名都篇 曹植 魏


2013年3月23日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩名都篇 曹植 魏<57-#3> 女性詩712 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2108
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原毀 韓愈(韓退之) <119-#8>Ⅱ中唐詩625 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2109
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集朝雨 杜甫 <433>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2110 杜甫詩1000-433-616/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集郡東山望凕海 謝霊運<22> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2111 (03/23)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性寄子安 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-113-48-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2112
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 
名都篇 曹植 魏<57-#3> 女性詩712 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2108


名都篇 #1
名都多妖女,京洛出少年。寶劍直千金,被服麗且鮮。
大都会にはなまめかしい婦人が多い。ここ洛陽には青年が出没する。
彼らは千金の高値な宝剣をもち、奇麗できらきらかがやき、その上色もあざやかな衣服をまとう。

鬥雞東郊道,走馬長楸間。馳驅未能半,雙兔過我前。
時には、東の郊外の道で闘鶏をやり、時には、長い板の並木道で乗馬をする。
今日もあちこちへ疾駆している途中、二匹の兎が馬前を走るのを見つけた。
 #2
攬弓捷鳴鏑,驅上彼南山。左挽因右發,一縱雙禽連。
弓を手にとり、かぶら矢を腰の帯にたばさんで、遠く南の山まで追いあげるのである。
曲芸のような射法もやるのは左に引いて、右から矢をはなつかとおもうと、一発で二匹とも射とめてしまうのだ。

余巧未及展,仰手接飛鳶。觀者咸稱善,眾工歸我妍。
その腕前であってもまだ十分に発揮したのではないという、そこで手を高くあげ、飛んでくる鳶を射るのである。
見ていた人たちはみな声をそろえてほめそやす、多く入る弓矢の使い手の巧者連も、賞讃の言葉をおくるのである。

歸來宴平樂,美酒斗十千。
それが済むと帰って来て、平楽殿で宴会をひらくのである。そこに出される美酒は一斗で一万銭もするということなのだ。
#3
膾鯉皪胎濩,炮鱉炙熊蹯。
鯉をなますの刺身にし、子持ちのえびを吸物にする。またすっぽんを包み焼きにし、熊の掌をあぶりやきにする。
鳴儔嘯匹侶,列坐竟長筵。
友達どうしで呼びかわしたり、気勢を上げ、口笛を吹き、一同長椅子にいならんで、長くしいた竹むしろにいっぱいにあつまった。
連翩擊鞠壤,巧捷惟萬端。
今度は遊戯で、彼らは飛鳥の毛まりをけったり、木あてをする。その巧妙さで敏捷さ、まことにあらゆるわざをそなえている。
白日西南馳,光景不可攀。
真昼の太陽が西南に傾きだすと、彼らはちりぢりになって、引き留めることはできないだろう。
雲散還城邑,清晨復來還。
雲を散らしたように町なかへ帰って行くのであり、また明日の早朝には、また彼らの遊び場にもどって来るのである。


龍山落帽図00名都篇 #1
名都 妖女多く、京洛 少年を出す。
宝剣 千金に直し、被服 光き且つ鮮かなり。
鶏を闘わす 東郊の道、馬を走らす 長楸【ちょうしゅう】の間。
馳騎【ちてい】未だだ半ばなる能わざるに、双免 我が前を過ぐ。
#2
弓を携りて鳴鏑【めいてき】を捷【はさ】み、長駆して南の山に上る。
左に挽き因って右に発し、一たび縦【はな】てば 両禽【りょうきん】連なる。
余巧 未だ展【の】ぶるに及ばず、手を仰ぎて飛鳶【ひえん】を接【い】る。
観る者 咸【み】な善しと稱し、衆工 我に妍【けん】を帰す。
帰り来りて平楽に宴す、美酒 斗 十千なり。
#3
鯉を臍【なます】にし 胎濩【たいか】を皪【あつもの】にし、鱉【べつ】を炮【い】り熊蹯【ゆうはん】を炙【あぶ】る。
儔【とも】に鳴き 匹侶【ひつりょ】に嘯【うそぶ】き、坐に列して長筵【ちょうえん】に竟【わた】る。
連翩【れんべん】として鞠【きく】と壤【じょう】を撃ち、巧捷【こうしょう】惟れ万端なり。
白日 西南に馳せ、光景 攀【とど】む可からず。
雲散して城邑に還り、清晨 復た来り還らん。


