卷166_27 豳歌行,上新平長史兄粲
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2017年2月23日 |
の紀頌之5つの校注Blog |
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注 |
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Ⅰ李白詩 |
(李白集校注) |
744年-057-#1卷166_27 豳歌行,上新平長史兄粲(卷七(一)四八六)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8225 |
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744年-集08【字解集】 a古風五十九首之五十六 b朝下過盧郎 c登太白峰 d古風三十九 e陽春歌 f憶東山二首其二 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8207 |
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Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注 |
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Ⅲ 杜詩 |
詳注 |
767年-集-5 【字解集】 a秋行官張望督促東渚耗・b阻雨不得歸瀼西甘林 杜詩詳注・字解 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8233 |
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767年-集-5 【字解集】 a秋行官張望督促東渚耗・b阻雨不得歸瀼西甘林 杜詩詳注・字解 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8234 |
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集 不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている。花間集連載開始。 |
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Ⅳブログ詩集 |
漢・唐・宋詞 |
花間集 訳注解説 巻二-45 (110)回目韋莊二十二首 -18清平樂四首其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8222 (02/23) |
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105)回目 浣溪沙五首 /菩薩鬘五首 / 歸國遥三首 【字解集】》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8192 (02/17) |
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●花間集全詩●森鴎外の小説の”魚玄機”詩、芸妓”薛濤”詩。唐から五代詩詞。花間集。玉臺新詠連載開始 |
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Ⅴ.唐五代詞詩・女性 |
・玉臺新詠 |
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744年-057-#1卷166_27 豳歌行,上新平長史兄粲(卷七(一)四八六)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8225
(新平郡の長史である族兄の李粲に贈るために、この歌行をつくった)
