曹植 《責躬詩》  魏詩
心のなかで陛下を慕うており、愴然として悲しみいたみます。ああ天は高いけれどもよく卑きにあるものの願いを聴いてくださる。陛下もまたわが微誠を照覧してくださらんことを思い願うのです。


2013/5/15 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集
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#10
匪敢傲德,實恩是恃。
今後は敢て自ら倣ることなく、ただ、まことに皇恩をのみたのみとするところであります。
威靈改加,足以沒齒。
重ねてご威光のお蔭を蒙って、この余生を終ればよいと思っております。
昊天罔極,生命不圖。
しかし皇恩の広大なること、天の極まりのないとろまでいきわたる。これに報ゆべき人間の生命は図り難いのである。
常懼顛沛,抱罪黃壚。

常にこのままたおれてしまって罪を償わずに墳墓の中までいだいてゆくようになることをおそれます。
#10
敢えて德に傲るに匪らず,實【まこと】に恩を是れ恃む。
威靈【いれい】改め加えて,以って齒【よわい】を沒るに足る。
昊天【こうてん】極り罔【な】く,生命圖られず。
常に顛沛【てんはい】して,罪を黃壚【こうろ】に抱んことを懼る。

#11
願蒙矢石,建旗東嶽。
願うことなら、呉軍討伐の軍に加わり、矢石を冒して旗を呉境東岳にたてたいものだ。
庶立毫釐,微功自贖。
わずかながらも戦功を立て、それで自らの罪をあがないたいと思います。
危軀授命,知足免戾。
この身を危難に投じて一命をなげうてば、罪を免れることができるかとおもっています。
甘赴江湘,奮戈吳越。

進んで江湘の地に赴き、戈を呉越に奮おうと思います。

願わくは矢石を蒙むり,東嶽に旗を建んことを。
庶【ねが】わくば毫釐【ごうり】を立て,微功【びこう】もて自ら贖【あがわな】わんことを。
軀を危くし命を授けば,戾【つみ】を免【まぬが】るるに足るを知る。
甘んじて江湘に赴き,戈を吳越に奮う。

#12
天啟其衷,得會京畿。
幸いなことに陛下はその衷心を開き給われたことで、京畿で拝謁を得ることとなりました。
遲奉聖顏,如渴如飢。
聖天子に拜顏するのを待つことは、まさしく乾ききったものが水を求めるようなものであり、飢餓者が食を求めるごとく切でありました。
心之雲慕,愴矣其悲。
心のなかで陛下を慕うており、愴然として悲しみいたみます。
天高聽卑,皇肯照微。
ああ天は高いけれどもよく卑きにあるものの願いを聴いてくださる。陛下もまたわが微誠を照覧してくださらんことを思い願うのです。

天 其の衷を啟【ひら】き,京畿に會するを得たり。
聖顏に奉ずるを遲【ま】つこと,渴するが如く飢うるが如し。
心の雲【ここ】に慕う,愴んで其れ悲しむ。
天高けれども卑きを聽く,皇 肯えて微を照らせれよ。


『責躬詩』 現代語訳と訳註
yuugure02(本文)
#12
天啟其衷,得會京畿。
遲奉聖顏,如渴如飢。
心之雲慕,愴矣其悲。
天高聽卑,皇肯照微。


(下し文) #12
天 其の衷を啟【ひら】き,京畿に會するを得たり。
聖顏に奉ずるを遲【ま】つこと,渴するが如く飢うるが如し。
心の雲【ここ】に慕う,愴んで其れ悲しむ。
天高けれども卑きを聽く,皇 肯えて微を照らせれよ。


(現代語訳)
幸いなことに陛下はその衷心を開き給われたことで、京畿で拝謁を得ることとなりました。
聖天子に拜顏するのを待つことは、まさしく乾ききったものが水を求めるようなものであり、飢餓者が食を求めるごとく切でありました。
心のなかで陛下を慕うており、愴然として悲しみいたみます。
ああ天は高いけれどもよく卑きにあるものの願いを聴いてくださる。陛下もまたわが微誠を照覧してくださらんことを思い願うのです。


(訳注) #12
天啟其衷,得會京畿。
幸いなことに陛下はその衷心を開き給われたことで、京畿で拝謁を得ることとなりました。
・衷心  心の奥底。まごころ。衷心。


遲奉聖顏,如渴如飢。
聖天子に拜顏するのを待つことは、まさしく乾ききったものが水を求めるようなものであり、飢餓者が食を求めるごとく切でありました。
・聖顏 聖天子に拜顏する。


心之雲慕,愴矣其悲。
心のなかで陛下を慕うており、愴然として悲しみいたみます。
・雲 すぐれて高いさま。ここでは皇帝をさす。
・愴 悲しみに打ちひしがれる。「愴然/悽愴(せいそう)・悲愴」


天高聽卑,皇肯照微。
ああ天は高いけれどもよく卑きにあるものの願いを聴いてくださる。陛下もまたわが微誠を照覧してくださらんことを思い願うのです。
・微 わずかに見える忠誠心。謙譲語。