
二人は手をとりあい、やがて別々の道へと分かれ、そしてそれぞれの家門に帰っていった。
生人作死別,恨恨那可論。
生きていて死に別れの約束をするのだから、互いの恨めしい気持ちを言葉にしようもないのである。
念與世間辭,千萬不復全。

#23為焦仲卿妻作-其十(10)-1
阿母阿女に謂う,「適【まさ】に府君の書を得たり,明日來りて汝を迎えんと。
何んぞ衣裳を作らざる,事をして舉らざしむ莫れ。」と。
阿女默りて聲無し,手巾もて口を掩いて啼き,淚落ちて便ち瀉【そそ】ぐが如し。
我が琉璃の榻【とう】を移し,出して前廳【ぜんそう】の下に置く。
左手に刀尺を持ち,右手に綾羅【りょうら】を執【と】る。

#24其十(10)-2
朝に繡夾【しゅうきょう】裙【くん】を成し,晚には單羅【たんら】の衫【さん】を成す。
暗暗として日暝れなんと欲し,愁思して出でて門に啼く。
府吏 此の變を聞き,因りて假を求め暫く歸える。
未だ至ららざること二三里,摧藏【さいぞう】して馬悲哀す。
新婦 馬聲を識り,履【くつ】を躡【ふ】んで相い逢迎【ほうげい】す。
悵然として遙に相い望む,知る是れ故人の來るを。

#25其十(10)-3
手を舉げて馬鞍【ばあん】を拍【う】ち,嗟歎【さたん】して心を傷ま使む。
君の我にれ別し自【よ】り後,人事は量るべからず。
果して先に願うが如くにならず,又 君が詳【つまびらか】にする所に非らず。
我に親父母有り,逼迫【ひょくはく】するに兼ねて弟兄あり。
以って我 他人に應ぜしむ,君の還るも何の望む所ぞ 。
府吏 新婦に謂う,「君が高遷を得るを賀す。」と
#26其十(10)-4
磐石は方にして且つ厚なり,以って千年を卒【お】う可し。
蒲葦【ほい】は一時の韌【じん】なり,便ち旦夕【たんせき】の間を作す。
卿は當に日の勝【まさ】りて貴なり,吾は獨り黃泉に向わん。」と
新婦 府吏に謂う,「何の意か此の言を出す。」と。

#27其十(10)-5
同じく是れ逼迫せ被る,君 爾【しか】り妾 亦た然【しか】り。
黃泉の下 相い見【まみえ】ん,今日の言に違うこと勿れ。
手を執って道を分って去り,各各 家門に還る。
生人 死別を作す,恨恨 那んぞ論ず可けん。
念【おも】う世間と辭す,千萬 復た全うするをえざるを。


『為焦仲卿妻作』 現代語訳と訳註
(本文)
#27其十(10)-5
同是被逼迫,君爾妾亦然。
黃泉下相見,勿違今日言。
執手分道去,各各還家門。
生人作死別,恨恨那可論。
念與世間辭,千萬不復全。


(下し文)
同じく是れ逼迫せ被る,君 爾【しか】り妾 亦た然【しか】り。
黃泉の下 相い見【まみえ】ん,今日の言に違うこと勿れ。
手を執って道を分って去り,各各 家門に還る。
生人 死別を作す,恨恨 那んぞ論ず可けん。
念【おも】う世間と辭す,千萬 復た全うするをえざるを。


(現代語訳)
わたしたち今度のことはあなたの母親に二人に無理なことを迫って引き離したからうなったのです。あなたの家はそうでしょうし、わたしの家も太守からの事でそうなったのです。
こうなれば黄泉の国に降ってお目にかかるということだけで、くれぐれも今日のおことばにはそむいてはいけません。」と。
二人は手をとりあい、やがて別々の道へと分かれ、そしてそれぞれの家門に帰っていった。
生きていて死に別れの約束をするのだから、互いの恨めしい気持ちを言葉にしようもないのである。
思うことは、この世に望みを捨ててしまうということだから、千や万ほど考えても生命を全うすることはできはしないのだ。


(訳注) #27其十(10)-5
同是被逼迫,君爾妾亦然。

わたしたち今度のことはあなたの母親に二人に無理なことを迫って引き離したからうなったのです。あなたの家はそうでしょうし、わたしの家も太守からの事でそうなったのです。


黃泉下相見,勿違今日言。
こうなれば黄泉の国に降ってお目にかかるということだけで、くれぐれも今日のおことばにはそむいてはいけません。」と


執手分道去,各各還家門。
二人は手をとりあい、やがて別々の道へと分かれ、そしてそれぞれの家門に帰っていった。


生人作死別,恨恨那可論。
生きていて死に別れの約束をするのだから、互いの恨めしい気持ちを言葉にしようもないのである。


念與世間辭,千萬不復全。
思うことは、この世に望みを捨ててしまうということだから、千や万ほど考えても生命を全うすることはできはしないのだ。