曹植 盤石篇 #3


2013年3月30日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩盤石篇 曹植 魏<60-#3> 女性詩719 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2143
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第二段-#1 宋玉  <00-#3>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 632 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2144
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集江畔獨步尋花七絕句 其四 成都浣花渓 杜甫 <440>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2145 杜甫詩1000-440-623/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集登上戌石鼓山 謝霊運<29> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2146 (03/30)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性聯句 光威哀姉妹三人、小孤而始折乃有。・・・・・因次其韻-#2 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-120-55-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2147
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

盤石篇 曹植 魏<60-#3> 女性詩719 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2143


盤石篇 #1
盤石山巔石,飄颻澗底蓬。
我本泰山人,何為客淮東?
雚葭彌斥土,林木無分重。
岸岩若崩缺,湖水何洶洶。
#2
蚌蛤被濱涯,光彩如錦虹。
高彼凌雲霄,浮氣象螭龍。
鯨脊若丘陵,須若山上松。
呼吸吞船紵,澎濞戲中鴻。
#3
方舟尋高價,珍寶麗以通。
一舉必千里,乘幹舉帆幢。
經危履險阻,未知命所鍾。
常恐沈黃壚,下與黿鱉同。
#4
南極蒼梧野,游眄窮九江。
中夜指參辰,欲師當定從。
仰天長太息,思想懷故邦。
乘桴何所志,吁嗟我孔公。


盤石篇
盤石山巓石,飄颻澗底蓬。
その山にはどっしりと根をはる山頂の盤石の石がある。ひらひらと風に吹かれる谷底には飄転するよもぎがある。
我本泰山人,何為客淮東?
私は、もとは泰山の人間である、それがどうして東海・淮東を旅する身となったのだろう。
雚葭彌斥土,林木無分重。
ヒメヨシは東の海浜辛い土地一面に生い茂りるものであり、木々などは林とならずあまり見えないのだ。
岸岩若崩缺,湖水何洶洶。
きりたつ岸巌はくだけ落ちているかのようである。そこにはどういうわけかドオードオーとものすごい潮騒がしているのである。

蚌蛤被濱涯,光彩如錦虹。
はまぐりが海辺をおおうほどあるといい、水面には日をうけ光彩を放つさまは、あざやかな五色の虹を思わせる。
高彼凌雲霄,浮氣象螭龍。
高い波浪は空の雲をもしのぐほどのすごさであり、浪からの立ちのぼる蜃気はまるでみずちが龍のように暴れているようだ。
鯨脊若丘陵,須若山上松。
そして、大鯨の背であり丘陵のようである、そしてひげのようであり、山上の松のようである。
呼吸吞船紵,澎濞戲中鴻。
おおきなみずちが呼吸すれば張り子のふねのようでのみ込まれてしまうであろうし、わきたつ波浪は、たわむれあそぶ大鳥たちかと見まごうほどである。

方舟尋高價,珍寶麗以通。
高価な珍しい品物をさがしもとめ舟をたくさんならべてたくさん積みこむ。その中に珍宝があり、それはきれいなものであり、国の流通を良くするものである。
一舉必千里,乘幹舉帆幢。
ひとたび船出すれば、かならず千里の海路わたるし、追い風に乗る、帆柱をあげる風をうけてすすむのである。
經危履險阻,未知命所鍾。
時には危険に遭遇して恐しい目にもあうこともある。どのような運命にぶつかるかについては分かっているわけではないのだ。
常恐沈黃壚,下與黿鱉同。
航行に際していつも、黄泉の国、深く沈んむこともあるのだし、大亀とスッポンと行動をともにするようになりはしないかと、恐れをいだいているものなのだ。
方舟 高価なるを尋ね、珍宝 麗きて以って通ず。
一たび挙れば 必ず千里、幹【かん】に乗じて 帆幢【はんどう】を挙ぐ。
危きを経 険阻なるを履み、未だ命の鍾う所を知らず。
常に恐る 黃壚【こうろ】に沈み、下 黿鱉【げんべつ】と同じからんことを。


