司馬相如 《上林賦 (25) 三嵕山のような三峰の険しい山を越え、ごつごつした坂を下って行き、高く険しい峰を横切り、激しい水の流れの谷川を渡って行く。怪獣の飛廉を打ち殺し、獬豸を翻弄し、獼猴のような蝦蛤を組みふせて、猛氏を鋋(小矛)で刺し、騕褭を搦めとり、大いのししを射とめる。 

 

2013年10月27日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦

(25)―#93  文選 賦<110-9313分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩930 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3198

 

 

(23)―#91 

「於是乎背秋涉冬,天子校獵。

さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。

乘鏤象,六玉虯,

天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、

拖蜺旌,靡雲旗;

虹の旗や雲の旗をなびかせている。

前皮軒,後道游。

行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

孫叔奉轡,衛公參乘;

天子の車では、公孫賀が中央で手綱をとり、衛青が右に陪乗している。

扈從橫行,出乎四校之中。

群れ従う兵士たちは、きままに動き回り、四方にめぐらせた柵からはみ出している。

鼓嚴簿,縱獵者;

おごそかな行列の中で合図の太鼓が打ち鳴らされ、狩猟の参加者を出動させる。

江江為阹,泰山為櫓。

この広大な狩り場は、黄河・長江が柵となり、泰山が物見櫓となっている。

「是に於てか秋に背きて冬を涉り,天子校獵【こうりょう】す。

鏤象【ろうしょう】に乘り,玉虯【ぎょくきゅう】を六にし,

蜺旌【げいせい】拖【ひ】き,雲旗を靡【なび】かせ、

皮軒を前にし,道游を後【しりえ】にす。

孫叔【そんしゅく】轡を奉じ,衛公【えいこう】參乘【さんじょう】す。

扈從【こじゅう】橫行して,乎四校の中より出づ。

嚴簿【げんぼ】に鼓みうちて,縱獵者【りょうしゃ】を【はな】つ。

江江 阹【さえ】と為し,泰山 櫓と為す。

 

 (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地;

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

先後陸離,離散別追,

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

淫淫裔裔、緣陵流澤,雲布雨施。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

生貔豹,搏豺狼;

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、豺や狼を打ち倒し、

手熊羆,足野羊。

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

蒙鶡蘇,絝白虎;

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

被班文,跨野馬。

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。

車騎 雷【いかづち】のごとくに起きて,殷天に【さか】り地を動【ゆる】がす。

先後 陸離として,離散して別れ追う。

淫淫裔裔として、陵に緣り澤に流れ,雲のごとく布き雨のごとくに施す。

貔豹【ひひょう】を生けどり,豺狼【さいろう】を搏ち、

熊羆【ゆうひ】を手もとり,野羊を足もてふむ。

鶡蘇【かつそ】を蒙【こうむ】り,白虎を絝【はかま】にし、

班文を被り,野馬に跨る。

 

(25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

三嵕山のような三峰の険しい山を越え、ごつごつした坂を下って行き、

徑峻赴險,越壑厲水。

高く険しい峰を横切り、激しい水の流れの谷川を渡って行く。

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

怪獣の飛廉を打ち殺し、獬豸を翻弄し、獼猴のような蝦蛤を組みふせて、

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

猛氏を鋋(小矛)で刺し、騕褭を搦めとり、大いのししを射とめる。 

箭不苟害,解脰陷腦;

彼らの放つ矢は、獲物を傷つけるだけということはなく、必ず首筋を断ち、頭に突き刺さる。

弓不虛發,應聲而倒。

彼らが弓を射れば、必ず命中し、弦の昔に合わせて、獲物が倒れるのだ。

三嵕【さんそう】の危に陵【のぼ】り,磧歷【せきれき】の坻【さか】を下る。

峻なる徑り 險しきに赴き,壑を越え 厲【はげ】しき水をわたる。

飛廉を推【う】ち,獬豸【かいち】弄び 蝦蛤【かこう】を格【う】ち,

鋋猛氏【もうし】を【ほこ】でもって、騕褭【ようじょう】を羂【ほだ】し,封豕【ほうし】を射る。

【や】 【かりそめ】にも害せず,脰【うなじ】を解き 腦【なづき】を【おととし】いる。

弓 虛【むなし】く【はな】たず,聲に應じて倒る。


長安付近図00上林苑01 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

徑峻赴險,越壑厲水。

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

箭不苟害,解脰陷腦;

