161_39 「登高望四海」詩 古風,五十九首之三十九(卷二(一)一六一)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

 

 

Ⅰ李白詩

(李白集校注)

744年-052卷161_39 「登高望四海」詩 古風五十九首之三十九 (卷二(一)一六一)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8183

 

 

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●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

 

 

Ⅲ 杜詩

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767年-集-4字解 【字解集】 a灩澦・ b七月一日題終明府水樓・c行官張望補稻畦水歸 字解集 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8173

 

 

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杜甫詩(11)762年蜀中転々43

杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

 

 

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744-052161_39 「登高望四海」詩 古風五十九首之三十九 (卷二(一)一六一)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8183

(この詩、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。:不遇にあっていることのやりきれない思いを慨嘆したもの

重陽の日には高い山に登り、四方、天下を見わたすものであり、天も地もはるかであり、ひろびろとして人の世の出来事の小さいことかを認識する。凛凛たる霜が降り被い尽くすと、あらゆる草木は、黄ばんで枯れ、すべて穀物、木この実がうれ、秋になる。颯颯たる西風が吹いて、ひろびろとした荒野には寒々として誰もいなくなる。過去の王朝で経験している栄華なものは東へ流れる水のようにそこに留まらない、栄枯盛衰は世の習いなのだ。又東流した水は再びその地に帰ることはなくこの朝廷でのなにもかもの出来事、総ての事柄、大波の間に漂っているのだ。日中の太陽、天子の威光であり、あるいは、正論というものが、李林甫、宦官共のようにつまらぬものにその輝きは覆い隠され、浮雲のような姦臣の宦官たちは常識の端がないように思うがままにしているのだ。今では、燕と雀の小人物が本来鳳凰が棲むはずの青桐にかこまれたところに巣を作っており、大人物がいるかといえばそうではなく、ただ睦まじいだけのおしどりと鸞鳳が棲んでおり、その権勢を借りて、カラタチと棘の様に人の邪魔をしている。ともかくもまた「歸去來」の辞を詠おう、そして剣を叩いて 「行路難」を吟じて、早く理想の山里に帰隠しようと思うのである。

744年-052 -

古風五十九首之三十九「登高望四海」

(卷二(一)一六一) -

全唐詩卷161_39

李白集校注(卷二(一)一六一)

李太白集巻一09

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8183

 

 

744-052

「登高望四海」詩 古風五十九首之三十九 (卷二(一)一六一)

登高望四海,天地何漫漫!

霜被群物秋,風飄大荒寒。

榮華東流水,萬事皆波瀾。

白日掩徂暉,浮雲無定端。

梧桐巢燕雀;枳棘悽鴛鸞。

且復歸去來,劍歌行路難。

 
秦嶺山脈終南山李白集校注タイトル


 

卷別

李白集校注

全唐詩

李太白集

(卷二(一)一六一)

161_39

巻一09

詩題

「登高望四海」詩(古風五十九首之三十九)(卷二(一)一六一)

文體

五言古詩  

 

詩序

0

     初句

登高望四海,天

天寶三年   744   44

 

作地點

長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)  

及地點

0

 

0

交遊人物/交遊地點

0

 

 

古風,五十九首之三十九  

(この詩も、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。)

登高望四海,天地何漫漫。  

重陽の日には高い山に登り、四方、天下を見わたすものであり、天も地もはるかであり、ひろびろとして人の世の出来事の小さいことかを認識する。

霜被群物秋,風飄大荒寒。  

凛凛たる霜が降り被い尽くすと、あらゆる草木は、黄ばんで枯れ、すべて穀物、木この実がうれ、秋になる。颯颯たる西風が吹いて、ひろびろとした荒野には寒々として誰もいなくなる。

榮華東流水,萬事皆波瀾。  

過去の王朝で経験している栄華なものは東へ流れる水のようにそこに留まらない、栄枯盛衰は世の習いなのだ。又東流した水は再びその地に帰ることはなくこの朝廷でのなにもかもの出来事、総ての事柄、大波の間に漂っているのだ。

白日掩徂輝,浮雲無定端。  

日中の太陽、天子の威光であり、あるいは、正論というものが、李林甫、宦官共のようにつまらぬものにその輝きは覆い隠され、浮雲のような姦臣の宦官たちは常識の端がないように思うがままにしているのだ。