『盤石篇』 現代語訳と訳註
(本文)
方舟尋高價,珍寶麗以通。
一舉必千里,乘幹舉帆幢。
經危履險阻,未知命所鍾。
常恐沈黃壚,下與黿鱉同。


(下し文)
方舟 高価なるを尋ね、珍宝 麗きて以って通ず。
一たび挙れば 必ず千里、幹【かん】に乗じて 帆幢【はんどう】を挙ぐ。
危きを経 険阻なるを履み、未だ命の鍾う所を知らず。
常に恐る 黃壚【こうろ】に沈み、下 黿鱉【げんべつ】と同じからんことを。


(現代語訳)
高価な珍しい品物をさがしもとめ舟をたくさんならべてたくさん積みこむ。その中に珍宝があり、それはきれいなものであり、国の流通を良くするものである。
ひとたび船出すれば、かならず千里の海路わたるし、追い風に乗る、帆柱をあげる風をうけてすすむのである。
時には危険に遭遇して恐しい目にもあうこともある。どのような運命にぶつかるかについては分かっているわけではないのだ。
航行に際していつも、黄泉の国、深く沈んむこともあるのだし、大亀とスッポンと行動をともにするようになりはしないかと、恐れをいだいているものなのだ。


01boudake5(訳注)
○盤石篇
 海に浮ぶ歌。「楽府詩集」では雑曲歌辞に入れる。海上をさすらう者の望郷の念を歌ったもので、題名とはあまり関係はない。
曹操が建安十一年八月海賊管東を征伐したとき、曹植も十五歳で従軍して作ったと推定している。この篇は少し長いので、四段に分ける三回目。


方舟尋高價,珍寶麗以通。
高価な珍しい品物をさがしもとめ舟をたくさんならべてたくさん積みこむ。その中に珍宝があり、それはきれいなものであり、国の流通を良くするものである。
○方舟 船を二隻ならべることをいうのであるが、荷物をたくさん積みこむと船が安定しないので、船をつないで安定させることをいう。曹植『雜詩六首 其五』
僕夫早嚴駕,吾將遠行游。遠遊欲何之?吳國為我仇。將騁萬里途,東路安足由。江介多悲風,淮泗馳急流。願欲一輕濟,惜哉無方舟。閒居非吾志,甘心赴國憂。
○方舟 舟をならべ、橋にする。方は二つ並べること。狭い河川の場合ひき船の場合、橋にする場合船頭が居なくて船だけの状態を云う。

雜詩六首其五 曹植 魏詩<22>古詩源 巻三 女性詩648 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1809

曹丕『又清河作一首』「方舟戲長水,湛淡自浮沈。」又清河作一首 曹丕(魏文帝) 魏詩<4 、後世杜甫『發秦州』「密竹復冬笋、清池可方舟。」“同谷紀行(1)” 發秦州 杜甫 <321#1 

○高価 高価な世にも珍しいもの。
○麗以通 きれいなものでもって流通をよくする。珍宝が方舟で持ち帰ることによって流通すること。


一舉必千里,乘幹舉帆幢。
ひとたび船出すれば、かならず千里の海路わたるし、追い風に乗る、帆柱をあげる風をうけてすすむのである。
○乘幹 追い風に乗ること。
○帆幢 帆と幢も帆と帆柱。


經危履險阻,未知命所鍾。
時には危険に遭遇して恐しい目にもあうこともある。どのような運命にぶつかるかについては分かっているわけではないのだ。
○鐘 当る、遭遇する。


常恐沈黃壚,下與黿鱉同。
航行に際していつも、黄泉の国、深く沈んむこともあるのだし、大亀とスッポンと行動をともにするようになりはしないかと、恐れをいだいているものなのだ。
○黄墟 黄泉の国(地下にある泉で、人が死後行くところといわれる。)
○黿鱉 竜は大がめ、鱉はスッポン。