李白《卷20-11 登新平樓》見渡す限り、蒼蒼であってそれが幾万里の先まで続く、この荒涼はてしない景色を見ていて、誰をも愁いの淵に陥れてしまうのである。

 

 
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年:730年開元十八年30

卷別:    卷一八○               文體:              五言律詩

詩題:    登新平樓

作地點:              新平(京畿道 / 邠州 / 新平)

 

 

登新平樓

(新平の城楼に登って詠う。)

去國登茲樓,懷歸傷暮秋。

故郷の国を去ってここの城郭の高楼に登ってみると、故郷に帰りたい気持ちが浮かんでくるが、悲愁の秋も暮れようとするときだから傷心にならざるをえないのだ。

天長落日遠,水淨寒波流。

天は長く晴れ渡り、夕日は遠く落ちてゆく、涇水の水は清くして、西風が寒波を運んでくる。

秦雲起嶺樹,胡雁飛沙洲。

秦地の雲は、山脈の樹木のあいだからおこってきて、胡の空から飛んできた雁が中州の砂浜の間を飛んでいる。

蒼蒼幾萬里,目極令人愁。

見渡す限り、蒼蒼であってそれが幾万里の先まで続く、この荒涼はてしない景色を見ていて、誰をも愁いの淵に陥れてしまうのである。

 

(新平の樓に登る)

國を去って茲の樓に登り,歸るを懷うて暮秋を傷む。

天は長くして落日遠く,水は淨くして寒波流る。

秦雲 嶺樹に起り,胡雁 沙洲に飛ぶ。

蒼蒼として 幾萬里あり,目 極まって 人をして愁えしむ。

扶風雍州長安003 

 

『登新平樓』 現代語訳と訳註解説

(本文)

登新平樓

去國登茲樓,懷歸傷暮秋。

天長落日遠,水淨寒波流。

秦雲起嶺樹,胡雁飛沙洲。

蒼蒼幾萬里,目極令人愁。

 

(下し文)

(新平の樓に登る)

國を去って茲の樓に登り,歸るを懷うて暮秋を傷む。

天は長くして落日遠く,水は淨くして寒波流る。

秦雲 嶺樹に起り,胡雁 沙洲に飛ぶ。

蒼蒼として 幾萬里あり,目 極まって 人をして愁えしむ。

 

(現代語訳)

(新平の城楼に登って詠う。)

故郷の国を去ってここの城郭の高楼に登ってみると、故郷に帰りたい気持ちが浮かんでくるが、悲愁の秋も暮れようとするときだから傷心にならざるをえないのだ。

天は長く晴れ渡り、夕日は遠く落ちてゆく、涇水の水は清くして、西風が寒波を運んでくる。

秦地の雲は、山脈の樹木のあいだからおこってきて、胡の空から飛んできた雁が中州の砂浜の間を飛んでいる。

見渡す限り、蒼蒼であってそれが幾万里の先まで続く、この荒涼はてしない景色を見ていて、誰をも愁いの淵に陥れてしまうのである。

 

杜甫乱前後の図003鳳翔 

(訳注)

登新平樓

(新平の城楼に登って詠う。)

新平(邠() 周の先祖公劉が初めて都としたところ。邠州は、いにしえの豳国、西魏、豳州を置き、後周、隋の時も個の名称であった。唐開元十三年、邠州とし、天寶三載、新平郡とした。

140-#1 《邠()歌行上新平長史兄粲》Index-10 Ⅱ―5-730年開元十八年30歳 李白<140-#1> Ⅰ李白詩1325 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5173

 

去國登茲樓,懷歸傷暮秋。

故郷の国を去ってここの城郭の高楼に登ってみると、故郷に帰りたい気持ちが浮かんでくるが、悲愁の秋も暮れようとするときだから傷心にならざるをえないのだ。

 

天長落日遠,水淨寒波流。

天は長く晴れ渡り、夕日は遠く落ちてゆく、涇水の水は清くして、西風が寒波を運んでくる。

水淨 晴天続きで涇水の水が清い流れである。

寒波流 晩秋の西からの寒波が押し寄せる。

 

秦雲起嶺樹,胡雁飛沙洲。

秦地の雲は、山脈の樹木のあいだからおこってきて、胡の空から飛んできた雁が中州の砂浜の間を飛んでいる。

秦雲起嶺樹 南の長安の街を見守ってきた秦嶺山脈の木々の間から湧き立つ雲。古代、雲は木々の谷間の岩場の洞窟から湧き立つと考えられていた。

胡雁飛沙洲 涇水は北西から長安方向へ流れ渭水に合流する。したがって胡の会コツから雁が南下してくることをいう。涇水の沙汀の間から飛んでくる。

 

蒼蒼幾萬里,目極令人愁。

見渡す限り、蒼蒼であってそれが幾万里の先まで続く、この荒涼はてしない景色を見ていて、誰をも愁いの淵に陥れてしまうのである。
banri03