揚雄 《甘泉賦 (18) しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。


2013年8月29日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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揚雄 《甘泉賦 (18)6-2 文選 賦<108-#179分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩871 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2903

 

 

(17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

函甘棠之惠,挾東征之意,

相與齊乎陽靈之宮。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

(19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。

建光燿之長兮,昭華覆之威威。

攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。

陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

(20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。

風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。

梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。

想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

(21)#6-5

玉女亡所眺其清矑兮,虙妃曾不得施其蛾眉。

方擥道德之精剛兮,眸神明與之為資。

 

是に於いて事変じ物化し、目駭き耳回る。

蓋し天子 ,珍臺【ちんだい】閒館【かんかん】,琁題【せんだい】玉英,蜎【えんえん】蠖濩【わくかく】の中に穆然【ぼくぜん】たり。

惟れ夫の心を澄まし魂を清くし,精を儲【たくわ】え思を垂れ,天地を感動せしめ,釐【わざわ】い三神に逆【むか】うる所以【ゆえん】の者なり。

(18)#6-2

【すなわ】ち【たぐい】を【えら】び【たぐい】を【もと】め,皋伊【こうい】の【ともがら】、【りん】に冠たり能に魁【かい】たり

甘棠【かんどう】の惠を函【ふく】み,東征の意を挾む,

相い與【とも】に陽靈の宮に齊【ものいみ】す

薜荔【へいれい】を靡かせて席【しきもの】と為し,瓊枝けいし】を折りて以て芳と為す。

清雲の流瑕【りゅうか】を【す】い,若木【じゃくぼく】の露英を飲む。

 4岳陽樓詩人003




















(17)
#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

ここでは、事物が変化に富んでおり、人の目を驚かせ、耳を惑わすのである。

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

これこそ、心を澄ませ、魂を清め、精神を集中し、思索をめぐらし、大地を感動させ、そして大・地・人の神々より幸福を授けられるためのやり方なのである。

 

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

そこで大半は、己の輔佐となる仲間、たとえば、皐陶・伊尹のように、卓絶した能力のあるものを探し求められる。

函甘棠之惠,挾東征之意,

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

相與齊乎陽靈之宮。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。


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『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

函甘棠之惠,挾東征之意,

相與齊乎陽靈之宮。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

 

 

(下し文)

【すなわ】ち【たぐい】を【えら】び【たぐい】を【もと】め,皋伊【こうい】の【ともがら】、【りん】に冠たり能に魁【かい】たり

甘棠【かんどう】の惠を函【ふく】み,東征の意を挾む,

相い與【とも】に陽靈の宮に齊【ものいみ】す

薜荔【へいれい】を靡かせて席【しきもの】と為し,瓊枝けいし】を折りて以て芳と為す。

清雲の流瑕【りゅうか】を【す】い,若木【じゃくぼく】の露英を飲む。

 

 

(現代語訳)

そこで大半は、己の輔佐となる仲間、たとえば、皐陶・伊尹のように、卓絶した能力のあるものを探し求められる。

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

 

 

(訳注)(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

そこで大半は、己の輔佐となる仲間、たとえば、皐陶・伊尹のように、卓絶した能力のあるものを探し求められる。

皋 皐陶. 【こうよう】 帝舜に仕えた賢人。法を制定し司法長官となる。皐陶が法を司るようになると悪人が減ったという。 

・伊 伊尹【いいん】中国,殷王朝創始期の伝説的な賢臣。名は摯,阿衡あるいは保衡と号す。年70まで有莘氏の国で農耕に従事したが,有莘君の娘が殷の湯王の妃となると,料理番としてそれに従い,料理にたとえて湯王に政治を説き,宰相に任ぜられた。そののち湯王を助けて夏の桀王を討ち滅ぼし,殷王朝を開くのに力があった。湯王の死後,孫の太甲が位につくと暴虐であったので,伊尹は彼を桐宮に追放し,3年ののち,悔悟した太甲を再び都に迎えた。臣下として主君を押し込めたこと,簒奪ではないかと,後々議論となるところである(《孟子》尽心上篇など)

 

函甘棠之惠,挾東征之意,

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

・東征 周公東征のこと。周公:中国,西周王朝建国の功臣。生没年不明。本名は姫旦(きたん),周公旦ともいう。周の文王の子。武王の弟。武王を助けて殷王朝を滅ぼし,武王の死後は幼い成王を助け摂政となった。周公の弟の管叔,蔡叔らが殷の紂王の子の武庚と結んで反乱をおこすと,東征を行って反乱者を鎮圧するとともに東方の異民族たちを平定。さらに周王朝の東方支配の拠点として東都洛邑(成周)を建設した。また周代の多くの礼楽制度が周公によって定められたとされ,《周礼(しゆらい)》《儀礼(ぎらい)》《易経》の爻辞(こうじ)なども,伝説的には周公の著述とされる。

・甘棠の惠/甘棠の詠(かんとうのえい) 人々が為政者の徳を称(たた)えること。 故事:中国、周の宰相召公噎が甘棠樹の下で民の訴訟を聞き、公平に裁断したので、民が召公の徳を慕い甘棠の詩(「詩経-召南」所収)を作り詠(うた)った。

 

相與齊乎陽靈之宮。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

・陽靈 天神。

 

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

・薜荔 オオイタビはクワ科イチジク属の常緑つる性木本。東アジア南部に分布し、日本では関東南部以西、特に海岸近くの暖地に自生し、栽培もされる。茎から出る気根で固着しながら木や岩に這い登る。オオイタビの名は、イタビカズラに似て大型であることによる。台湾に生育する変種のアイギョクシは果実を食用に用いる。

・瓊枝 1 玉で飾った美しい枝。また、玉がなるという珍しい木。2 皇族の子孫のたとえ。けいしせんだん【瓊枝栴檀】《「秇林伐山」五から》徳の備わった人。また、すぐれた詩文のたとえ。

 

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

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