季節は今、秋、この身は依然として、豳州の山合いの谷に寓居しているが、庭の木々は、葉は皆落ちつくして、枝の身であるがにょきにょきと互いに交叉し、涇水の流れは皓皓とみなぎって早瀬の波は激しいようだ。その時、大鳥、雁は夕暮れ時にあたって、悲しい声を上げて急に飛び立ち、雲は愁うるがごとく、深く立ち込めて、そぞろに寒さを覚える。自分は前日、家を去って、この地に来たので、その時は蓮の花が初めて紅の花を咲かせ、柳の枝葉が青く繁っていた。
744年-057-#1 - |
豳歌行,上新平長史兄粲(卷七(一)四八六) |
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全唐詩卷166_27 |
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李白集校注卷七(一)四八六) |
李太白集巻六06 |
漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8225 |
卷166_27 《豳歌行,上新平長史兄粲》李白
豳穀稍稍振庭柯,涇水浩浩揚湍波。哀鴻酸嘶暮聲急,
愁雲蒼慘寒氣多。憶昨去家此為客,荷花初紅柳條碧。
中宵出飲三百杯,明朝歸揖二千石。甯知流寓變光輝,
胡霜蕭颯繞客衣。寒灰寂寞憑誰暖,落葉飄揚何處歸。
吾兄行樂窮曛旭,滿堂有美顏如玉。趙女長歌入彩雲,
燕姬醉舞嬌紅燭。狐裘獸炭酌流霞,壯士悲吟甯見嗟。
前榮後枯相翻覆,何惜餘光及棣華。
卷別 | 李白集校注 | 全唐詩 | 李太白集 |
卷七(一)四八六) | 卷166_27 | 巻六06 | |
詩題 | 豳歌行(卷七(一)四八六) | ||
文體 | 五言古詩 | | |
詩序 | | ||
初句 | 豳谷稍稍振庭柯 | 天寶三年 744年 44歲 | |
作地點 | 邠州(京畿道 / 邠州 / 邠州) | ||
及地點 | 邠州 (京畿道 邠州 邠州) 別名:桂陽、新平、豳 | ||
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交遊人物/交遊地點 | 李粲 | 當地交遊(京畿道 邠州 邠州) |
豳歌行,上新平長史兄粲(卷七(一)四八六)
豳谷稍稍振庭柯,涇水浩浩揚湍波。
哀鴻酸嘶暮聲急,愁雲蒼慘寒氣多。
憶昨去家此為客,荷花初紅柳條碧。
(新平郡の長史である族兄の李粲に贈るために、この歌行をつくった
季節は今、秋、この身は依然として、豳州の山合いの谷に寓居しているが、庭の木々は、葉は皆落ちつくして、枝の身であるがにょきにょきと互いに交叉し、涇水の流れは皓皓とみなぎって早瀬の波は激しいようだ。
その時、大鳥、雁は夕暮れ時にあたって、悲しい声を上げて急に飛び立ち、雲は愁うるがごとく、深く立ち込めて、そぞろに寒さを覚える。
自分は前日、家を去って、この地に来たので、その時は蓮の花が初めて紅の花を咲かせ、柳の枝葉が青く繁っていた。
(豳歌行,新平の長史兄粲に上る)
豳谷 稍稍として 庭柯を振い,涇水 浩浩として 湍波を揚ぐ。
哀鴻 酸嘶して 暮聲急ぐ,愁雲 蒼慘 寒氣多し。
憶う 昨 家を去って此こに客と為す,荷花 初めて紅にして 柳條碧なり。
中宵出飲三百杯,明朝歸揖二千石。
寧知流寓變光輝?胡霜蕭颯繞客衣。
寒灰寂寞憑誰暖?落葉飄揚何處歸?
中宵【ちゅうしょう】出でて 飲む 三百杯,明朝歸って 揖【ゆう】す 二千石。
寧ろ知らん 流寓 光輝を變じ,胡霜 蕭颯 客衣を繞るを。
寒灰 寂寞として 誰に憑ってか暖めん,落葉 飄揚として 何處にか歸る。
吾兄行樂窮曛旭,滿堂有美顏如玉。
趙女長歌入彩雲,燕姬醉舞嬌紅燭。
狐裘獸炭酌流霞,壯士悲吟寧見嗟?
前榮後枯相翻覆,何惜餘光及棣華?
吾が兄 行樂 曛旭を窮めよ,滿堂 美有り 顏 玉の如し。
趙の女 長歌して 綵雲に入り,燕の姬 醉舞して 紅燭嬌なり。
狐裘 獸炭 流霞を酌み,壯士 悲吟 寧ろ 嗟せらる。
前榮後枯 相い翻覆し,何ぞ惜まん 餘光の棣華に及ぶを。
豳歌行上新平長史兄粲 |
新平 :輿地廣記 「邠州古豳國、西魏置豳州、後周及隋、皆因之。 |
煬帝、初州廢、義寧二年復置豳州、唐開元十三年以字類幽改作邠焉。天寳三載以爲新平郡。 |
長史:唐制、州之佐職、有長史一人、上州者從五品上、中州者正六品下、下州則不設、其位在别駕之下、司馬之上、如今之通判是也。 |
粲 : 新唐書世系表、趙郡李氏東祖房有粲、濮州刺史、或は其人後遷此官。 |