梧桐巢燕雀,枳棘棲鴛鸞。  

今では、燕と雀の小人物が本来鳳凰が棲むはずの青桐にかこまれたところに巣を作っており、大人物がいるかといえばそうではなく、ただ睦まじいだけのおしどりと鸞鳳が棲んでおり、その権勢を借りて、カラタチと棘の様に人の邪魔をしている。

且復歸去來,劍歌行路難。  

ともかくもまた「歸去來」の辞を詠おう、そして剣を叩いて 「行路難」を吟じよう。

 

 

(古風,五十九首の三十九)  

高きに登って四海を望めば,天地 何ぞ漫漫たる。

霜は被って 群物 秋なり,風は飄って 大荒 寒し。

榮華は 東流の水,萬事は 皆 波瀾なり。

白日 徂輝を掩い,浮雲 定端 無し。 

梧桐に 燕雀を巢はしめ,枳棘【ききょく】鴛鸞を棲ましむ。

且つ 復た 歸り去り來らん,劍歌す「行路難」。  

錢塘 王琦 撰

古風,五十九首之三十九 

登高望四海,天地何漫漫。霜被群物秋,風飄大荒寒。 

榮華東流水,萬事皆波瀾。白日掩徂輝,浮雲無定端。 

梧桐巢燕雀,枳棘棲鴛鸞。且復歸去來,劍歌行路難。

 

自第四句後云殺氣落喬木浮雲蔽層巒孤鳴天霓遺聲何辛酸游人悲舊國撫心亦盤桓倚劒歌

所思曲終涕洄瀾大荒謂荒野之地楚辭及榮華之未落王逸註榮華 顔色也氏春秋水泉東

流日夜不休徂輝落日之光也。駱王詩情傷去葢離念惜徂輝鴛當是鵷字之訛莊子南方有鳥

其名鵷雛發于南海而飛于北海非梧桐不止非練實不食非醴泉不飲陸徳明註鵷雛鸞之屬也。

廣韻鵷雛似埤雅鸞赤色五采雞形鳴中五音頌聲作則至一曰青為鸞後漢書/枳棘非鸞

棲陳書枳棘棲鵷常以増嘆劒歌謂彈其劒而歌也。行路難樂府曲名詳見後三巻註琦按登髙望四

海天地何漫漫見宇宙廣大之意霜被羣物秋風飄大荒寒見生計蕭索之意榮華東流水言年華日

去如水之東流滔滔不返萬事皆波瀾言生事擾擾反覆相乗如水之波瀾無有静時白日掩徂輝謂

日將落而無光如人將有去志而意色不快浮雲無定端言人生世上行踪原無一定何必戀戀於

此或以落日為浮雲所掩英明之人為讒邪所惑兩句作一意解者亦可梧桐之木本凰所止

而燕雀得巢其上小人得/志枳棘之樹本燕雀所萃而鵷鸞反棲其間君子失所以上皆即景

而寓感嘆於間以見不得不動歸來之念意者是時太白所投之主人惑于羣小而不見親禮將欲

去之而作此詩舊註以時世昏亂隂小用事為解専指朝政而言恐未是 漫謨官切滿平聲鴛與鵷

同音/

 

蕭士贇 補註

   其三十九禎卿曰蕭/是也

登高望四海,天地何漫漫。霜被群物秋,風飄大荒寒。

榮華東流水,萬事皆波瀾。白日掩徂輝,浮雲無定端。

梧桐巢燕雀,枳棘棲鴛鸞。齊賢曰梧桐本鳳凰所棲今燕雀巢之枳棘燕雀所安今鴛鸞棲之

且復歸去來,劍歌行路難。士贇曰此篇「登高四海、天地何漫漫者、以、高見識之士、

知時世之昏亂也。霜被羣物秋風飄大荒寒者、以、隂小用事而殺氣之盛也。

榮華東流水、萬事皆波瀾者、謂遭時如此所謂榮華者、如水之逝、萬事之無常、亦猶波瀾之無有底止也。

日君象浮雲姦臣也。 掩者蔽也徂輝者日落之光也。

人臣晩節為姦臣蔽其明猶白日將落為浮雲掩其輝也。 無定端者政令之無常也。

梧桐巢燕雀者小人在上位而得志也。枳棘棲鴛鸞者君子在下位而失所也。

且復歸去來劒歌行路難者白意葢謂危邦不入亂邦不居識時知機之士當此之際惟有歸隠而已。 

又一本云

登高望四海,天地何漫漫。霜被群物秋,風飄大荒寒。

殺氣落喬木,浮雲蔽層巒。孤鳳鳴天倪,遺聲何辛酸。

遊人悲舊國,撫心亦盤桓。倚劍歌所思,曲終涕泗瀾。

 

