曹植 《應詔詩》 つつしんで天子の詔命を拝し、都に上って入朝しょうとした。朝まだき星を見ながら、馬車を陳ねて、馬には秣をやり、車には脂をさすなどして準備する。わたしは供頭に命じて旅の用意に手落ちなきよう戒めた。


2013年5月17日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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應詔詩 曹植 魏詩<76-#1> 文選 上 献詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2383


作者はかつて楊脩・應楊らと共に酒を飲んで、酔うた上に馬を司禁門に走らせたことがあった。兄文帝は即位の後これをとがめて鄄城侯(山東濮県東)に封じた。時に黄初三年(221)作者三十一歳の夏である。翌年洛陽に朝して、帝にまみえようとしたが許されず、西館に留め置かれた。この時「責躬詩」と「応詔詩」との二首をたてまつった。前者は己の非を責めて天子に拝謁を願う詩、後者は天子の詔を拝して上京入朝することを叙べた詩である。


應詔詩
王屋山01肅承明詔,應會皇都。
つつしんで天子の詔命を拝し、都に上って入朝しょうとした。
星陳夙駕,秣馬脂車。
朝まだき星を見ながら、馬車を陳ねて、馬には秣をやり、車には脂をさすなどして準備する。
命彼掌徒,肅我征旅。
わたしは供頭に命じて旅の用意に手落ちなきよう戒めた。
朝發鸞台,夕宿蘭渚。

朝に鸞がすんでいる高い台を発し、夕には蘭の花さく渚に宿する。
#2
芒芒原隰,祁祁士女。經彼公田,樂我稷黍。
爰有樛木,重陰匪息。雖有餱糧,飢不遑食。
#3
望城不過,面邑不游。僕夫警策,平路是由。
玄駟藹藹,揚鑣漂沫。流風翼衡,輕雲承蓋。
#4
涉澗之濱,綠山之隈。遵彼河滸,黃坂是階。
西濟關谷,或降或升。鋋驂倦路,載寢載興。
#5
將朝聖皇,匪敢晏寧。珥節長騖,指日遄征。
前驅舉燧,后乘抗旌。輪不輟運,鸞無廢聲。
#6
爰暨帝室,稅此西墉。嘉詔未賜,朝覲莫從。
仰瞻城閾,俯惟闕庭。長懷永慕,憂心如酲。

#1
粛みて明詔【めいしょう】を承け、皇都に会するに應ず。
星陳 夙に駕し、馬に秣かひ車に脂さす。
彼の掌徒に命じ、我が征旅を粛す。
朝に鸞臺を発し、夕に蘭渚に宿す。


『應詔詩』 現代語訳と訳註
(本文)
肅承明詔,應會皇都。星陳夙駕,秣馬脂車。
命彼掌徒,肅我征旅。朝發鸞台,夕宿蘭渚。


(下し文) #1
粛みて明詔【めいしょう】を承け、皇都に会するに應ず。
星陳 夙に駕し、馬に秣かひ車に脂さす。
彼の掌徒に命じ、我が征旅を粛す。
朝に鸞臺を発し、夕に蘭渚に宿す。


(現代語訳)
つつしんで天子の詔命を拝し、都に上って入朝しょうとした。
朝まだき星を見ながら、馬車を陳ねて、馬には秣をやり、車には脂をさすなどして準備する。
わたしは供頭に命じて旅の用意に手落ちなきよう戒めた。
朝に鸞がすんでいる高い台を発し、夕には蘭の花さく渚に宿する。


(訳注)
應詔詩

文帝にささげたもの。文選 上 献詩


肅承明詔,應會皇都。
つつしんで天子の詔命を拝し、都に上って入朝しょうとした。
・明詔 潘王に朝会の詔が下った。曹植『贈白馬王彪(並序)』にのべている。
黃初四年五月,白馬王、任城王與余俱朝京師。會節氣,到洛陽,任城王薨。至七月,與白馬王還國。後有司以二王歸藩,道路宜異宿止,意毒恨之。蓋以大別在數日,是用自剖,與王辭焉,憤而成篇:
(223年黃初四年五月のことである。私は白馬王彪・任城王彰とともに、都洛陽に参集し、夏至節の朝会に出席することになった。ところが夏至節の朝会に出席のための洛陽に到着すると、まもなく、任城王は逝去されたのである。
七月になり、私は白馬王とともに国に帰ろうとしたのである。
白馬王との別離は特に任城王の逝去があったので私の心中いたく恨みものなのだ。あと数日で、今度何時再会できるか分らない別離となるからなのだ。
白馬王と別れをつげたのではあるが、胸のつかえをはらすために、語り尽くせないことをいっておくために二篇の詩章としたのである。)

贈白馬王彪 序 曹植(曹子建) 魏詩<39>文選 贈答二 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1933


星陳夙駕,秣馬脂車。
朝まだき星を見ながら、馬車を陳ねて、馬には秣をやり、車には脂をさすなどして準備する。
・星陳夙短 『詩経』鄘風、定之方中に「星みてここに夙に駕す」とあるによった語。朝早く星を見ながら事の用意をし、供揃【ともぞろえ】をすること。
・株馬脂車 馬には秣をやり、車には脂をさす。『詩経』周南、漢広に「言(霊に其の馬に秣かわん」、又『詩経』小雅、何人斯「爾の亟に脂さすに遑あらんや」とある。


命彼掌徒,肅我征旅。
わたしは供頭に命じて旅の用意に手落ちなきよう戒めた。
・掌徒 征制を掌るもの。ともがしら。


朝發鸞台,夕宿蘭渚。
朝に鸞がすんでいる高い台を発し、夕には蘭の花さく渚に宿する。
・鸞台・蘭渚 途中通過した地を美しく言ったのである