曹植 盤石篇

2013年3月28日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

盤石篇 曹植 魏<60-#1> 女性詩717 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2133 
 


盤石篇  #1
盤石山巔石,飄颻澗底蓬。
我本泰山人,何為客淮東?
雚葭彌斥土,林木無分重。
岸岩若崩缺,湖水何洶洶。

#2
蚌蛤被濱涯,光彩如錦虹。
高彼凌雲霄,浮氣象螭龍。
鯨脊若丘陵,須若山上松。
呼吸吞船紵,澎濞戲中鴻。

#3
方舟尋高價,珍寶麗以通。
一舉必千里,乘幹舉帆幢。
經危履險阻,未知命所鍾。
常恐沈黃壚,下與黿鱉同。

#4
南極蒼梧野,游眄窮九江。
中夜指參辰,欲師當定從。
仰天長太息,思想懷故邦。
乘桴何所志,吁嗟我孔公。




盤石篇
盤石山巓石,飄颻澗底蓬。
その山にはどっしりと根をはる山頂の盤石の石がある。ひらひらと風に吹かれる谷底には飄転するよもぎがある。
我本泰山人,何為客淮東?
私は、もとは泰山の人間である、それがどうして東海・淮東を旅する身となったのだろう。
雚葭彌斥土,林木無分重。
ヒメヨシは東の海浜辛い土地一面に生い茂りるものであり、木々などは林とならずあまり見えないのだ。
岸岩若崩缺,湖水何洶洶。

きりたつ岸巌はくだけ落ちているかのようである。そこにはどういうわけかドオードオーとものすごい潮騒がしているのである。

盤盤たり 山巓【さんてん】の石、飄颻【ひょうよう】たり 澗底【かんてい】の蓬。
我は本 泰山の人、何為れぞ 淮東に客たる。
雚葭【けんか】斥土【せきど】に弥く、林木 分重【ふんちょう】なる無し。
岸巌 崩れ缺【か】くるが若く、湖水 何んぞ洶洶【きょうきょう】たる。


『盤石篇』 現代語訳と訳註
(本文)

盤石篇
盤石山巓石,飄颻澗底蓬。
我本太山人,何為客淮東?
雚葭彌斥土,林木無分重。
岸岩若崩缺,湖水何洶洶。


(下し文)
盤盤たり 山巓【さんてん】の石、飄颻【ひょうよう】たり 澗底【かんてい】の蓬。
我は本 泰山の人、何為れぞ 淮東に客たる。
雚葭【けんか】斥土【せきど】に弥く、林木 分重【ふんちょう】なる無し。
岸巌 崩れ缺【か】くるが若く、湖水 何んぞ洶洶【きょうきょう】たる。


(現代語訳)
その山にはどっしりと根をはる山頂の盤石の石がある。ひらひらと風に吹かれる谷底には飄転するよもぎがある。
私は、もとは泰山の人間である、それがどうして東海・淮東を旅する身となったのだろう。
ヒメヨシは東の海浜辛い土地一面に生い茂りるものであり、木々などは林とならずあまり見えないのだ。
きりたつ岸巌はくだけ落ちているかのようである。そこにはどういうわけかドオードオーとものすごい潮騒がしているのである。

泰山の夕日02
(訳注)
盤石篇

○盤石篇 海に浮ぶ歌。「楽府詩集」では雑曲歌辞に入れる。海上をさすらう者の望郷の念を歌ったもので、題名とはあまり関係はない。
曹操が建安十一年八月海賊管東を征伐したとき、曹植も十五歳で従軍して作ったと推定している。この篇は少し長いので、四段に分ける。


盤石山巔石,飄颻澗底蓬。
その山にはどっしりと根をはる山頂の盤石の石がある。ひらひらと風に吹かれる谷底には飄転するよもぎがある。
○盤盤 盤は大きな皿又は大きな石の盤。ここではどっしりした形容に用いた。盤石に作るならば、この句は「盤石のごとし山巓の石。」春秋戦国に書かれた『莊子』の内篇の第一逍遙遊には既に大きいものの例えとして、「太山」という名前が記されている。荘子では人間の小ささを表すために、絶大な大きさを持つ架空の鵬という名の鳥を例に対比させている。これは泰山がとてつもなく大きいものの代表という概念が、春秋時代にはもう形成されていたことを示している。
○飄颻 風にひるがえるさま。
○澗底 谷川の底。
○蓬 よもぎ。風のまにまに吹かれて飛ぶので、人生のはかなさにたとえて用いられる。


我本太山人,何為客淮東?
私は、もとは泰山の人間である、それがどうして東海・淮東を旅する身となったのだろう。
○太・泰山 山の名。五岳の山のひとつ。山東省泰安市にある山。高さは1,545m(最高峰は玉皇頂と呼ばれる)。信仰の対象にもなる。封禅の儀式が行われる山として名高い。 道教の聖地である五つの山(=五岳)のひとつ。五岳独尊とも言われ、五岳でもっとも尊いとされる。 ユネスコの世界遺産(複合遺産)に登録されている。
○淮東・海東 長安・洛陽からみて東の地方。黄河、淮水は東流することから東海、あるいは今の准河地方。


雚葭彌斥土,林木無分重。
ヒメヨシは東の海浜辛い土地一面に生い茂りるものであり、木々などは林とならずあまり見えないのだ。
○雚葭 和名ヒメヨシ、萩の別名である。「詩経」葉風、雚葭に「雚葭蒼たり。」と見える。
○弥 充満する。
○斥土 海浜。東方の塩からい地を斤という。
○無分重 余り多くない。紛重は非常に多いさまとなる。


岸岩若崩缺,湖水何洶洶。
きりたつ岸巌はくだけ落ちているかのようである。そこにはどういうわけかドオードオーとものすごい潮騒がしているのである。
○岸巌 大岩の切り立った岸壁。
○湖水 湾内に入って來る大波の水。
○洶洶 波浪の音。ドオー・ドオー。「楚辞」九章、悲回風に「馮崑崙以瞰霧兮,隱岷山以清江。憚涌湍之磕磕兮,聽波聲之洶洶。」(崑崙に馮りて以て霧を瞰して,岷山に隱りて以て江を清ませ。涌湍の磕磕たるをり,波声の淘淘たるを聴く。)と見える。
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