班固《西都賦》(40) 獅子や豹をかきいだき、熊や螭を引きずりこむ。犀や犛牛を後にひっぱり、象や熊を引きよせる。深い谷をとびこえ、けわしい崖をのり越える。きり立つ岩の峰に足をかけると、巨石は崩れる。
 

2013年12月30日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《西都賦》(40)#15-3 文選 賦<112―40>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩994 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3518
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《瀧吏》嶺南行(4)-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <907>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3519韓愈詩-232
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ

735 《隨章留後新亭會送諸君〔草堂逸詩拾遺〕》 蜀中転々 杜甫 <642  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3520 杜甫詩1000-642-898/1500〔草堂逸詩拾遺-(11)

●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 239  《九辯 第七段》 宋玉 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3521 (12/30)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 9 18 喜遷鶯三首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-395-9-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3522
 
 ■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex
『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 李白全集 文選 花間集 古詩源 玉台新詠

 

班孟堅(班固)《西都賦》(40)15-3 文選 賦<1124018分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩994 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3518

 

 

(38)15(上林苑の狩猟ⅱ)-1

爾乃期門佽飛,列刃鑽鍭,要趹追蹤。

かくて、「期門」の勇士と古の名剣士「佽飛」の武官の両々が、刃をつらねヤサキをそろえて、後足をけって走り来る獲物を待ち伏せ、逃げるものは追いかける。

鳥驚觸絲,獸駭鋒。

鳥は驚いて網にひっかかり、獣はうろたえ鋒にあたる。

機不虛掎,弦不再控。

だから、石弓の仕掛けを引くも一発必中はずすわけにはいかないし、弓弦をしぼる場合も一発必中しなければいけないのだ。

矢不單殺,中必疊雙。

矢は一つの獲物を射とめるだけでなく、あたれば必ず二つをつらぬく。

颮颮紛紛,矰繳相纏。

びゅうびゅうと次々に飛んで矰繳がまといついてとらえる。

風毛雨血,灑野蔽天。

毛は風に舞いあがり血は雨となってふり、原野一面にそそぎ天をおおう。

 

(39)15-2

平原赤,勇士厲,

平原は赤く染まり、勇士はいきり立つ。

猿狖失木,豺狼懾竄。

黒手長大猿は木より落ち、狼はおそれおののき身をかくす。

爾乃移師趨險,並蹈潛穢。

かくて部隊を移し険阻な土地にそっと急がせて、深い草むらを列をなしてふみつけると、

窮虎奔突,狂兕觸蹶。

追いつめられた虎は飛ぶがごとく暴走突進し、狂った野牛はつまずきひっくりかえる。

許少施巧,秦成力折。

すばしこさで有名な古の許少のごときわざ師が、わざをかけてとりおさえる。

大力で有名な古の秦成のごとき力士が、力づくでとりひしぐ。

掎僄狡,扼猛噬。

すばしこい獣はその後足を引き倒し、威猛けだかにかみつく獣はその首をおさえこむ。

 

 

(40)15-3

角挫脰,徒搏獨殺。

角を抜き頭をくじき、素手でうちすえ、ひとりで殺してしまう。

挾師豹,拖熊螭。

獅子や豹をかきいだき、熊や螭を引きずりこむ。

曳犀犛,頓象羆。

犀や犛牛を後にひっぱり、象や熊を引きよせる

超洞壑,越峻崖。

深い谷をとびこえ、けわしい崖をのり越える。

蹶嶄巖,鉅石隤。

きり立つ岩の峰に足をかけると、巨石は崩れる。

松柏仆,叢林摧。

松柏は横倒しされ、やぶはひしがれる。

草木無餘,禽獸殄夷。

残る草木一つだになく、禽獣はあますところなく殺される。

 

(38)15(上林苑の狩猟ⅱ)-1

爾【しか】して乃ち期門【きもん】佽飛【じひ】,刃を列ね鍭【やさぎ】を鑽【あつ】め,趹【はし】るを要【むか】え蹤【にぎ】るを追う。

鳥は驚いて絲【あみ】に觸【ふ】れ,獸は駭【おどろ】いて【ほこ】に【あた】う

機は虛【むな】しく【ひ】かず,弦【ゆみづる】は再び控ず。

矢は單つを殺さず,中れば必ず雙を疊【かさ】ねる

颮颮【ばくばく】紛紛として,矰繳【そうしゃく】相い纏い。

風毛【ふうもう】雨血【うけつ】,野に灑【そそ】ぎ天に蔽う。

 

