司馬相如 《上林賦 》(6音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

 

2013年10月8日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦 》(6#2-4 文選 賦<110-#2-49分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩911 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3103

 

 

 

(3)#2-1

「且夫齊楚之事又烏足道乎!

それに、斉や楚の事物など、論ずるに値するものでもあるまい。

君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?

あなた方は、あの壮大な、天子の狩り場たる上林苑のことを、見聞きしたことがないのだろうか。

左蒼梧,右西極,

上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、

丹水更其南,紫淵徑其北。

丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。

終始灞滻,出入涇渭;

㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。

酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其

酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

 

(3)#2-1

「且つ夫れ齊楚の事 又烏【いず】くんぞ道うに足らんや!

君未だ夫れ巨麗を覩ざるや,獨り天子の上林を聞かずや?

蒼梧を左にし,西極を右にせり。

丹水 其の南を更て,紫淵 其の北に徑れり。

灞滻【はさん】を終始し,涇渭【けいい】を出入す;

酆鎬【ほうこう】潦潏【ろうけつ】,紆餘【うよ】委蛇【いい】として,乎其の經營す

 

(4)#2-2

蕩蕩乎八川分流,相背而異態,

これらの八つの滔滔たる流れは、一互いに離れ、様子も異なる。

東西南北,馳騖往來;

東西に、南北に、激しく流れて往来している。

出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;

椒丘の谷間はもんをつうかするようなところから出るようで、中州も多くあり、淵と岸辺に行きつく。

經乎桂林之中,過乎泱漭之野。

桂林の中を過って、果てしなく広々とした野原を横切る。

汨乎混流,順阿而下。

急流は溢れ流れ、山ひだに沿って下っていく。

 (4)#2-2

蕩蕩【とうとう】乎【こ】たる八川分かれ流れて,相い背いて態をに異す,

東西 南北,馳騖【ちぶ】往來す。

椒丘【しょうきゅう】の闕より出でて,洲淤【しゅうよ】の浦に行く。

桂林の中を經【わた】り,泱漭【おうもう】の野に過ぐ。

汨乎【いつこ】として混流し,阿【くま】に順いて下る。

 

 

(5)#2-3

赴隘陜之口,觸穹石。

岸が両側から迫った所をぬけ、巨石に当たり、

激堆埼、怫乎暴怒,洶涌滂湃;

砂燐にぶつかる。沸きたち、怒り狂い、水ははね上がってあふれ、

滭弗汨,偪側泌

沸きかえって流れ、押し合い、ぶつかり合う。

橫流逆折,轉騰滂濞沆

脇に流れ、逆さに流れ、転倒して激突する。勢いよく揺れ動く。

穹隆雲橈,宛潬膠戾,

大きく高くうねり、渦をまき、斜めに落ちる。

踰波趨浥,蒞蒞下瀨;

はね上がった波は淵に流れこみ、チョロチョロと浅瀬にそそぐ。

批巖衝擁,犇揚滯沛;

岩頭を撃ち、入り江に当たり、勢いよく流れる。

臨坻注壑,瀺霣墜;

島にぶつかり、谷に流れこみ、サラサラと落ちて行く。

 

(5)#2-3

隘陜【あいきょう】の口に赴き,穹石に觸れ,堆埼【たいき】に激【そそ】ぐ。

怫乎【ふつこ】暴怒【ぼうど】し,洶涌【きょうよう】滂湃【ほうはい】たり。

滭弗【ひつふつ】【ひつこつ】として,偪側【ひつそく】【ひつしつ】たり。

【よこしま】に流れ逆【さかしま】に折れ,轉騰して【べつれつ】たり

滂濞【ほうひ】【こうがい】として、穹隆【きゅうりゅう】雲橈【うんとう】として,宛潬【えんぜん】膠戾【こうれい】たり。

踰波【ゆは】【ふち】に【おもむ】き,蒞蒞【りり】瀨に下る。

巖を批【う】ち【くま】を,犇揚【ほんよう】滯沛【ていはい】として

【しま】に壑に注ぎ,瀺【ざんしゃく】として霣墜【いんつい】す。

 

