司馬相如 《子虚賦 》(10水中に棲むのは、霊力ある亀とか、蛙・竃・塙環・簡・鹿である。北の一帯には、暗い林が広がり、・相・豫章など以上全て楠の類、桂(もくせい)・椒(さんしょう)・木蘭・檗(きはだ)・離(やまなし)・朱い楊(やなぎ)・樝(こぼけ)・梨・(さるがき)・栗が生え、橘や柚子が香りを放っている。

 

2013年9月16日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《子虚賦 》(10)#43 文選 賦<109-#4-39分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩889 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2993

 

 

(8)#4-1

其東則有蕙圃,衡蘭芷若,

雲夢沢の東の一帯には、香草の茂る園があり、杜衡【かんあおい】・蘭・よろい草・杜若【やぶみょうが】があり、

穹窮昌蒲,江離麋蕪,諸柘巴且。

穹窮昌蒲江離麋蕪諸柘(さとうきび)・巴且(みょうが)が生じている。

其南則有平原廣澤,登降阤靡,

雲夢沢の南の一帯には、廣い野原や広湿地があり、そしてなだらかに起伏している。

案衍壇曼,緣以大江,限以巫山。

どこまでも平らに続いている。長江の流れが周囲を巡り、巫山が縁どりとしてそびえている。

其高燥則生葴析苞荔,薛莎青薠。

高く乾燥した土地に生えている植物は、葴【おおあい】・析苞(あぶらがや)荔(おおにら)薛(かわらよもぎ)莎(はますげ)青薠(大きなはますげ)である。

 

其の東には則ち蕙圃【けいほ】有りて,衡蘭【こうらん】芷若【しじゃく】,

穹窮【きゅうきゅう】昌蒲【しょうぶ】,江離【こうり】麋蕪【ひぶ】,諸柘【しょしゃ】巴且【はしょ】あり。

其の南には則ち平原廣澤【こうたく】有りて,登り降り阤靡【いび】として,

案衍【あんえん】壇曼【たんまん】たり,緣【めぐ】らすに大江を以ってし,限るに巫山を以ってす。

其の高燥には則ち葴析【しんし】苞荔【ひょうれい】,薛莎【せつさ】青薠【せいひん】を生いたり。

 

(9)#4-2

其卑則生藏莨蒹葭,東彫胡,蓮藕觚蘆,奄閭軒于。

一方、低く湿った土地には、藏莨蒹(おぎ)葭(あし)・彫胡(まこものみ)・蓮(はすのみ)・藕(はすのね)觚蘆(ひょうたん)奄閭(いぬよもぎ)軒于(むらちどり)が生えている。

眾物居之,不可勝圖。

様々な植物が繁茂しており、とてもすべてを描きつくすことはできない。

其西則有湧泉清池,激水推移。

さて、西の一帯には、湧き水が清らかな池となり、激しく波だって流れてゆく。

外發夫容菱華,隱鉅石白沙。

その水面には、蓮や菱が花を開き、その底には、大きな山や白い砂が沈んでいる。

 (9)#4-2

其の卑【ひしつ】には則ち藏莨【ぞうろう】蒹葭【けんか】,東【とうしょう】彫胡,蓮藕【れんごう】觚蘆【ころ】,奄閭【えんろ】軒于【けんう】を生いたり。

眾物【しゅうぶつ】之に居り,勝【まさ】に圖【えが】く可からず。

其の西には則ち湧泉【ゆうせん】清池有りて,激水 推し移る。

外には夫容【ふよう】菱華【りょか】をっしには鉅石【きょせき】白沙を隱【かく】せり

 

(10)#4-3

其中則有神龜蛟鼉,玳瑁鼈黿。

水中に棲むのは、霊力ある亀とか、蛙・竃・塙環・簡・鹿である。

其北則有陰林巨樹,楩楠豫章,桂椒木蘭,

檗離朱楊,樝梨栗,橘柚芬芳。

北の一帯には、暗い林が広がり、・相・豫章など以上全て楠の類、桂(もくせい)・椒(さんしょう)・木蘭・檗(きはだ)・離(やまなし)・朱い楊(やなぎ)・樝(こぼけ)・梨・(さるがき)・栗が生え、橘や柚子が香りを放っている。

