班固《西都賦》(3) 漢の西都は薙州にあり、これを長安と名づける。東のかたは、函谷と二崤の要害に護られ、太華・終南の山々は都の目標となる。西のかたは、褒斜・隴首の険が自然の境界となり、黄河・淫水・澗水の川が都を帯のようにとりまく。


2013年11月23日  の紀頌之5つのブログ
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班孟堅(班固)《西都賦》(3)2-1 文選 賦<112318分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩957 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3333

 

 

(3)2-1

漢之西都,在於雍州,寔曰長安。

(天命の西都) 漢の西都は薙州にあり、これを長安と名づける。

左據函谷二崤之阻,表以太華終南之山。

東のかたは、函谷と二崤の要害に護られ、太華・終南の山々は都の目標となる。

右界褒斜隴首之險,帶以洪河涇渭之川。

西のかたは、褒斜・隴首の険が自然の境界となり、黄河・淫水・澗水の川が都を帯のようにとりまく。

眾流之隈,汧涌其西。

かすかずの流れは湾曲し、その西に汧水の川が、大地よりふき出して流れる。

 (4)2-2

華實之毛,則九州之上腴焉;

防禦之阻,則天地之隩區焉。

是故橫被六合,三成帝畿。

周以龍興,秦以虎視。

(5)2-3

及至大漢受命而都之也,

仰悟東井之精,俯協河圖之靈。

奉春建策,留侯演成。

天人合應,以發皇明。

乃眷西顧,寔惟作京。

(6)2-4

於是睎秦嶺,北阜。

挾灃灞,據龍首。

圖皇基於億載,度宏規而大起。

肇自高而終平,世增飾以崇麗。

歷十二之延祚,故窮泰而極侈。

 

 

『西都賦』 現代語訳と訳註

(本文) (3)2-1

漢之西都,在於雍州,寔曰長安。

左據函谷二崤之阻,表以太華終南之山。

右界褒斜隴首之險,帶以洪河涇渭之川。

眾流之隈,汧涌其西。

 

(下し文) (3)2-1

漢の西都は,雍州に在り,寔れを長安と曰う。

左は函谷二崤【にこう】の阻に據り,表にする太華・終南の山を以ってす。

右は褒斜【ほうや】隴首の險に界にし,帶【めぐ】らせに洪河・涇・渭の川を以ってす。

眾流【しゅうりゅう】の隈,汧【けん】其の西に涌く。

 

(現代語訳)

(天命の西都) 漢の西都は薙州にあり、これを長安と名づける。

東のかたは、函谷と二崤の要害に護られ、太華・終南の山々は都の目標となる。

西のかたは、褒斜・隴首の険が自然の境界となり、黄河・淫水・澗水の川が都を帯のようにとりまく。

かすかずの流れは湾曲し、その西に汧水の川が、大地よりふき出して流れる。

長安付近図00 

 

(訳注) (3)2-1

西都賦  (3)2-1

西都長安の客が、東都の主人の求めに応じて、西都の地の利、建築を始めとする豪華な数々の物質文明、豊富な産物、豪傑的人物の輩出、世界最強の軍隊、狩猟、都邑の繁栄、そしてこれを統率する天子の偉大で神のごとき姿を説いて聞かせる。その心は、西都を無視するな、東都はそまつで内部の比でないと説得するにあった。その3回目

 

漢之西都,在於雍州,寔曰長安。

(天命の西都) 漢の西都は薙州にあり、これを長安と名づける。

雍州 九州のうちの一つ。挟西省一帯。

○長安 今の西安の西北二十里(約三里)、渭水の南にある。

左據函谷二崤之阻,表以太華終南之山。

東のかたは、函谷と二崤の要害に護られ、太華・終南の山々は都の目標となる。

○左 東。

○函谷 河南省の北部、秦嶺山脈の東端にある峡谷の地。

二崤 函谷の山にある南峰と北嶋の二山の名。峰がけわしい。

○太華(華山)・終南 陝西省の南部を東西に走る秦嶺山脈の山岳の名。前者は華陰県の南、後者は長安の南にある。ともに高峰。

 

右界褒斜隴首之險,帶以洪河涇渭之川。

西のかたは、褒斜・隴首の険が自然の境界となり、黄河・淫水・澗水の川が都を帯のようにとりまく。

○右 西。

○褒斜 秦嶺山脈の西部(陝西)の峡谷で南口を褒、北口を斜という。漢の時四川(蜀)に通ずる交通路として完成。桟道になっている(『史記』の貨殖伝)。長さ四百七十里269km○隴首 山名。頂高山の意。陝西の西にあり、雍州の喉もとにあたる。

○洪河 大河黄河のこと。

○涇 涇水。長安北より、隴山山脈にそって、長安の北東で渭水に流入する川。

○渭 渭水。甘粛省より陝西に入り、秦嶺にそい東流し、北岸は洴水・涇水・洛水を、南岸は秦嶺から発する黒水・灃水・滻水・㶚水その他大小の河川衆流を集め、咸陽・長安を経て潼関で黄河に合流する。
Ta唐 長安近郊圖  新02 

眾流之隈,汧涌其西。

かすかずの流れは湾曲し、その西に汧水の川が、大地よりふき出して流れる。

○隈 水が陸地に入りこむところ。「衆流之隈、所涌其西」の句は、『後漢書』古抄本にない。前後の行文よりしても疑わしい(『文選』李注義疏)。

○汧水 鳳翔を流れる洴水。陝西の省境前山より流れ、渭水に合流する。文公(765‐前716)のときには,汧水(けんすい)と渭水が合流する付近に都を置いたが,勢力の拡大とともに春秋時代には平陽(陝西省岐山県南西),雍(よう)(陝西省鳳翔県南)に置かれた。