 

『古風,五十九首之三十九』 現代語訳と訳註

(本文)

古風,五十九首之三十九  

登高望四海,天地何漫漫。霜被群物秋,風飄大荒寒。

榮華東流水,萬事皆波瀾。白日掩徂輝,浮雲無定端。

梧桐巢燕雀,枳棘棲鴛鸞。且復歸去來,劍歌行路難。

 

(含異文) 

登高望四海,天地何漫漫。  霜被群物秋,風飄大荒寒。  

殺氣落喬木,浮雲蔽層巒。  孤鳳鳴天倪,遺聲何辛酸。  

遊人悲舊國,撫心亦盤桓。  倚劍歌所思,曲終涕泗瀾。  

 

登高望四海,天地何漫漫。霜被群物秋,風飄大荒寒。

榮華東流水,萬事皆波瀾。白日掩徂輝,浮雲無定端。

梧桐巢燕雀,枳棘棲鴛鸞。且復歸去來,劍歌行路難【劍歌悲路難】。

 

登高望四海,天地何漫漫。霜被群物秋,風飄大荒寒。

殺氣落喬木,浮雲蔽層巒。孤鳳鳴天倪,遺聲何辛酸。

遊人悲舊國,撫心亦盤桓。倚劍歌所思,曲終涕泗瀾。

 

(下し文)

(古風,五十九首の三十九)  

高きに登って四海を望めば,天地 何ぞ漫漫たる。

霜は被って 群物 秋なり,風は飄って 大荒 寒し。

榮華は 東流の水,萬事は 皆 波瀾なり。

白日 徂輝を掩い,浮雲 定端 無し。 

梧桐に 燕雀を巢はしめ,枳棘【ききょく】鴛鸞を棲ましむ。

且つ 復た 歸り去り來らん,劍歌す「行路難」。  

 

(現代語訳)

(この詩、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。:不遇にあっていることのやりきれない思いを慨嘆したもの

重陽の日には高い山に登り、四方、天下を見わたすものであり、天も地もはるかであり、ひろびろとして人の世の出来事の小さいことかを認識する。
凛凛たる霜が降り被い尽くすと、あらゆる草木は、黄ばんで枯れ、すべて穀物、木この実がうれ、秋になる。颯颯たる西風が吹いて、ひろびろとした荒野には寒々として誰もいなくなる。
過去の王朝で経験している栄華なものは東へ流れる水のようにそこに留まらない、栄枯盛衰は世の習いなのだ。又東流した水は再びその地に帰ることはなくこの朝廷でのなにもかもの出来事、総ての事柄、大波の間に漂っているのだ。
日中の太陽、天子の威光であり、あるいは、正論というものが、李林甫、宦官共のようにつまらぬものにその輝きは覆い隠され、浮雲のような姦臣の宦官たちは常識の端がないように思うがままにしているのだ。
今では、燕と雀の小人物が本来鳳凰が棲むはずの青桐にかこまれたところに巣を作っており、大人物がいるかといえばそうではなく、ただ睦まじいだけのおしどりと鸞鳳が棲んでおり、その権勢を借りて、カラタチと棘の様に人の邪魔をしている。

ともかくもまた「歸去來」の辞を詠おう、そして剣を叩いて 「行路難」を吟じて、早く理想の山里に帰隠しようと思うのである。

(訳注) 

古風,五十九首之三十九

1.  (この詩、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。:不遇にあっていることのやりきれない思いを慨嘆したもの

2. 高力士は、李白によって、脱靴の恥を懐き、清平楽の詞の語を摘まんで楊貴妃に譖し、法遂せられたのである。

 

登高望四海,天地何漫漫。 
重陽の日には高い山に登り、四方、天下を見わたすものであり、天も地もはるかであり、ひろびろとして人の世の出来事の小さいことかを認識する。
3. 登高 九月九日の重陽の日の風習で、高い山に登り、家族を思い、菊酒を飲んで厄災を払う習わし。後漢の桓景の故事に基づいた重陽の風習の一。魏・曹植の「茱萸自有芳,不若桂與蘭」や魏・阮籍の『詠懷詩』其十「昔年十四五,志尚好書詩。被褐懷珠玉,顏閔相與期。開軒臨四野,登高望所思。丘墓蔽山岡,萬代同一時。千秋萬歳後,榮名安所之。乃悟羨門子,今自嗤。」 