『名都篇』 現代語訳と訳註
(本文)

yamanoki01

#3
膾鯉皪胎濩,炮鱉炙熊蹯。鳴儔嘯匹侶,列坐竟長筵。
連翩擊鞠壤,巧捷惟萬端。白日西南馳,光景不可攀。
雲散還城邑,清晨復來還。


(下し文)#3
鯉を臍【なます】にし 胎濩【たいか】を皪【あつもの】にし、鱉【べつ】を炮【い】り熊蹯【ゆうはん】を炙【あぶ】る。
儔【とも】に鳴き 匹侶【ひつりょ】に嘯【うそぶ】き、坐に列して長筵【ちょうえん】に竟【わた】る。
連翩【れんべん】として鞠【きく】と壤【じょう】を撃ち、巧捷【こうしょう】惟れ万端なり。
白日 西南に馳せ、光景 攀【とど】む可からず。
雲散して城邑に還り、清晨 復た来り還らん。


(現代語訳)
鯉をなますの刺身にし、子持ちのえびを吸物にする。またすっぽんを包み焼きにし、熊の掌をあぶりやきにする。
友達どうしで呼びかわしたり、気勢を上げ、口笛を吹き、一同長椅子にいならんで、長くしいた竹むしろにいっぱいにあつまった。
今度は遊戯で、彼らは飛鳥の毛まりをけったり、木あてをする。その巧妙さで敏捷さ、まことにあらゆるわざをそなえている。
真昼の太陽が西南に傾きだすと、彼らはちりぢりになって、引き留めることはできないだろう。
雲を散らしたように町なかへ帰って行くのであり、また明日の早朝には、また彼らの遊び場にもどって来るのである。


(訳注)#3
膾鯉皪胎濩,炮鱉炙熊蹯。

鯉をなますの刺身にし、子持ちのえびを吸物にする。またすっぽんを包み焼きにし、熊の掌をあぶりやきにする。
○膾 なますのさしみにする。日本のような刺身はない。膾鯉「詩経」小雅、六月に「鼈を炮(包焼)き鯉を膾す。」と見える。
○皪 汁の少い肉の吸物、ここでは動詞に用いる。
○胎濩 胎は子持ちの。とであろう、濩は蝦に同じ。
○炮鱉 亀のつつみ焼き。
○熊蹯 熊の手のこと。珍味とされる。


鳴儔嘯匹侶,列坐竟長筵。
友達どうしで呼びかわしたり、気勢を上げ、口笛を吹き、一同長椅子にいならんで、長くしいた竹むしろにいっぱいにあつまった。
○鳴儔嘯匹侶 仲間どうして、呼びかけあったり、口笛を吹いたりすること。相互の親しさをあらわしたもの。儔も匹侶も、仲間の意味。嘯は口笛を吹く。鳴というから、多少の奇声は発したのかも知れない。
○竟長筵 長い筵席に一ばいになること。竟は尽と同じ、うめつくすこと。筵はたかむしろ、即ち竹であんだむしろのこと。


連翩擊鞠壤,巧捷惟萬端。
今度は遊戯で、彼らは飛鳥の毛まりをけったり、木あてをする。その巧妙さで敏捷さ、まことにあらゆるわざをそなえている。
○連翩 鳥のように敏捷に身をひるがえす意。また次から次へとの意。
○擊鞠壤 毛毬に毛を固くつめたまりをけったり、木あてをしたりする。擊鞠も擊壤もともに昔の遊戯であり、擊壤とは、壤の形をした木片(これを壤という。)を二つ作り、一つを地上におき、他の一つを三四十歩のところから投げてあてるあそび(「太平御覧」にひく「芸経」に見える)。或はフットボールに、ポロとバレーを兼ねたような球戯もある。
○巧捷 巧妙かつ俊敏。
○惟 強めの助字。
○万端 千変万化ですべてを具備する。


白日西南馳,光景不可攀。
真昼の太陽が西南に傾きだすと、彼らはちりぢりになって、引き留めることはできないだろう。
○光景 日月をいうが、ここではすぎ去る時間をさす。
○攀 ひきとめる。


雲散還城邑,清晨復來還。
雲を散らしたように町なかへ帰って行くのであり、また明日の早朝には、また彼らの遊び場にもどって来るのである。
○雲散 雲のようにちらはる。
○城邑 まち。
○來還 散らばっていた若ものたちの遊び場に、かえってくる。
宮島(8)