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Ⅰ.李白と李白に影響を与えた詩集

為焦仲卿妻作-其十一(29) 漢詩<172>古詩源 巻三 女性詩612

Ⅱ.
中唐詩・晩唐詩

石鼓歌 韓愈 韓退之(韓愈)詩<97-#4>Ⅱ中唐詩525

Ⅲ.
杜甫詩1000詩集

”成都紀行(7)” 龍門閣 杜甫詩1000 <347>#2 


Ⅳ.
漢詩・唐詩・宋詞詩詩集

記夢  韓退之(韓愈)詩 (12/13)


Ⅴ.
晩唐五代詞詩・宋詞詩

『菩薩蠻十三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-13-13-#13 花間集



為焦仲卿妻作-其十一(29) 漢詩<172>古詩源 巻三 女性詩612 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1665



#28為焦仲卿妻作-其十一(11)
府吏還家去,上堂拜阿母。
府吏は家へ向き直し帰っていく、奥座敷にあがり母に挨拶した。
今日大風寒,寒風摧樹木,嚴霜結庭蘭。
「今日はたいへん風が寒い日で、その寒風は樹木をくだくほどで、そのうえ厳しい霜が庭の蘭をいためています。
兒今日冥冥,令母在後單。故作不良計,勿複怨鬼神。
そんな日の今日、わたしは暗いくらい黄泉の国に参ります。母上をひとり後に残すことになります。
わざわざとこんなよくない計画をしたのですが、ふたたび神さまを怨んではくださらないでください。

命如南山石,四體康且直。阿母得聞之,零淚應聲落。

母上のお命は南山の石のように堅固で、おからだは健やかで、お腰も曲がらぬようにいのります。」
母はこのことを聞き得て、声と涙がいっしょに落ちるままで語るのである。

#29
汝是大家子,仕宦於台閣。
「おまえは由緒ある名門の子です。ご先祖には台閣の大臣をお勤めしたものもあるのです。
慎勿為婦死,貴賤情何薄。
それがたかが戻した婦のために死ぬなどと軽はずみなことを口にする。身分の貴賎で判断し嫁に行くというのは、なんという軽薄な女ですか。
東家有賢女,窈窕豔城郭。
昔からいうように東の方の家に賢い娘がいます。そのしとやかさ、上品であでやかさは城郭の内でも評判だというのです。
阿母為汝求,便複在旦夕。
母はそれをおまえのためにもらってあげる。たとえ午前中や晩と間をあけず、今すぐにでも。」と。
府吏再拜還,長歎空房中,作計乃爾立。
府吏はこれはまた「東家」などとむるなこと言うと諦め再拝して、誰もいない自分の部屋に帰って長い時間なげき悲しんだが、暫くすると覚悟はできているので立ちあがったのである。
轉頭向戶裏,漸見愁煎迫 。
頭を戸口の方に向けてじっと見る。いらいらするほどの愁いにみちた心がしだいにせまり、もはやぐらぐらと煮えたぎり始めたのである。

#28為焦仲卿妻作-其十一(11)
府吏家に還って去り,堂に上りて阿母に拜す。
「今日大いに風寒く,寒風 樹木を摧き,嚴霜 庭蘭を結ぶ。
兒は今日冥冥たり,母を令【し】て後單に在らしむ。
故【ことさら】に不良の計を作す,複【ふたた】び鬼神【きしん】を怨むこと勿れ。
命は南山の石の如く,四體は康くして且つ直なれ。」と。
阿母 之を聞くこと得て,零淚 聲に應じて落つ。
#29
「汝は是れ大家の子にて,台閣に仕宦するなり。
慎しんで婦の為に死すること勿れ,貴賤の情 何んぞ薄からんや。
東家には賢女が有るもの,窈窕として城郭の豔なり。阿母 汝が為に求めん,便ち複【ふたた】び旦夕【たんせき】に在り。
府吏 再拜【して】還り,長歎して空房の中【うち】,計を作して乃ち爾として立つ。
頭を轉じて戶裏に向い,漸【ようや】く愁の煎迫【せんぱく】を見る 。



現代語訳と訳註
(本文)
#29
汝是大家子,仕宦於台閣。慎勿為婦死,貴賤情何薄。東家有賢女,窈窕豔城郭。阿母為汝求,便複在旦夕。府吏再拜還,長歎空房中,作計乃爾立。
轉頭向戶裏,漸見愁煎迫 。


