水紋は憂えを帯びるので起ってはいないし、風も線を描くほど重くて引っ張ることはない。(水面に波紋を起こしたり、広げることなく、風も線を成して吹くほど強くない、雨の中にしっとりとしている。)

 
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《對雨》Ⅰ―1 715年開元三年15歳 剣術を好み賦を作る <62> Ⅰ李白詩1226 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4678

 

 

作年:    715年開元三年15

卷別:    卷一八五              文體:    五言律詩

詩題:    對雨

作地點:              昌明(劍南道北部 / 綿州 / 昌明)

 

 

對雨

(李白が雨に日に居室の簾を書き上げて眼下に広がる景色を詠ったもの)

卷簾聊舉目,露草綿芊。

簾を巻き上げて、ちょっと遠くを眺めてみると細雨が降り頻り、露は草草の綿芊としている上にうるおいを与えている。

古岫藏雲毳,空庭織碎煙。

前山にある穴からは雲の毛織物を広げたようであるし、そこから空庭に、砕けた煙を織り込んでいるようだ。

水紋愁不起,風線重難牽。

水紋は憂えを帯びるので起ってはいないし、風も線を描くほど重くて引っ張ることはない。(水面に波紋を起こしたり、広げることなく、風も線を成して吹くほど強くない、雨の中にしっとりとしている。)

盡日扶犁叟,往來江樹前。

しかし、田を耕す爺だけは、これくらいな雨なら問題ないと、一日中、江樹の前を往来してせっせと働いている。

 

(雨に對す)

簾を卷いて聊か目を舉げれば,露 して草 綿芊【めんせん】。

古岫【こしゅう】雲毳【うんせい】を藏き,空庭に碎煙を織る。

水紋 愁えて起らず,風線 重くして牽き難し。

盡日 犁を扶けるの叟,往來す 江樹の前。

2蜀の山00 

 

對雨』 現代語訳と訳註

(本文)

對雨

卷簾聊舉目,露草綿芊。

古岫藏雲毳,空庭織碎煙。

水紋愁不起,風線重難牽。

盡日扶犁叟,往來江樹前。

 

(下し文)

(雨に對す)

簾を卷いて聊か目を舉げれば,露 して草 綿芊【めんせん】。

古岫【こしゅう】雲毳【うんせい】を藏き,空庭に碎煙を織る。

水紋 愁えて起らず,風線 重くして牽き難し。

盡日 犁を扶けるの叟,往來す 江樹の前。

 

(現代語訳)

(李白が雨に日に居室の簾を書き上げて眼下に広がる景色を詠ったもの)

簾を巻き上げて、ちょっと遠くを眺めてみると細雨が降り頻り、露は草草の綿芊としている上にうるおいを与えている。

前山にある穴からは雲の毛織物を広げたようであるし、そこから空庭に、砕けた煙を織り込んでいるようだ。

水紋は憂えを帯びるので起ってはいないし、風も線を描くほど重くて引っ張ることはない。(水面に波紋を起こしたり、広げることなく、風も線を成して吹くほど強くない、雨の中にしっとりとしている。)

しかし、田を耕す爺だけは、これくらいな雨なら問題ないと、一日中、江樹の前を往来してせっせと働いている。

李白図102 

 

(訳注)

對雨

(李白が雨に日に居室の簾を書き上げて眼下に広がる景色を詠ったもの)

 

卷簾聊舉目,露草綿芊。

簾を巻き上げて、ちょっと遠くを眺めてみると細雨が降り頻り、露は草草の綿芊としている上にうるおいを与えている。

綿芊 草木が茂盛している貌。

 

古岫藏雲毳,空庭織碎煙。

前山にある穴からは雲の毛織物を広げたようであるし、そこから空庭に、砕けた煙を織り込んでいるようだ。

古岫 雲の湧き出る山にある穴。雲は巌谷の洞窟から生じると考えられていた。

雲毳 雲の毛織物。

 

水紋愁不起,風線重難牽。

水紋は憂えを帯びるので起ってはいないし、風も線を描くほど重くて引っ張ることはない。(水面に波紋を起こしたり、広げることなく、風も線を成して吹くほど強くない、雨の中にしっとりとしている。)

 

盡日扶犁叟,往來江樹前。

しかし、田を耕す爺だけは、これくらいな雨なら問題ないと、一日中、江樹の前を往来してせっせと働いている。
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