(39)15-2

平原赤くして,勇士厲【はげ】しく

猿狖【えんゆう】木を失い,豺狼【さいろう】は【おそ】れ【かく】れる

爾して乃ち師を移し險に趨【おもむ】き,潛穢【せんわい】を並び蹈めしむ。

窮虎【きゅうこ】奔り突き,狂兕【きょうじ】觸れ蹶【ふ】む

許少 巧を施し,秦成【しんせい】力をもって折【くじ】く

僄狡【ひょうこう】を【あしと】り,猛噬【もうぜい】を【くび】る

 

(40)15-3

角を【おと】し【うなじ】を【くじ】き,徒搏【とばく】して獨り殺す。

師豹【しひょう】を挾み,熊螭【ゆうち】を【ひ】く

犀犛【さいり】を,象羆【ぞうひ】を【ひ】く

洞壑【どうがく】を,峻崖を越える。

嶄巖【そがん】を【ふ】めば,鉅石【きょせき】【くず】れる

松柏 仆【たお】れ,叢林摧【くだ】ける

草木 餘り無く,禽獸【きんじゅう】【ことごと】く【ころ】さる

長安城の位置関係 

 

『西都賦』 現代語訳と訳註

(本文) (40)15-3

角挫脰,徒搏獨殺。

挾師豹,拖熊螭。

曳犀犛,頓象羆。

超洞壑,越峻崖。

蹶嶄巖,鉅石隤。

松柏仆,叢林摧。

草木無餘,禽獸殄夷。

 

(下し文) (40)15-3

角を【おと】し脰【うなじ】を挫【くじ】き,徒搏【とばく】して獨り殺す。

師豹【しひょう】を挾み,熊螭【ゆうち】を拖【ひ】く。

犀犛【さいり】を曳き,象羆【ぞうひ】を頓【ひ】く。

洞壑【どうがく】を超え,峻崖を越える。

嶄巖【そがん】を蹶【ふ】めば,鉅石【きょせき】隤【くず】れる。

松柏 仆【たお】れ,叢林摧【くだ】ける。

草木 餘り無く,禽獸【きんじゅう】殄【ことごと】く夷【ころ】さる。

 

(現代語訳)

角を抜き頭をくじき、素手でうちすえ、ひとりで殺してしまう。

獅子や豹をかきいだき、熊や螭を引きずりこむ。

犀や犛牛を後にひっぱり、象や熊を引きよせる

深い谷をとびこえ、けわしい崖をのり越える。

きり立つ岩の峰に足をかけると、巨石は崩れる。

松柏は横倒しされ、やぶはひしがれる。

残る草木一つだになく、禽獣はあますところなく殺される。

 

(訳注) (40)15-3

角挫脰,徒搏獨殺。

角を抜き頭をくじき、素手でうちすえ、ひとりで殺してしまう。

徒縛 徒手で打つ。

 

挾師豹,拖熊螭。

獅子や豹をかきいだき、熊や螭を引きずりこむ。

師豹 獅子と豹。

蠣 角のない龍といわれる。螭は中国の龍の一種。龍にまだ角がはえていないような存在のこと。蛇は1000年から1500年生きると龍になるという。螭はその途中の存在だろうか。

 

曳犀犛,頓象羆。

犀や犛牛を後にひっぱり、象や熊を引きよせる

 牛に似て尾が長い。

頓 引く。扽と同じ。

 

超洞壑,越峻崖。

深い谷をとびこえ、けわしい崖をのり越える。

 

蹶嶄巖,鉅石隤。

きり立つ岩の峰に足をかけると、巨石は崩れる。

 

松柏仆,叢林摧。

松柏は横倒しされ、やぶはひしがれる。

 

草木無餘,禽獸殄夷。

残る草木一つだになく、禽獣はあますところなく殺される。

上林苑01