弓不虛發,應聲而倒。

 

 

 

(下し文) (25)―#93 

三嵕【さんそう】の危に陵【のぼ】り,磧歷【せきれき】の坻【さか】を下る。

峻なる徑り 險しきに赴き,壑を越え 厲【はげ】しき水をわたる。

飛廉を推【う】ち,獬豸【かいち】弄び 蝦蛤【かこう】を格【う】ち,

鋋猛氏【もうし】を【ほこ】でもって、騕褭【ようじょう】を羂【ほだ】し,封豕【ほうし】を射る。

【や】 【かりそめ】にも害せず,脰【うなじ】を解き 腦【なづき】を【おととし】いる。

弓 虛【むなし】く【はな】たず,聲に應じて倒る。

 

 

 

(現代語訳)

三嵕山のような三峰の険しい山を越え、ごつごつした坂を下って行き、

高く険しい峰を横切り、激しい水の流れの谷川を渡って行く。

怪獣の飛廉を打ち殺し、獬豸を翻弄し、獼猴のような蝦蛤を組みふせて、

猛氏を鋋(小矛)で刺し、騕褭を搦めとり、大いのししを射とめる。 

彼らの放つ矢は、獲物を傷つけるだけということはなく、必ず首筋を断ち、頭に突き刺さる。

彼らが弓を射れば、必ず命中し、弦の昔に合わせて、獲物が倒れるのだ。

 

 

(訳注) (25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

三嵕山のような三峰の険しい山を越え、ごつごつした坂を下って行き、

〇三嵕 三嵕は三聚の山(峯が三つ並んだ山) で、聞喜県(山西省間喜)の山名に類似したもの。。

○磧歷 小石が多くて平らでない形容の畳韻語。

 

徑峻赴險,越壑厲水。

高く険しい峰を横切り、激しい水の流れの谷川を渡って行く。

○厲水 激しい水の流れ。厲:(1) 厳格な,厳しい.(2) 厳粛な,いかめしい.(3) 激しい,猛々しい.(4)耐え難い,激しい,

 

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

怪獣の飛廉を打ち殺し、獬豸を翻弄し、獼猴のような蝦蛤を組みふせて、

○飛廉 怪獣の名。郭嘆によれば、龍雀のことで、鳥身鹿頭という。

○獬豸 鹿に似て一角で、人君の刑罰が公平であると、この獣が朝廷に生じ、不正な者につきかかるという。

○蝦蛤 『博物志』に「蜀山の南の」向山の上に物有り、獼猴の如く、長(たけ)七尺、能く人行し健走す。名を蝦獲という」とあるものだろうという。

 

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

猛氏を鋋(小矛)で刺し、騕褭を搦めとり、大いのししを射とめる。 

○猛氏 「蜀中に獣有り、状熊の如くして小さく、毛浅くして光沢有り。猛氏と名づく」という。『山海経』「西山経」の猛豹のことで、「能く蛇を食らひ、銅鉄を食らふ」とある。

騕褭 金の鬣、赤色で、一日に万里を行く馬。

○封 大いのしし。

 

箭不苟害,解脰陷腦。

彼らの放つ矢は、獲物を傷つけるだけということはなく、必ず首筋を断ち、頭に突き刺さる。

○箭 古代の矢。1 武器・狩猟具の一。弓の弦(つる)につがえ、距離を隔てた目的物を射るもの。木または竹で作った棒状のもので、一方の端に羽をつけ、他方の端に鏃(やじり)をつける。「―をつがえる」2 木材や石など、かたいもの。

○苟 1 仮にも。かりそめにも。2 もしも。万一。3.いいかげんに

○脰 うなじ(項・脰)とは首の後ろ部分を指す。襟首(えりくび)・首筋・うなぜ、とも言う。脰は偏に月、旁に豆の字。うなじの中央のくぼみを「盆の窪(ぼんのくぼ)」という

 

弓不虛發,應聲而倒。

彼らが弓を射れば、必ず命中し、弦の昔に合わせて、獲物が倒れるのだ。