李白《巻18-10 酬崔五郎中 -#2折角の良図を胸中に抱きつつ、鬱々として、ひとり愁坐しているのはいかなる故であろうか。そこで、鞭を杖として諸方を旅し尋ね歩き、英豪の士にたどり着いた、そして、立談の間に吾人物を鍳識してくれた人であった。

 

 
 2015年3月16日の紀頌之5つのBlog 
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年:732年開元二十年32

卷別:    卷一七八              文體:    五言古詩

詩題:    酬崔五郎中

作地點:(山南東道 / 鄧州 / 南陽)

及地點:明光殿 (京畿道 京兆府 長安)           

嵩山 (都畿道 河南府 嵩山) 別名:嵩高山、嵩、嵩丘、嵩高    

交遊人物/地點:崔成輔      當地交遊 (山南東道 鄧州 南陽)

 

 

酬崔五郎中

朔雲橫高天,萬里起秋色。

北方の朔地の寒雲は、高天のうえに横たわり、万里杳渺の間に秋色が生じてきた。

壯士心飛揚,落日空歎息。

この時、壮士の心は、飛揚するばかり、そして西に堕ちてゆく夕日に対しては、空しく嘆息するばかりだ。

長嘯出原野,凜然寒風生。

こうして、長嘯したのち、平原広野に出てみると、寒風凛然として吹き起こる。きわめてさびしい景色で、今年も、やがて暮れてしまう。

幸遭聖明時,功業猶未成。

顧みれば、幸いにして、聖明の治世に生まれ合わせたが、心行くばかりの功業は未だなお成らないでいる。

崔五郎中に酬ゆ)

朔雲 高天に橫わり,萬里 秋色を起す。

壯士 心 飛揚,落日 空しく歎息。

長嘯 原野に出づれば,凜然として寒風生ず。

幸いに 聖明の時に遭い,功業 猶お未だ成らず。

 

#2

奈何懷良圖,鬱悒獨愁坐。

折角の良図を胸中に抱きつつ、鬱々として、ひとり愁坐しているのはいかなる故であろうか。

杖策尋英豪,立談乃知我。

そこで、鞭を杖として諸方を旅し尋ね歩き、英豪の士にたどり着いた、そして、立談の間に吾人物を鍳識してくれた人であった。

崔公生民秀,緬邈青雲姿。

それは、崔宗之 公であり、崔公は生民の中で、特に秀でた者であって、その高遠の姿は、挺然群をぬいている。

制作參造化,託諷含神祇。

その遣りあげた仕事は、造化に参し、たしかに人力以上であるし、その託諷する言語は神の発するような予言を含んでいる。

 

#2

奈何せん 良圖を懷いて,鬱悒 獨り愁坐する。

策に杖いて 英豪を尋ね,立談 乃ち我を知る。

崔公 生民の秀,緬邈【めんぼく】青雲の姿。

制作 造化に參し,託諷 神祇を含む。

李白の足跡0000 

 

『酬崔五郎中』 現代語訳と訳註解説
(
本文)
#2

奈何懷良圖,鬱悒獨愁坐。

杖策尋英豪,立談乃知我。

崔公生民秀,緬邈青雲姿。

制作參造化,託諷含神祇。


(下し文) #2

奈何せん 良圖を懷いて,鬱悒 獨り愁坐する。

策に杖いて 英豪を尋ね,立談 乃ち我を知る。

崔公 生民の秀,緬邈【めんぼく】青雲の姿。

制作 造化に參し,託諷 神祇を含む。

(現代語訳)
折角の良図を胸中に抱きつつ、鬱々として、ひとり愁坐しているのはいかなる故であろうか。

そこで、鞭を杖として諸方を旅し尋ね歩き、英豪の士にたどり着いた、そして、立談の間に吾人物を鍳識してくれた人であった。

それは、崔宗之 公であり、崔公は生民の中で、特に秀でた者であって、その高遠の姿は、挺然群をぬいている。

その遣りあげた仕事は、造化に参し、たしかに人力以上であるし、その託諷する言語は神の発するような予言を含んでいる。

大明宮-座標02
(訳注) #2

酬崔五郎中

崔五郎中の詩に答えて作った詩)

この詩は、李白の来訪を喜び、「自分の別荘が嵩山にあるからそこに一緒に出掛けようではないか」というのに答えて作ったものである。

崔五郎 崔宗之の事で、李白の酒友である。杜甫《飲中八仙歌》「宗之瀟灑美少年,舉觴白眼望青天,皎如玉樹臨風前。」崔宗之は垢抜けた美少年、杯を挙げては白眼で晴天を望む、輝くようなその姿は風前の玉樹のようだ。』とあり、この詩は李白が崔宗之の《贈李十二》にこたえてつくったもの。

 

奈何懷良圖,鬱悒獨愁坐。

折角の良図を胸中に抱きつつ、鬱々として、ひとり愁坐しているのはいかなる故であろうか。

愁坐 何もできず愁うこと。738 《愁坐〔草堂逸詩拾遺〕》 蜀中転々 杜甫 <645  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3535 杜甫詩1000-645-901/1500〔草堂逸詩拾遺-(14)

 

杖策尋英豪,立談乃知我。

そこで、鞭を杖として諸方を旅し尋ね歩き、英豪の士にたどり着いた、そして、立談の間に吾人物を鍳識してくれた人であった。

杖策 馬の鞭を杖とする。鞭を手にして立つ。《後漢書、鄧禹傳》「禹杖策軍門、説上延攪英雄。」杜甫《別常徵君》詩「兒扶猶杖策, 臥病一秋強。」

765年永泰元年54-39 《別常徵君》 杜甫index-15 杜甫<839 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4930 杜甫詩1500-839-1157/2500

立談 立ったままで話すこと。

知我 吾人物を鍳識してくれた人である。

 

崔公生民秀,緬邈青雲姿。

それは、崔宗之 公であり、崔公は生民の中で、特に秀でた者であって、その高遠の姿は、挺然群をぬいている。

生民秀 生民の中で、特に秀でた者である。

緬邈 はるかに遠いこと。挺然群をぬいていること。

青雲姿 その高遠の姿。高い志を持った士のすがた。

 

制作參造化,託諷含神祇。

その遣りあげた仕事は、造化に参し、たしかに人力以上であるし、その託諷する言語は神の発するような予言を含んでいる。

造化 1 天地万物を創造し育てること。また、それをなす者。造物主。「―の神」2 造物主によってつくられたもの。

託諷 事にかこつけて己の意を寄せる。

李白 32歳