 

 (6)#2-4

沉沉隱隱,砰磅訇磕;

深く深く豊かに水をたたえ、ゴウゴウと音をたて、

潏潏淈淈,潗鼎沸;

こんこんと湧き起こり、鼎の中で煮え立っているようだ。

馳波跳沫,汨漂疾;

波をあげ、しぶきを飛ばし、激しい勢いで流れ、遠くへ流れて行ってしまう。

悠遠長懷,寂漻無聲,肆乎永歸。

音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。

然後灝潢漾,安翔徐徊,

こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、

翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

 

(6)#2-4

沉沉【ちんちん】隱隱,砰磅【ほうほう】訇磕【こうかい】たり。

潏潏【けつけつ】淈淈【こつこつ】として,潗【とうしゅう】として鼎のごとく沸く。

波を馳せ沫【しぶき】を跳ばし,汨【いつきゅう】として漂【うか】び疾【と】く。

悠遠【ゆうえん】として長く懷【かえ】り,寂漻【せきりょう】として聲無く,肆乎【しこ】として永く歸る。

然る後に灝【こうよう】潢漾【こうよう】,安【しず】かに翔【めぐ】り徐【しず】かに徊【めぐ】る,

翯乎【かくこ】滈滈【こうこう】として,東のかた太湖に注いで,陂池【ひち】に衍溢【えんいつ】す。

 長安付近図00

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (6)#2-4

沉沉隱隱,砰磅訇磕;

潏潏淈淈,潗鼎沸;

馳波跳沫,汨漂疾;

悠遠長懷,寂漻無聲,肆乎永歸。

然後灝潢漾,安翔徐徊,

翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

 

 

(下し文) (6)#2-4

沉沉【ちんちん】隱隱,砰磅【ほうほう】訇磕【こうかい】たり。

潏潏【けつけつ】淈淈【こつこつ】として,潗【とうしゅう】として鼎のごとく沸く。

波を馳せ沫【しぶき】を跳ばし,汨【いつきゅう】として漂【うか】び疾【と】く。

悠遠【ゆうえん】として長く懷【かえ】り,寂漻【せきりょう】として聲無く,肆乎【しこ】として永く歸る。

然る後に灝【こうよう】潢漾【こうよう】,安【しず】かに翔【めぐ】り徐【しず】かに徊【めぐ】る,

翯乎【かくこ】滈滈【こうこう】として,東のかた太湖に注いで,陂池【ひち】に衍溢【えんいつ】す。

 

 

(現代語訳)

深く深く豊かに水をたたえ、ゴウゴウと音をたて、

こんこんと湧き起こり、鼎の中で煮え立っているようだ。

波をあげ、しぶきを飛ばし、激しい勢いで流れ、遠くへ流れて行ってしまう。

音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。

こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、

白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

 

 

(訳注)(6)#2-4

沉沉隱隱,砰磅訇磕;

深く深く豊かに水をたたえ、ゴウゴウと音をたて、

・訇磕 大きな音や声の形容。

 

潏潏淈淈,潗鼎沸;

こんこんと湧き起こり、鼎の中で煮え立っているようだ。

潗 中に集まるように動く。

 

馳波跳沫,汨漂疾;悠遠長懷。

波をあげ、しぶきを飛ばし、激しい勢いで流れ、遠くへ流れて行ってしまう。

 

寂漻無聲,肆乎永歸。

音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。

・寂漻 ひっそりとした状態。

 

然後灝潢漾,安翔徐徊,

こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、

・灝潢漾 勢いの弱まった川の流れのことをいう。

 

翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

太湖 太湖は、中華人民共和国の江蘇省南部と浙江省北部の境界にある大きな湖である。その景観の美しさで知られ、中国政府の国家重点風景名勝区に指定されている。 太湖は長江デルタに位置する。大運河ともつながり、多くの中小の河川が流れ込み、またここから蘇州を流れる蘇州河や上海を流れる黄浦江などの河川が発している。 
2巡行秦始皇帝