(下し文) #29
「汝は是れ大家の子にて,台閣に仕宦するなり。
慎しんで婦の為に死すること勿れ,貴賤の情 何んぞ薄からんや。
東家には賢女が有るもの,窈窕として城郭の豔なり。阿母 汝が為に求めん,便ち複【ふたた】び旦夕【たんせき】に在り。
府吏 再拜【して】還り,長歎して空房の中【うち】,計を作して乃ち爾として立つ。
頭を轉じて戶裏に向い,漸【ようや】く愁の煎迫【せんぱく】を見る 。


(現代語訳)
「おまえは由緒ある名門の子です。ご先祖には台閣の大臣をお勤めしたものもあるのです。
それがたかが戻した婦のために死ぬなどと軽はずみなことを口にする。身分の貴賎で判断し嫁に行くというのは、なんという軽薄な女ですか。
昔からいうように東の方の家に賢い娘がいます。そのしとやかさ、上品であでやかさは城郭の内でも評判だというのです。
母はそれをおまえのためにもらってあげる。たとえ午前中や晩と間をあけず、今すぐにでも。」と。
府吏はこれはまた「東家」などとむるなこと言うと諦め再拝して、誰もいない自分の部屋に帰って長い時間なげき悲しんだが、暫くすると覚悟はできているので立ちあがったのである。
頭を戸口の方に向けてじっと見る。いらいらするほどの愁いにみちた心がしだいにせまり、もはやぐらぐらと煮えたぎり始めたのである。


(訳注) #29
汝是大家子,仕宦於台閣。

「おまえは由緒ある名門の子です。ご先祖には台閣の大臣をお勤めしたものもあるのです。
・台閣 (1)高くて立派な建物。 (2)政治を行う官庁。中央政府。内閣。


慎勿為婦死,貴賤情何薄。
それがたかが戻した婦のために死ぬなどと軽はずみなことを口にする。身分の貴賎で判断し嫁に行くというのは、なんという軽薄な女ですか。


東家有賢女,窈窕豔城郭。
昔からいうように東の方の家に賢い娘がいます。そのしとやかさ、上品であでやかさは城郭の内でも評判だというのです。
・東家有賢女 美人といっても賢くて美人の東家の女です。西は、色気がある傾国の美女を云う。
為焦仲卿妻作#4(-其二)で「東家有賢女,自名秦羅敷。」「でも、東隣には賢い女がいる。本人が自分でも秦の羅敷だというほどの器量よしなのだ。」と母親が息子の府吏にいっている。
・東家有賢女  ・東家 楚の宋玉の『登徒子好色の賦』「臣が里の美しき者は、臣が東家の子に若くはなし。」とある。ここから美人のたとえを”東家之子”又は”東家之女”と。美女を称して”東隣”とした事例に唐の李白「自古有秀色、西施与東隣」(古来より秀でた容姿端麗美人、西施と東隣)白居易「感情」のもある 
李白『白紵辭其一』「揚清歌、發皓齒。 北方佳人東鄰子、且吟白紵停綠水。」

李白81白紵辭其一  82白紵辭其二  83 巴女詞
無題(何處哀筝随急管) 李商隠21

・秦羅敷 秦氏羅敷。「陌上桑」その美貌をほこって自ら泰氏の羅敷と称したのである。秋胡詩 (1) 顔延之(延秋胡詩 (1) 顔延之(延年) 詩<2>Ⅱ李白に影響を与えた詩471 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1230

阿母為汝求,便複在旦夕。
母はそれをおまえのためにもらってあげる。たとえ午前中や晩と間をあけず、今すぐにでも。」と。


府吏再拜還,長歎空房中,作計乃爾立。
府吏はこれはまた「東家」などとむるなこと言うと諦め再拝して、誰もいない自分の部屋に帰って長い時間なげき悲しんだが、暫くすると覚悟はできているので立ちあがったのである。


轉頭向戶裏,漸見愁煎迫 。
頭を戸口の方に向けてじっと見る。いらいらするほどの愁いにみちた心がしだいにせまり、もはやぐらぐらと煮えたぎり始めたのである。