4. 四海 古来から四方の地の果ては海となっているからそれの内の意》国内。世の中。天下。また、世界。『孟子』尽心上に、孔子が泰山に登って天下を小としたとあるをイメージしている。


霜被群物秋,風飄大荒寒。 
凛凛たる霜が降り被い尽くすと、あらゆる草木は、黄ばんで枯れ、すべて穀物、木この実がうれ、秋になる。颯颯たる西風が吹いて、ひろびろとした荒野には寒々として誰もいなくなる。
5. 霜被 霜が降り被い 

6. 群物秋 霜が降り被い 

7. 風飄 ヒューと風が吹く 

8. 大荒 ひろびろとした荒野 

9. 寒 寒々として誰もいない。
 

榮華東流水,萬事皆波瀾。 
過去の王朝で経験している栄華なものは東へ流れる水のようにそこに留まらない、栄枯盛衰は世の習いなのだ。又東流した水は再びその地に帰ることはなくこの朝廷でのなにもかもの出来事、総ての事柄、大波の間に漂っているのだ。
10. 東流 中國の大河は東流している。水は東に流れるもの。其の位置にはとどまらない。いつかは消えていくもの。 

11. 萬 すべてのことがら。


白日掩徂輝,浮云無定端。 
日中の太陽、天子の威光であり、あるいは、正論というものが、李林甫、宦官共のようにつまらぬものにその輝きは覆い隠され、浮雲のような姦臣の宦官たちは常識の端がないように思うがままにしているのだ。
12. 白日 日中の太陽。天子の威光。正論。

13. 浮云 うきぐも。李白は朝廷内の宦官のことを暗天の比喩としていうことが多い。 

14. 無定端 定めの端がない。好き勝手なことをする。


梧桐巢燕雀,枳棘棲鴛鸞。 
今では、燕と雀の小人物が本来鳳凰が棲むはずの青桐にかこまれたところに巣を作っており、大人物がいるかといえばそうではなく、ただ睦まじいだけのおしどりと鸞鳳が棲んでおり、その権勢を借りて、カラタチと棘の様に人の邪魔をしている。
15.
 梧桐 あおぎり。玄宗と楊貴妃の生活を示したもの。元代の戯曲「梧桐雨」がある。また、『荘子』秋水篇の故事を用いる。荘子が梁の国の宰相恵子を訪れようとすると、それは宰相の地位を奪い取ろうとしているのだという重言があった。恐れる恵子に向かって荘子はたとえ話を持ち出す。南方に「鴛雛」という鳥がいて、梧桐にしか止まらず、練実(竹の実)しか食べず、清浄な水しか飲まない。鶴が「腐鼠」を食べていたところに鴛雛が通りかかると、鶴はにらみつけて「嚇」と叫んだ。今あなたは梁の国を取られはしないか恐れて威嚇するのか、と恵子に言った。猜疑心を抱きつつの後宮生活を示す。

16. 燕雀 小人物のこと。趙飛燕。楊貴妃の事。 

17. 枳棘 からたちととげ。人の邪魔をすること。 

18. 棲鴛鸞 おしどりと鸞鳳。楊貴妃とその兄弟の事。
この聯は『史記』・陳渉世家に「燕雀安知鴻鵠之志哉」(燕雀いずくんぞ鴻鵠之志を知るや。:小人物は大人物、鴻鵠の志を知ることができようか)の一節に基づくもの。


且復歸去來。 劍歌行路難。 
ともかくもまた「歸去來」の辞を詠おう、そして剣を叩いて 「行路難」を吟じて、早く理想の山里に帰隠しようと思うのである。
19. 歸去來 陶淵明が仕官80日あまりで官を辞して故郷に帰った時の辞。 

20. 劍歌 孟嘗君(もうしょうくん)に苦言を呈した馮驩(ふうかん)は剣の柄をたたき詩を吟じた。

21. 行路難 古楽府の名。 古詩選讀:鮑照 擬行路難十八首之一|

                  白居易  行路難

李白  行路難,三首