班固《西都賦》(37) 都の飛廉館の門を左右に開いて出御され、上林苑の門内に入る。続いて周の文王の古都である酆と、武王の古都である鄗の地の外郭をまわり、上蘭観を通過する。全軍はそれとばかりに起ちあがって獲物を追えば、百獣は驚きうろたえる。ごろごろ、ぴかぴかと急雷が鳴り稲妻が激突するかのように震動する。草木は地にまみれ、山もくつがえれば淵もかたむく。獲物の十の二か三をふみにじってから、やっと昂奮をおさえてひと息つく。


2013年12月27日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(37)#14-3 文選 賦<112―37>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩991 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3503
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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229嶺南行(2)《食曲河驛》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <904>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3504韓愈詩-229 嶺南行(2)
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ732 《贈裴南部聞袁判官自來欲有按問〔草堂逸詩拾遺-(8)〕》 蜀中転々 杜甫 <639>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3505 杜甫詩1000-639-895/1500〔草堂逸詩拾遺-(8)〕
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor9 15-#2 離別難一首 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-392-9-15-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3507
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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班孟堅(班固)《西都賦》(37)143 文選 賦<1123718分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩991 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3503

 

 

(35)14(上林苑の狩猟)-1

「爾乃盛游之壯觀,奮泰武乎上囿。

(上林苑の狩猟) さて、壮観を極める遊猟を盛大に行って、上林苑で錬武にはげむ。

因茲以威戎夸狄,耀威靈而講武事。

これで西戎を威圧し北狄に誇示し、武技を訓練して威力を遠く四方に示す。

命荊州使起鳥,詔梁野而驅獸。

荊州の人に命じて鳥を飛びたたせ、梁野の人に詔げて獣を追い出させる。

毛群闐,飛羽上覆。

獣の群れは苑内にいっぱいになり、鳥の群れはその上空を覆う。

接翼側足,集禁林而屯聚。

翼をまじえ足をそばだて立錐の余地もなく、上林の禁苑に集まって一所に群がり集まる。

 (36)142

水衡虞人,修其營表。

神苑管理の水衛、虞人の役人が、狩人の隊伍を整える。

種別群分,部曲有署。

各部隊に分かれた各班に編成されて、部隊と班(曲)とにはそれぞれその長がいる。

罘網連紘,籠山絡野。

網はその紘を長々と張りまわし、山を包みこみ野をとりまいている。

列卒周匝,星羅雲布。

その周辺を勢子たちがぐるりと包囲して、星のごとく点々とつらなり、雲のごとく展開して待機する。

於是乘鑾輿,備法駕,帥群臣。

この時天子は御車に乗り、六頭立ての馬をしたて、群臣をひきいられている。

 (37) 143

披飛廉,入苑門。

都の飛廉館の門を左右に開いて出御され、上林苑の門内に入る。

遂繞酆鄗,歷上蘭。

続いて周の文王の古都である酆と、武王の古都である鄗の地の外郭をまわり、上蘭観を通過する。

六師發逐,百獸駭殫。

全軍はそれとばかりに起ちあがって獲物を追えば、百獣は驚きうろたえる。

震震爚爚,雷奔電激。

ごろごろ、ぴかぴかと急雷が鳴り稲妻が激突するかのように震動する。

草木塗地,山淵反覆。

草木は地にまみれ、山もくつがえれば淵もかたむく。

蹂躪其十二三,乃拗怒而少息。

獲物の十の二か三をふみにじってから、やっと昂奮をおさえてひと息つく。

 

