班固《西都賦》(23) ことに昭陽殿は盛大で、成帝の代にはますます栄えた。五色のあや模様の錦蹄でまいてつつみこみ、靑糸の組みひもが巻きつけてある。随侯の明月といわれる珠玉が、その中に入りまじる。轂鉄塾の黄金の環は、璧の帯のごとき横木を飾り、玉をふくみ、これを銭の行列さながらに連続させる。

2013年12月13日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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9(後宮の華麗)

(22)#9―1

後宮則有掖庭椒房,后妃之室。

(後宮の華麗) 後宮には、掖庭宮、椒房殿があり、ともに后妃のすまいである。

合歡增城,安處常寧。

それには、合歓殿・増城殿・安処殿・常寧殿があり、

茞若椒風,披香發越。

若殿・椒風殿・披香殿・発越殿とつづき、

蘭林蕙草,鴛鸞飛翔之列。

蘭林殿・蕙草殿・鴛鸞殿・飛翔殿の御殿がおしならぶのである。

 

(23)#9―2

昭陽特盛,隆乎孝成。

ことに昭陽殿は盛大で、成帝の代にはますます栄えた。

屋不呈材,牆不露形。

その棟梁の材木は木地をかくし、牆は形をむきださず、
裛以藻繡,絡以綸連。

五色のあや模様の錦蹄でまいてつつみこみ、靑糸の組みひもが巻きつけてある。
隨侯明月。錯落其間。

随侯の明月といわれる珠玉が、その中に入りまじる。

金釭銜璧,是為列錢。

轂鉄塾の黄金の環は、璧の帯のごとき横木を飾り、玉をふくみ、これを銭の行列さながらに連続させる。

 

(24)#9―3

翡翠火齊,流耀含英。

懸黎垂棘,夜光在焉。

於是玄墀釦砌,玉階彤庭。

礝磩綵緻,琳蒞青熒。

珊瑚碧樹,周阿而生。

 

(25)#9―4

紅羅颯纚,綺組繽紛。

精曜華燭,俯仰如神。

後宮之號,十有四位。

窈窕繁華,更盛迭貴。

處乎斯列者,蓋以百數。

 

 

『西都賦』 現代語訳と訳註

(本文) (23)#9―2

昭陽特盛,隆乎孝成。

屋不呈材,牆不露形。

裛以藻繡,絡以綸連。

隨侯明月。錯落其間。

金釭銜璧,是為列錢。

 

(下し文) (23)#9―2

昭陽 特に盛んにして,孝成に隆にす。

屋は材を呈【あらわ】にせず,牆【かきね】は形を露【あらわ】さず。

裛【つつ】むに藻繡【そうしゅう】以ってし,絡【まと】うに綸連【りんれん】を以ってす。

隨侯明月あり。其錯落す。

金釭璧【たま】を銜み,是れ列錢【れっせん】と為す。

 

 

(現代語訳)

ことに昭陽殿は盛大で、成帝の代にはますます栄えた。

その棟梁の材木は木地をかくし、牆は形をむきださず、
五色のあや模様の錦蹄でまいてつつみこみ、靑糸の組みひもが巻きつけてある。

随侯の明月といわれる珠玉が、その中に入りまじる。

轂鉄塾の黄金の環は、璧の帯のごとき横木を飾り、玉をふくみ、これを銭の行列さながらに連続させる。

漢長安図 

 

(訳注) (23)#9―2

昭陽特盛,隆乎孝成。

ことに昭陽殿は盛大で、成帝の代にはますます栄えた。

昭陽 殿の名。成帝の趙(飛燕)皇后の妹が、昭儀(女官の最高位。位は丞相に比し、爵は諸侯王に比す)となり、昭陽の殿舎にすむ。姉は飛燕といわれたが後に寵愛されなくなり、妹が愛された。趙飛燕(?‐前1)中国,前漢末の女性で,成帝の皇后。もと踊り子の出で,軽快な身のこなしが燕を思わせるところから飛燕と称された。成帝に見そめられて,妹とともに後宮に入り,帝の寵愛を一身に集めて栄華を誇った。哀帝が立つと皇太后となったが,帝の死とともに権勢を失墜して自殺した。彼女の故事を物語化した《飛燕外伝》1巻があり,漢の伶元(れいげん)の撰と称されるが,おそらく六朝人の創作であろう。

 

屋不呈材,牆不露形。

その棟梁の材木は木地をかくし、牆は形をむきださず、

 

裛以藻繡,絡以綸連。

五色のあや模様の錦蹄でまいてつつみこみ、靑糸の組みひもが巻きつけてある。

藻繍 美しいあや模様。藻は五色の糸。

綸連 青糸の綬(ひも)。

 

隨侯明月。錯落其間。

随侯の明月といわれる珠玉が、その中に入りまじる。

随侯明月 随侯の玉。姫姓の諸侯の二つである随侯が、大蛇の腸が傷ついているのを、薬をつけてなおしてやったところ、後に大きな珠(拍)を川の中からくわえてきて、その恩に報いた。これが明月の玉といわれる。これを夜光の珠という説があるが、班国はこの文によると夜光の玉は随侯の玉とは別の玉としている。

錯落 いりまじる。落も錯(まじる)各種の玉があちこちいりまじる。

 

金釭銜璧,是為列錢。

轂鉄塾の黄金の環は、璧の帯のごとき横木を飾り、玉をふくみ、これを銭の行列さながらに連続させる。

金鉦 車の轂(こしき)の中の鉄、『漢書』外戚伝の昭陽殿の条に「壁帯往往黄金釭を為し、藍田の璧を函み、明珠、翠羽もて之を飾る。」とある。壁帯は壁(牆)の中に横にわたした帯状の横木。両方の柱と柱との間にわたす。そこに講金の釭型の装飾がつけてある。釭はこしきの穴で、そこに軸を受ける。その穴の車に璧玉がはめてある。それが列銭すなわち串ざしの銭をならべた形になる。玉は円形でまん中は方形の孔のある璧玉であるから、銭の形と似ている。
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