其上則有宛雛孔鸞,騰遠射干。

その樹樹の上では、宛雛・孔雀・鸞、猿・射干等の鳥獣が飛び回り、

其下則有白虎玄豹,蜒貙豻。」

その下には、白虎・黒豹・が徘徊している。

 (10)#4-3

其の中には則ち神龜蛟鼉【こうだ】,玳瑁【たいまい】鼈黿【べっけん】有り。

其の北には則ち陰林巨樹有りて,楩楠【べんなん】豫章【よしょう】,桂椒【けいしょう】木蘭,

檗離【はくり】朱楊【しゅよう】,樝梨【さり】栗【えいりつ】,橘柚【きつゆう】芬芳【ふんぽう】たり。

其の上には則ち宛雛【えんすう】孔鸞【こうらん】,騰遠【とうえん】射干【やかん】有り。

其の下には則ち白虎玄豹【げんぴょう】,蜒【まんえん】貙豻【ちゆかん】有り。」

 Nature1-011

 

 

『子虛賦』 現代語訳と訳註

(本文) (10)#4-3

其中則有神龜蛟鼉,玳瑁鼈黿。

其北則有陰林巨樹,楩楠豫章,桂椒木蘭,

檗離朱楊,樝梨栗,橘柚芬芳。

其上則有宛雛孔鸞,騰遠射干。

其下則有白虎玄豹,蜒貙豻。」

 

 

(下し文) (10)#4-3

其の中には則ち神龜蛟鼉【こうだ】,玳瑁【たいまい】鼈黿【べっけん】有り。

其の北には則ち陰林巨樹有りて,楩楠【べんなん】豫章【よしょう】,桂椒【けいしょう】木蘭,

檗離【はくり】朱楊【しゅよう】,樝梨【さり】栗【えいりつ】,橘柚【きつゆう】芬芳【ふんぽう】たり。

其の上には則ち宛雛【えんすう】孔鸞【こうらん】,騰遠【とうえん】射干【やかん】有り。

其の下には則ち白虎玄豹【げんぴょう】,蜒【まんえん】貙豻【ちゆかん】有り。」

 

 

 

(現代語訳)

水中に棲むのは、霊力ある亀とか、蛙・竃・塙環・簡・鹿である。

北の一帯には、暗い林が広がり、・相・豫章など以上全て楠の類、桂(もくせい)・椒(さんしょう)・木蘭・檗(きはだ)・離(やまなし)・朱い楊(やなぎ)・樝(こぼけ)・梨・(さるがき)・栗が生え、橘や柚子が香りを放っている。

その樹樹の上では、宛雛・孔雀・鸞、猿・射干等の鳥獣が飛び回り、

その下には、白虎・黒豹・が徘徊している。

 

 

(訳注) (10)#4-3

其中則有神龜蛟鼉,玳瑁鼈黿。

水中に棲むのは、霊力ある亀とか、蛙・竃・塙環・簡・鹿である。

 

其北則有陰林巨樹,楩楠豫章,桂椒木蘭,檗離朱楊,樝梨栗,橘柚芬芳。

北の一帯には、暗い林が広がり、・相・豫章など以上全て楠の類、桂(もくせい)・椒(さんしょう)・木蘭・檗(きはだ)・離(やまなし)・朱い楊(やなぎ)・樝(こぼけ)・梨・(さるがき)・栗が生え、橘や柚子が香りを放っている。

 

其上則有宛雛孔鸞,騰遠射干。

その樹樹の上では、宛雛・孔雀・鸞、猿・射干等の鳥獣が飛び回り、

・宛雛 荘子:南方に宛雛(鳳凰のような鳥)という名の鳥がいて、南海から北海に飛ぶ時、こんなに遥かな道のりであるのに、アオギリの木でなければ休まず、竹の実でなければ食べず、甘泉でなければ飲まないそうです。

・射干 「やかん」と読む場合ヒオウギ(檜扇)という植物の漢名(本来の用法)。または、ヒオウギの根の生薬名。

 

其下則有白虎玄豹,蜒貙豻。」

その下には、白虎・黒豹・が徘徊している。

蜒 こおろぎ。すずむし。

 古代、揚子江と漢水の一帯に分散して居住した部族。世人の言い伝えによると貙人は虎に化けることができた。

 中国北方に産する野犬、小形で口や鼻が黒くキツネ(狐)に似ているという
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