曹植 種葛篇-#2


2013年4月3日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集絶句漫興九首 其一 成都浣花渓 杜甫 <445>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2170 杜甫詩1000-445-628/1500 
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集石門巌上宿 謝霊運<33> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2166 (04/03)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性光威裒姉妹三人小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。-#6 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-124 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2167
 
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

種葛篇 曹植 魏詩<62-#2> 女性詩723 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2163



種葛篇 #1
種葛南山下,葛藟自成陰。
葛を南の山のふもとにうえると、葛はつるをのばして、ひとりでに、かげをつくるようになった。
與君初婚時,結髮恩義深。
私とあなたとがはじめて結婚したのは、成年に達して結髪したての頃で、夫婦の情愛も深かった。
歡愛在枕席,宿昔同衣衾。
二人の愛情の歓喜は枕の寝台とふとんにあり、夜ごと、かいまきをともにして、仲むつまじくしたものです。
竊慕《棠棣》篇,好樂和瑟琴。
また心ひそかに『詩経、小雅、棠棣』の詩をしたって思いつづけ、むつみ楽しみあうこと、琴家の和するようでありました。
#2
行年將晚暮,佳人懷異心。
だが、すぎゆく年というものは季節は暮れていくものであり私も女盛りをすぎる歳はくれていくものである。そんな時にあなたの前に美人が出現したら、やがてと、あなたは他に心をうつされるだろう。
恩紀曠不接,我情遂抑沈。
もはや、恵愛の筋道も、久しく接点すらなくなっている。私の心はとうとうおもくるしく沈みこんでしまうのです。
出門當何顧?徘徊步北林。
心中憂鬱で気が重いままに北門を出る、どこへ行くあてもないのだ。ただあてもなく北の方の林をさまよい歩く。
下有交頸獸,仰見雙棲禽。
地上には、首を寄せ合って親愛の情をあらわしている獣がおり、あおぎ見れば、二つ仲良くならんだ鳥が巣住まいをしている。
#3
攀枝長嘆息,淚下沾羅衿。
良馬知我悲,延頸代我吟。
昔為同池魚,今為商與參。
往古皆歡遇,我獨困於今。
棄置委天命,悠悠安可任?

種葛篇  #1
葛を種う 南山の下、葛は蔓のばして自から陰を成す。
君と初めて婚せし時、結髪 恩義探し。
歓愛 枕席に在り、宿昔 衣衾を同じくす。
窃かに《棠棣》の篇を慕い、好楽 瑟琴和せり。
#2
行年【こうねん】将に晩暮【ばんぼ】ならんとして、佳人【かじん】異心を懐く。
恩紀【おんき】曠【ひさ】しく接せず、我が情 遂に抑沈【よくちん】す。
門を出でて当に何をか顧みるべき、排禍【はいか】して北かぶ林に歩む。
下に 頸を交うる獣有り、仰ぎて 双び棲む禽を見る。
#3
枝に攣【よ】じて長嘆息し、涙下り 羅衿【らきん】を沾す。
良馬 我が悲しみを知り、頸を延べ 我に対して吟ず。
昔は 池を同じくする魚為り、今は 商【しょう】と参【しん】為り。
往古 皆な遇うを歓びたるに、我は独り 今に困しむ。
棄置して 天命に委ねんとするも、悠悠として安んぞ任【と】う可き。


『種葛篇』 現代語訳と訳註
李清照0002211道観(本文)
#2
行年將晚暮,佳人懷異心。
恩紀曠不接,我情遂抑沈。
出門當何顧?徘徊步北林。
下有交頸獸,仰見雙棲禽。


(下し文)#2
行年【こうねん】将に晩暮【ばんぼ】ならんとして、佳人【かじん】異心を懐く。
恩紀【おんき】曠【ひさ】しく接せず、我が情 遂に抑沈【よくちん】す。
門を出でて当に何をか顧みるべき、排禍【はいか】して北かぶ林に歩む。
下に 頸を交うる獣有り、仰ぎて 双び棲む禽を見る。


(現代語訳)
aki02だが、すぎゆく年というものは季節は暮れていくものであり私も女盛りをすぎる歳はくれていくものである。そんな時にあなたの前に美人が出現したら、やがてと、あなたは他に心をうつされるだろう。
もはや、恵愛の筋道も、久しく接点すらなくなっている。私の心はとうとうおもくるしく沈みこんでしまうのです。
心中憂鬱で気が重いままに北門を出る、どこへ行くあてもないのだ。ただあてもなく北の方の林をさまよい歩く。
地上には、首を寄せ合って親愛の情をあらわしている獣がおり、あおぎ見れば、二つ仲良くならんだ鳥が巣住まいをしている。



(訳注) #2
〇種葛篇 棄てられた妻の歌。曹楯は、妻が夫を思うことばを作ったとする。この詩の題は、首句のはじめの二字よりとったもの。226年黄初7年35歳の作詩。

行年將晚暮,佳人懷異心。
だが、すぎゆく年というものは季節は暮れていくものであり私も女盛りをすぎる歳はくれていくものである。そんな時にあなたの前に美人が出現したら、やがてと、あなたは他に心をうつされるだろう。
○行年 とる年。すぎゆく年。
○佳人懷異心 美人。懐異心は他に心をうつすこと。


恩紀曠不接,我情遂抑沈。
もはや、恵愛の筋道も、久しく接点すらなくなっている。私の心はとうとうおもくるしく沈みこんでしまうのです。
○恩紀 恩愛の道の意。恩はめぐみ、紀は筋道をきちんと立てたおきて。「紀律/官紀・軍紀・校紀・綱紀・風紀」 2 筋道や順序を追って整理・記録する。男女の仲の愛の筋道。古代は一夫多妻制の中での恩紀ということではあるが、君王の仁愛の問題をていきしている。
○曠 1 広々として何もない。「曠野」 2 むなしい。むなしくする。「曠日・曠世」 3 心がひろい。久しい意。むなしく、又はとおくともよめる。○抑沈 抑圧されて沈みこむ。抑はおさえる。


出門當何顧?徘徊步北林。
心中憂鬱で気が重いままに北門を出る、どこへ行くあてもないのだ。ただあてもなく北の方の林をさまよい歩く。
〇出門 『詩経、邶風、(出門)』に基づく。
出自北門、憂心殷殷。
終窭且貧、莫知我艱。
已焉哉。
天実為之,謂之何哉。
私は北門を出る、心中憂鬱で気が重い。貧しくて生活が行き詰っているのに、誰も私の辛さなやみはわからない。でも仕方がない。全ては天がなせるわざだ。どうあがいても変わらない。
〇北林 さきの南山に対す。語は「詩経」秦風、晨風に見える。


下有交頸獸,仰見雙棲禽。
地上には、首を寄せ合って親愛の情をあらわしている獣がおり、あおぎ見れば、二つ仲良くならんだ鳥が巣住まいをしている。
〇交頸猷 たがいにくびをよせあって、親愛の情をあらわしているけもの。
○双棲禽 二羽仲よくならび棲む鳥。