泰山梁父行 曹植 魏詩・楽府<49>

2013年2月27日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原性 韓愈(韓退之) <116-3>Ⅱ中唐詩601 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1989
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集秋登蘭山寄張五 孟浩然 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 1991 (02/27)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首 
 
 


泰山梁父行 曹植 魏詩・楽府<49>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1988


泰山梁甫行
八方各異氣,千里殊風雨。
天下の八方それぞれ気候は異なるものである。千里の遠方は風雨のようすさえも別なものになる。
劇哉邊海民,寄身於草野。
辺地、僻地、海辺の地域に住む民の生活はひどいものである。その身は草ぶきのあばら屋に寄せている。
妻子像禽獸,行止依林阻。
妻子はまるで禽獣のようである。仕事をするのは山林のけわしい所ばかりなのである。
柴門何蕭條,狐兔翔我宇。

その家の門は柴折戸のなんとものさびしいことであろうか。狐や兎までもが家の中をかけまわっているのである。

泰山梁父行
八方各の気を異にし、千里風雨を殊にす。
劇しい哉遠海の民、身を草堂に寄す。
妻子は禽獣に象、行止は林阻に依る。
柴門何ぞ蕭條たる、狐兎我が宇に翔る。


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『泰山梁父行』 現代語訳と訳註
(本文)
梁甫行
八方各異氣,千里殊風雨。
劇哉邊海民,寄身於草野。
妻子像禽獸,行止依林阻。
柴門何蕭條,狐兔翔我宇。


(下し文)
泰山梁父行
八方各の気を異にし、千里風雨を殊にす。
劇しい哉遠海の民、身を草堂に寄す。
妻子は禽獣に象、行止は林阻に依る。
柴門何ぞ蕭條たる、狐兎我が宇に翔る。


(現代語訳)
天下の八方それぞれ気候は異なるものである。千里の遠方は風雨のようすさえも別なものになる。
辺地、僻地、海辺の地域に住む民の生活はひどいものである。その身は草ぶきのあばら屋に寄せている。
妻子はまるで禽獣のようである。仕事をするのは山林のけわしい所ばかりなのである。
その家の門は柴折戸のなんとものさびしいことであろうか。狐や兎までもが家の中をかけまわっているのである。


(訳注)
泰山梁父行

貧しい人の歌。「楽府詩集」では相和歌辞楚調曲に入れる。古辞もあったらしいが、今は残っていない。梁甫は泰山の下にある山で、ともに人の死後、霊魂が帰ってゆくところといわれる。普通は「泰山吟」「梁父吟」の二曲に分けられて居り、両者とも、『薤露』『蒿里』などと同じく挽歌の類である。しかし曹植のこの篇は挽歌ではなく、賤山賤の苦しい荒涼たる生活を歌うもの。
この篇の制作動機については、諸説があり、斉の国の風土を詠むが故に、東阿・甄城王に封ぜられた時のものとか、漢末黄巾の乱による人民流離のさまを憫れみ作ったとか、曹植が「遷都の賦の序」でいう「連りに瘠せたる土に遇い、衣食継がず。」と同趣旨であるなどという。
晩年の大和年間の作品ではなかろうか。曹丕にも明帝にも権力闘争に敗れて以降の作品は、詩人らしく、哲学的な作品が増えている。


八方各異氣,千里殊風雨。
天下の八方それぞれ気候は異なるものである。千里の遠方は風雨のようすさえも別なものになる。
・八方 東・西・南・北の四万と東北・東南・西北・西南の四隅を合わせいう。八方の用語解説 - 1 四方と四隅。東・西・南・北と北東・北西・南東・南西の八つの方角。 2 あらゆる方面。ほうぼう。「―に目を配る」「―丸くおさまる」 3 「八方行灯(あんどん)」の略。


劇哉邊海民,寄身於草野。
辺地、僻地、海辺の地域に住む民の生活はひどいものである。その身は草ぶきのあばら屋に寄せている。
・劇哉 生活の困難をいう。
・辺海 辺地、僻地、海辺の地域。
・草堂 一本には草野に作る。「壁」はかりいお、なや、田畑の収穫をとり入れる小屋、また野原の意もある。


妻子像禽獸,行止依林阻。
妻子はまるで禽獣のようである。仕事をするのは山林のけわしい所ばかりなのである。
・象 …のよう。
・行止 行くと止まる。行動、動作の意。
・林阻 山林や険阻の地をいう。


柴門何蕭條,狐兔翔我宇。
その家の門は柴折戸のなんとものさびしいことであろうか。狐や兎までもが家の中をかけまわっているのである。
・柴門 柴を折って作った門扉。
・蕭條 さびしさをいう。
・翔 遊び廻る。
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