贈丁儀 曹植 魏詩

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李商隠詩
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贈丁儀 曹植 魏詩<36>#1文選 贈答二 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1901

丁儀が曹丕に殺害されることになった原因の詩。



贈丁儀
初秋涼氣發,庭樹微消落。
初秋の候となって、清涼感のある気候になってきたようだ。庭の樹々の葉もようやく色づき枯れおち始めている。
凝霜依玉除,清風飄飛閣。
もう固く氷りついた霜が宮殿の階段をおおている。清々しい秋風が、宮中を吹き抜けて高閣に舞っている。
朝雲不歸山,霖雨成川澤。
朝がた山の端を離れた雲がそのまま浮んでいて山のほうには帰る気配を見せない、今度は秋のなが雨になり、河川や沢地をつくるのだ。
黍稷委疇隴,農夫安所獲。
この雨は、収獲の前の黍や稷を田のうねにたおれふしたままにするものなのだ、これでは農夫は収穫など皆無であり、どうするのだろうか。
#2
在貴多忘賤,為恩誰能博。
狐白足御冬,焉念無衣客。
思慕延陵子,寶劍非所惜。
子其寧爾心,親交義不薄。

丁儀に贈る
初秋涼気発し、庭樹微【ようや】く銷落【しょうらく】す。
凝霜【ぎょうそう】玉除に依り、清風飛閣に飄る。
朝雲 山に帰らず、霖雨【りんむ】川沢【せんたく】を成せり。
黍稷【しょしょく】疇隴【ちゅうろう】に委【す】てられ、農夫 安んぞ獲る所あらん。

#2
貴に在りては多く賤を忘れ、恩を為すこと誰か能く博【ひろ】からん。
狐白は冬を禦【ふせ】ぐに足るも、焉んぞ無衣の客を念わん。
延陵子【えんりょうし】を思慕【しぼ】すれば、宝剣は惜む所に非ず。
子 其れ爾が心を寧【やす】んぜよ、親交 義【ぎ】薄からず。



nat0019

『贈丁儀』 現代語訳と訳註
(本文)
贈丁儀
初秋涼氣發,庭樹微消落。
凝霜依玉除,清風飄飛閣。
朝雲不歸山,霖雨成川澤。
黍稷委疇隴,農夫安所獲。


(下し文) 丁儀に贈る
初秋涼気発し、庭樹微【ようや】く銷落【しょうらく】す。
凝霜【ぎょうそう】玉除に依り、清風飛閣に飄る。
朝雲 山に帰らず、霖雨【りんむ】川沢【せんたく】を成せり。
黍稷【しょしょく】疇隴【ちゅうろう】に委【す】てられ、農夫 安んぞ獲る所あらん。


(現代語訳)
初秋となって、清涼感のある気候になってきたようだ。庭の樹々の葉もようやく色づき枯れおち始めている。
もう固く氷りついた霜が宮殿の階段をおおている。清々しい秋風が、宮中を吹き抜けて高閣に舞っている。
朝がた山の端を離れた雲がそのまま浮んでいて山のほうには帰る気配を見せない、今度は秋のなが雨になり、河川や沢地をつくるのだ。
この雨は、収獲の前の黍や稷を田のうねにたおれふしたままにするものなのだ、これでは農夫は収穫など皆無であり、どうするのだろうか。


(訳注)
贈丁儀

○丁儀 (未詳―220年)字は正札、沛郡(安徴、宿県の西北)の人。曹植の最も親しい側近の一人で、曹植を帝位につけようと種々画策したため、兄の曹丕に忌まれ、曹丕が帝位につくや殺された。この詩は不遇をかこつ丁儀を慰め、信義に厚い自己の心情を打明けたものとされている。


初秋涼氣發,庭樹微消落。
初秋となって、清涼感のある気候になってきたようだ。庭の樹々の葉もようやく色づき枯れおち始めている。
○銷楽 枯れ落ちる。


凝霜依玉除,清風飄飛閣。
もう固く氷りついた霜が宮殿の階段をおおている。清々しい秋風が、宮中を吹き抜けて高閣に舞っている。
○玉除 宮殿の階。皇帝の宮殿前の中庭から宮殿のに入る朱色に輝く飾られた階段。
○飛閣 宮中、麒麟の絵が描かれている高閣をいう。


朝雲不歸山,霖雨成川澤。
朝がた山の端を離れた雲がそのまま浮んでいて山のほうには帰る気配を見せない、今度は秋のなが雨になり、河川や沢地をつくるのだ。
○朝雲不帰山 「広雅」に「八月浮雲帰と見え、『詩経』豳風(ひんぷう)「七月」(ふみづき)
七月流火、九月授衣。
一之日觱發、二之日栗烈。
無衣無褐、何以卒歲。
三之日于耜、四之日舉趾、同我婦子。
饁彼南畝、田畯至喜。
(七月には流る火あり、九月衣を授く。
一の日は觱發たり、二の日は栗烈たり。
衣無く褐無くんば、何を以てか歲を卒へん。
三の日 于(ここ)に耜(し)し、四の日 趾(あし)を舉ぐ、我が婦子とともに。
彼の南畝に饁(かれひ)す、田畯至り喜ぶ。)
に基づく句である。
<大意>七月には火星が西に流れる、九月には家族に衣を与えねばならぬ、十一月には風が寒くなり、十二月には激しく吹く、衣がなければ、どうして年を越せようか、明けて三月には鋤の手入れをし、四月には足を上げて耕さねばならぬ、我が妻子とともに、南の畑で働いていると、田んぼの役人さんがやってきて、喜びなさるだろう(流火:火は火星のこと、それが西へ流れるのを流火という、一之日:十一月をさす、田畯:田んぼを管轄する役人)
○霖雨 三日以上降る雨。


黍稷委疇隴,農夫安所獲。
この雨は、収獲の前の黍や稷を田のうねにたおれふしたままにするものなのだ、これでは農夫は収穫など皆無であり、どうするのだろうか。
○委 すてる。倒れたままほったらかしになっていること。
○疇隴 田のウネ。疇と隴、両方とも田畑のうね。
曹植000