司馬相如《上林賦 (24) 車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

 

2013年10月26日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如《上林賦

(24)―#92  文選 賦<110-9213分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩929 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3193

 

 

(23)―#91 

「於是乎背秋涉冬,天子校獵。

さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。

乘鏤象,六玉虯,

天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、

拖蜺旌,靡雲旗;

虹の旗や雲の旗をなびかせている。

前皮軒,後道游。

行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

孫叔奉轡,衛公參乘;

天子の車では、公孫賀が中央で手綱をとり、衛青が右に陪乗している。

扈從橫行,出乎四校之中。

群れ従う兵士たちは、きままに動き回り、四方にめぐらせた柵からはみ出している。

鼓嚴簿,縱獵者;

おごそかな行列の中で合図の太鼓が打ち鳴らされ、狩猟の参加者を出動させる。

江江為阹,泰山為櫓。

この広大な狩り場は、黄河・長江が柵となり、泰山が物見櫓となっている。

 

「是に於てか秋に背きて冬を涉り,天子校獵【こうりょう】す。

鏤象【ろうしょう】に乘り,玉虯【ぎょくきゅう】を六にし,

蜺旌【げいせい】拖【ひ】き,雲旗を靡【なび】かせ、

皮軒を前にし,道游を後【しりえ】にす。

孫叔【そんしゅく】轡を奉じ,衛公【えいこう】參乘【さんじょう】す。

扈從【こじゅう】橫行して,乎四校の中より出づ。

嚴簿【げんぼ】に鼓みうちて,縱獵者【りょうしゃ】を【はな】つ。

江江 阹【さえ】と為し,泰山 櫓と為す。

 

 (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地;

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

先後陸離,離散別追,

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

淫淫裔裔、緣陵流澤,雲布雨施。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

生貔豹,搏豺狼;

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、豺や狼を打ち倒し、

手熊羆,足野羊。

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

蒙鶡蘇,絝白虎;

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

被班文,跨野馬。

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。

車騎 雷【いかづち】のごとくに起きて,殷天に【さか】り地を動【ゆる】がす。

先後 陸離として,離散して別れ追う。

淫淫裔裔として、陵に緣り澤に流れ,雲のごとく布き雨のごとくに施す。

貔豹【ひひょう】を生けどり,豺狼【さいろう】を搏ち、

熊羆【ゆうひ】を手もとり,野羊を足もてふむ。

鶡蘇【かつそ】を蒙【こうむ】り,白虎を絝【はかま】にし、

班文を被り,野馬に跨る。

 

(25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

徑峻赴險,越壑厲水。

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

箭不苟害,解脰陷腦;

弓不虛發,應聲而倒。

終南山04 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地

先後陸離,離散別追

淫淫裔裔;緣陵流澤,雲布雨施。

生貔豹,搏豺狼

手熊羆,足野羊。

蒙鶡蘇,絝白虎

被班文,跨野馬。

 

 

(下し文) (24)―#92 

車騎 雷【いかづち】のごとくに起きて,殷天に【さか】り地を動【ゆる】がす。

先後 陸離として,離散して別れ追う。

淫淫裔裔として、陵に緣り澤に流れ,雲のごとく布き雨のごとくに施す。

貔豹【ひひょう】を生けどり,豺狼【さいろう】を搏ち、

熊羆【ゆうひ】を手もとり,野羊を足もてふむ。

鶡蘇【かつそ】を蒙【こうむ】り,白虎を絝【はかま】にし、

班文を被り,野馬に跨る。

 

 

(現代語訳)

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、豺や狼を打ち倒し、

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。

 

sunrise002 

(訳注) (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

 

先後陸離,離散別追。

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

 

淫淫裔裔;緣陵流澤,雲布雨施。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

・淫淫 淫:度が過ぎる。度を過ごして熱中する。

・裔裔 裔:1 遠い子孫。「後裔・神裔・苗裔・末裔・余裔」2 遠い辺境。

 

生貔豹,搏豺狼、

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、極悪非道の豺や狼を打ち倒し、

・貔 (1) 中国伝説上の熊に似た虎豹.(2)勇猛な軍隊.

・豺 やまいぬ獣の名。アカオオカミ。転じて、非道・非情の悪人のたとえ。「豺狼(さいろう)

 

手熊羆,足野羊。

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

・羆 ヒグマとは、クマ科の哺乳類。体長約2メートル。体色は灰褐色・赤褐色・黒褐色と変化に富む。性質は荒い。冬は穴で冬眠する。日本では北海道にエゾヒグマがすむ。

 

蒙鶡蘇,絝白虎、

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

○鶡蘇 鶡は雉に似た鳥で、闘って死んでもしりぞかない。そこで、その蘇(尾の羽根)を帽子にして冠る。

 上林苑01

被班文,跨野馬。

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。