司馬相如 《上林賦 》(21この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

 

2013年10月23日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦

》(21)#8-1 文選 賦<110-8113分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩926 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3178

 

 

21)#8-1 

「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,

この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。

豰蛫,棲息乎其間。

漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

長嘯哀鳴,翩幡互經,

長く声をひいて、悲しげに鳴き、幡が翻るように身軽に飛び回ってすれちがっている。

夭蟜枝格,偃蹇杪顛。

枝の間や梢の先で、きままに体を屈伸させ、猿歩行したかと思うとこぬれで転車をする。

22)#8-2 

梁,騰殊榛;

捷垂條,掉希間。

牢落陸離,爛漫遠遷。

若此輩者,數百千處。

遊往來,宮宿館舍;

庖廚不徙,後宮不移,百官備具。

21)#8-1 

「是に於てか 玄猿【げんえん】素雌【そし】,蜼玃【いかく】飛𧕫【ひるい】,蛭蜩【てつちょう】蠼猱【かくどう】,

【ざんこ】豰蛫【こくき】,其の間に棲息す。

長く嘯【うそぶ】き哀しみ鳴いて,翩幡【へんぱん】として互いに經。

枝格【しかく】に夭蟜【ようきょう】し,杪顛【びょうてん】に偃蹇【えんけん】す

22)#8-2 

梁を隃【こ】え,殊榛【しゅしん】に【のぼ】り。

垂條【すいじょう】を【と】り,希間に掉【つ】く

牢落 陸離として,爛漫 遠く遷る。

此の若き輩者,數百 千處あり。

【ごゆう】往來して,宮に宿り館に舍【やど】る。

庖廚【ほうちゅう】【うつ】さず,後宮 移らず,百官備わり具【そな】われり

 nat0022

 

『上林賦』(21) 現代語訳と訳註

(本文) 21)#8-1 

「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,

豰蛫,棲息乎其間。

長嘯哀鳴,翩幡互經,

夭蟜枝格,偃蹇杪顛。

 

 

(下し文) 21)#8-1 

「是に於てか 玄猿【げんえん】素雌【そし】,蜼玃【いかく】飛𧕫【ひるい】,蛭蜩【てつちょう】蠼猱【かくどう】,

【ざんこ】豰蛫【こくき】,其の間に棲息す。

長く嘯【うそぶ】き哀しみ鳴いて,翩幡【へんぱん】として互いに經。

枝格【しかく】に夭蟜【ようきょう】し,杪顛【びょうてん】に偃蹇【えんけん】す

 

 

(現代語訳)

この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。

漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

長く声をひいて、悲しげに鳴き、幡が翻るように身軽に飛び回ってすれちがっている。

枝の間や梢の先で、きままに体を屈伸させ、猿歩行したかと思うとこぬれで転車をする。

 

 

(訳注) 21)#8-1 

「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,

この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。

○蛭蜩蠼猱 蛭について、『山海経』「大荒北経」の「蜚蜼有り、四巽」を引くが、詳細は不明。同じく「東山経」には「龍姪【りゅうてつ】なる獣が見え、其の状狐の如くして九首九尾、虎爪あり」ともいう。蜩について、蝉(せみ)と解するが、内容にそぐわない。『史記索隠』に引く『神異経』に「西方の深山に獣有り、毛色猴の如く、能く高木に縁る。其の名を蜩という。蠼猱は、獮猴に似て黄色いもの。この(21)句、段は猿について言うもの。

 

豰蛫,棲息乎其間。

漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

豰蛫 胡は獮猴に似て、頭上に髦があり、腰から後ろが黒い。穀は鼬に似て大きく、腰から後ろが黄色で、獮猴を食べる。

 

長嘯哀鳴,翩幡互經,

長く声をひいて、悲しげに鳴き、幡が翻るように身軽に飛び回ってすれちがっている。

○幡(ばん/はた・旛)とは、布などを材料として高く掲げて目印や装飾とした道具のことで仏教祭祀の場で用いられた。

 

夭蟜枝格,偃蹇杪顛。

枝の間や梢の先で、きままに体を屈伸させ、猿歩行したかと思うとこぬれで転車をする。

夭蟜 猿などがきままに屈伸する形容の畳韻語。

○偃蹇 天婿と双声の関係にある畳韻語で、猿歩行のこと。

 木の幹や枝の先。木の先端。木末(こぬれ)
渓谷003