美女篇 曹植 魏詩<54-#1>

2013年3月10日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性期友人阻雨不至 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-100-36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2047
 
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

美女篇 曹植 魏詩<54-#1>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2043


美女篇
美女妖且閒,採桑歧路間。
美しい女性が艶美でそしてものしずかである。彼女は分れ遺のところで、桑の葉を摘んでいる。
柔條紛冉冉,落葉何翩翩。
やわらかい枝は、あちこちに、伸びる様にしてなよやかにしなだれており、これが桑の落葉だとなんとひらわらと舞うことであろう。
攘袖見素手,皓腕約金環。
彼女の袖はまくりあげていて、白い素肌の手を見せている。白く映える腕には、金の腕輪をはめている。
頭上金爵釵,腰佩翠琅玕。
頭には金の雀の形をしたかんざしをさし、腰に、青碧色の琅玕の玉つけている。
明珠交玉體,珊瑚間木難。

真珠が玉のような彼女の身体にまつわり、珊瑚に木難の珠がいりまじりあっている。


羅衣何飄飄,輕裾隨風還。顧眄遺光彩,長嘯氣若蘭。行徒用息駕,休者以忘餐。借問女何居?乃在城南端。
青樓臨大路,高門結重關。


容華耀朝日,誰不希令顏。媒氏何所營?玉帛不時安。佳人慕高義,求賢良獨難。眾人徒嗷嗷,安知彼所觀。盛年處房室,中夜起長嘆。

#1
美女妖にして且つ閑なり。桑を岐路の間に採る。
柔條紛として冉冉たり。葉落つること何ぞ翩翩たる。
袖を翩翩げて素手を見はせば、皓腕に金環を約す。
頭上には金爵の釵、腰に佩ぶは翠琅玕。
明珠玉膿に交はり、珊瑚木難に間はる。

#2
羅衣何ぞ諷諷たる、軽裾風に隨って還る。
顧眄すれば光彩を遺し、長嘯すれば気蘭の若し。
行徒は用て駕を息め、休者は以て餐を忘る。
借間す女は安くにか宿る、乃ち城の南端に在り。
青樓 大路に臨み、高門 重関を結ぶ。

#3
容華朝日に輝く、誰か令顔を希はざらん。
媒氏何の営む所ぞ、玉帛時に安んぜず。
佳人高義を慕ひ、賢を求むること良に濁り難し。
衆人徒 に嗷嗷たり、安くんぞ彼の観る所を知らん。
盛年房室に慮り、中夜起ちて長歎す。



珠櫻001









『美女』 現代語訳と訳註
(本文)
美女妖且閒,採桑歧路間。柔條紛冉冉,落葉何翩翩。
攘袖見素手,皓腕約金環。頭上金爵釵,腰佩翠琅玕。
明珠交玉體,珊瑚間木難。


(下し文)
美女妖にして且つ閑なり。桑を岐路の間に採る。
柔條紛として冉冉たり。葉落つること何ぞ翩翩たる。
袖を翩翩げて素手を見はせば、皓腕に金環を約す。
頭上には金爵の釵、腰に佩ぶは翠琅玕。
明珠玉膿に交はり、珊瑚木難に間はる。


(現代語訳)
美しい女性が艶美でそしてものしずかである。彼女は分れ遺のところで、桑の葉を摘んでいる。
やわらかい枝は、あちこちに、伸びる様にしてなよやかにしなだれており、これが桑の落葉だとなんとひらわらと舞うことであろう。
彼女の袖はまくりあげていて、白い素肌の手を見せている。白く映える腕には、金の腕輪をはめている。
頭には金の雀の形をしたかんざしをさし、腰に、青碧色の琅玕の玉つけている。
真珠が玉のような彼女の身体にまつわり、珊瑚に木難の珠がいりまじりあっている。


(訳注)
美女行

・美女篇 美人の容姿を描いて、賢い夫を得たいと思う心を歌った詩。題名は首句の二字をとった。
文選以外の諸本は美女を以て君子にたとえ、君子が美行あって賢君に事えたいと思っても、その人を得なければ召されて節を屈しない意を言ったと見た。


美女妖且閒,採桑歧路間。
美しい女性が艶美でそしてものしずかである。彼女は分れ遺のところで、桑の葉を摘んでいる。
・妖 艶美のさま。
・且 そして、その上。条件が重なることをあらわす言葉。桑は東に植えられるものであり、東で桑を積むのが東家の美女である。 楚の宋玉の『登徒子好色の賦』「臣が里の美しき者は、臣が東家の子に若くはなし。」とある。ここから美人のたとえを”東家之子”又は”東家之女”と。
・閑 ものしずかなさま。閑雅、しとやかなこと。「詩経」周南、関雌に、「窈窕たる淑女」と見え、毛伝に「窈窕は幽閉なり。」という


柔條紛冉冉,落葉何翩翩。
やわらかい枝は、あちこちに、伸びる様にしてなよやかにしなだれており、これが桑の落葉だとなんとひらわらと舞うことであろう。
・柔条 しなやかな若枝。
・紛 いりみだれるさま。
・冉冉 しだいに進んでいくさま。また、徐々に侵していくさま。なよなよとのひている意。漸進のさま、また柔弱のさま。なよやかにしなだれること。柔弱で下垂るさま古詩十九首第八首』「冉冉孤生竹,結根泰山阿。」古詩十九首之八 (8) 漢詩<95>Ⅱ李白に影響を与えた詩527 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1398
・落葉 白紙に落ちる柴ではなく、桑の木を下からたたくなどして、落としたものをいう。
・観劇 ひるがえるさま。


攘袖見素手,皓腕約金環。
彼女の袖はまくりあげていて、白い素肌の手を見せている。白く映える腕には、金の腕輪をはめている。
・攘袖 袖をまくりあげる。
・素手 白い干。
・皓腕 まっ白いうで。
・約金環 金の腕輪をはめる。


頭上金爵釵,腰佩翠琅玕。
頭には金の雀の形をしたかんざしをさし、腰に、青碧色の琅玕の玉つけている。
・金爵叙 金の経の形をしたかんぎし。爵は雀と同じ。雀をかたどった黄金のかんざし。
・琅玕 玉に似た美石。硬玉の一種。暗緑色、青碧色を呈する半透明の美石。崑崙山に産するという。


明珠交玉體,珊瑚間木難。
真珠が玉のような彼女の身体にまつわり、珊瑚に木難の珠がいりまじりあっている。
・明珠 真珠のこと。
・交 格と同義。まとう。
・木難 莫難とも書く。金趐鳥の唾からできた碧色の珠で、大泰国の珍という。一説には黄色の宝石。
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