「爾【しか】して乃ち游の壯觀を盛んにし,泰武【たいぶ】を上囿【じょうゆう】に【ふる】う

茲に因って以って戎を威【おど】し狄を夸【ほこ】り,威靈【いれい】を耀かして武事を講ず。

荊州に命じて鳥を起て使め,梁野【りょうや】に詔して獸を驅らしむ。

毛群 【み】ち,飛羽【ひう】上に覆う。

翼を接し足を側【そばだ】て,禁林に集りて屯聚【とんしゅう】す

(36)142

水衡【すいこう】虞人,其の營表を修む。

種別れ群分れて,部曲 署有り。

罘網【ふもう】【つな】を連ね,山を籠め野を絡【めぐ】る

列卒【れつそつ】周匝【しゅうそう】し,星のごとく羅【つらな】り雲のごとく布く。

是に於いて鑾輿【らんよ】に,法駕【ほうが】を,群臣を帥【ひき】いる

(37) 143

飛廉を披き,苑門に入る。

遂に酆鄗【ほうこう】を繞り,上蘭を歷る。

六師【りくし】發逐【はつちく】し,百獸駭殫【がいたん】す

震震 爚爚【やくやく】として,雷のごとく奔り 電【いなずま】のごとく激す。

草木 地に塗【まみ】れ,山淵【さんえん】反覆【はんぷく】す。

其の十二三を蹂躪【じゅうりん】し,乃ち怒りを拗【おさ】えて少【しばら】く息【いこ】う。

 

 

『西都賦』 現代語訳と訳註

(本文) (37) 143

披飛廉,入苑門。

遂繞酆鄗,歷上蘭。

六師發逐,百獸駭殫。

震震爚爚,雷奔電激。

草木塗地,山淵反覆。

蹂躪其十二三,乃拗怒而少息。

 

(下し文) (37) 143

飛廉を披き,苑門に入る。

遂に酆鄗【ほうこう】を繞り,上蘭を歷る。

六師【りくし】發逐【はつちく】し,百獸駭殫【がいたん】す

震震 爚爚【やくやく】として,雷のごとく奔り 電【いなずま】のごとく激す。

草木 地に塗【まみ】れ,山淵【さんえん】反覆【はんぷく】す。

其の十二三を蹂躪【じゅうりん】し,乃ち怒りを拗【おさ】えて少【しばら】く息【いこ】う。

 

(現代語訳)

都の飛廉館の門を左右に開いて出御され、上林苑の門内に入る。

続いて周の文王の古都である酆と、武王の古都である鄗の地の外郭をまわり、上蘭観を通過する。

全軍はそれとばかりに起ちあがって獲物を追えば、百獣は驚きうろたえる。

ごろごろ、ぴかぴかと急雷が鳴り稲妻が激突するかのように震動する。

草木は地にまみれ、山もくつがえれば淵もかたむく。

獲物の十の二か三をふみにじってから、やっと昂奮をおさえてひと息つく。

 

 

(訳注) (37) 143

披飛廉,入苑門。

都の飛廉館の門を左右に開いて出御され、上林苑の門内に入る。

飛廉 館の名、飛廉は「神禽、能く風気を致す者なり」(『漢書』武帝紀応邵注)。武帝の元封二年、武帝は飛廉館を置いた。音義によれば、飛廉は神禽(鳥)で、鹿のような頭を持ち、 杯の足のような角を生やし、蛇のような尾には豹のような模様がある。 明帝の永平五年(62)に長安から飛廉及び銅馬を迎え取り、上西門外に置いて平楽館と名付けた。

長安付近図00

遂繞酆鄗,歷上蘭。

続いて周の文王の古都である酆と、武王の古都である鄗の地の外郭をまわり、上蘭観を通過する。

酆鄗 酆()は、周の文王の都、京兆の杜陵(О)の西。鄗()は、武主の郡、同じく西南にあり。上林苑(陝西省長安県の西と鄂県との間)の中にある。

上蘭 観の名。上林苑中にある(『三輔黄図』)。「上蘭に校猟す」(『漢書』の元后伝)。

 

六師發逐,百獸駭殫。

全軍はそれとばかりに起ちあがって獲物を追えば、百獣は驚きうろたえる。

六師 周代の軍制で、天子の統率した6個の軍。一軍が12500人で、合計75000人の軍隊。六師(りくし)。。諸侯のうち大国は三軍、小国は一軍(『周礼』夏官の大司馬)。

 馬がきそい走ること。

駭殫 うろたえおそれる。

 

震震爚爚,雷奔電激。

ごろごろ、ぴかぴかと急雷が鳴り稲妻が激突するかのように震動する。

震震 雷の音のさま。

爚爚 電光のさま。

 

草木塗地,山淵反覆。

草木は地にまみれ、山もくつがえれば淵もかたむく。

 

蹂躪其十二三,乃拗怒而少息。

獲物の十の二か三をふみにじってから、やっと昂奮をおさえてひと息つく。

 一時おさえる。
終南山03 

 終南山の夕日函谷関長安地図座標005