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豳穀稍稍振庭柯,涇水浩浩揚湍波。哀鴻酸嘶暮聲急,愁雲蒼慘寒氣多。 |
憶昨去家此為客,荷花初紅柳條碧。 |
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中宵出飲三百杯,明朝歸揖二千石。甯知流寓變光輝,胡霜蕭颯繞客衣。 |
寒灰寂寞憑誰暖,落葉飄揚何處歸。 |
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吾兄行樂窮曛旭,滿堂有美顏如玉。趙女長歌入彩雲,燕姬醉舞嬌紅燭。 |
狐裘獸炭酌流霞,壯士悲吟甯見嗟。前榮後枯相翻覆,何惜餘光及棣華。 |
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豳穀:太平寰宇記 「古豳地在邠州、三水縣西南三十里、有古豳城在龎川水西葢古公劉之邑卽此城也。 |
國都城記 豳國者后稷之曽孫曰、公劉始都焉、豳谷名也。 |
與故栒邑城相去約五十餘里。 漢志註云「豳鄉是也。」 |
何大復雍大記「豳谷在邠州東北三十里、故三水縣公劉立國處、陜西通志「三水廢城在邠州三水縣東五里、故豳谷。」 |
稍稍:謝朓、《酬王晉安》詩「稍稍枝早勁。」 吕向註「稍稍樹枝勁强無葉之貌。 庭柯:陶潛、歸去來辭、眄庭柯以怡顔郭璞。 |
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涇水:山海經註「涇水出安定朝那縣西笄頭山東南經新平扶風至京兆高陵縣入渭」 詩地理考「涇水出原州百泉縣涇谷東南流至涇州臨 |
涇保定二縣又東南流至邠州之宜祿新平永夀三縣/又東北流至京兆之醴泉高陵雲陽三縣以入渭僧寳 |
三百杯:月詩「君不見孤雁關外發酸嘶度越揚空城鄭康成一飲三百杯見三巻註後。 二千石:漢書、百官公卿表、「每郡置太守一人二千石。」 |
三國志起烟於寒灰之上生華於已枯之木。 曛旭: 廣韻、曛、日入也。又、黄昏時、旭日旦出貌。初學記、日、初出日旭。 |
古詩 燕趙多佳人美者顔如玉。 呉均詩 燕姬及趙女挾瑟夜/經過。 獸炭:晉書羊琇性豪侈屑炭和作獸形以温酒洛下豪貴咸競效之。 |
江總瑪瑙盌賦翠羽流霞之杯。 |
餘光:史記甘茂/之亡秦奔齊逢蘇代代爲齊使於秦甘茂曰臣得罪於秦懼而逃遁無所容跡臣聞貧人女與富人女㑹績貧/人女曰我無以買燭而子之燭光幸有餘子可分我餘 |
光無損子明而得一斯便焉今臣困而君方使秦而當/路矣茂之妻子在焉願君以餘光振之。 |
棣華:詩、小雅、「常棣之華鄂不韡韡鄭箋曰承花者鄂不當作拊拊鄂足也鄂/足得華之光明則韡韡然盛興者喻弟以禮敬兄兄亦 |
以榮覆弟恩義之顯亦韡韡/然 涇音京嘶音西棣音弟 |
《豳歌行,上新平長史兄粲》現代語訳と訳註解説
(本文)
豳歌行,上新平長史兄粲(卷七(一)四八六)
豳谷稍稍振庭柯,涇水浩浩揚湍波。
哀鴻酸嘶暮聲急,愁雲蒼慘寒氣多。
憶昨去家此為客,荷花初紅柳條碧。
(下し文)
(豳歌行,新平の長史兄粲に上る)
豳谷 稍稍として 庭柯を振い,涇水 浩浩として 湍波を揚ぐ。
哀鴻 酸嘶して 暮聲急ぐ,愁雲 蒼慘 寒氣多し。
憶う 昨 家を去って此こに客と為す,荷花 初めて紅にして 柳條碧なり。
(現代語訳)
(新平郡の長史である族兄の李粲に贈るために、この歌行をつくった)
季節は今、秋、この身は依然として、豳州の山合いの谷に寓居しているが、庭の木々は、葉は皆落ちつくして、枝の身であるがにょきにょきと互いに交叉し、涇水の流れは皓皓とみなぎって早瀬の波は激しいようだ。
その時、大鳥、雁は夕暮れ時にあたって、悲しい声を上げて急に飛び立ち、雲は愁うるがごとく、深く立ち込めて、そぞろに寒さを覚える。
自分は前日、家を去って、この地に来たので、その時は蓮の花が初めて紅の花を咲かせ、柳の枝葉が青く繁っていた。
(訳注)
豳歌行,上新平長史兄粲
1. (新平郡の長史である族兄の李粲に贈るために、この歌行をつくった)
2. 詩集 李白校注:卷七(一)四八六、全唐詩:卷166_27、李太白集:巻六06
3. 新平 舊唐書地理志に關内道邠州があり、開元十三年に邠を豳に改め、天寶元年新平郡に改められ、乾元元年再び邠州にもどした。
4. 長史 長史は現代日本でいうところの省庁事務次官クラス。大臣を除いた省庁のトップである。
豳谷稍稍振庭柯,涇水浩浩揚湍波。
季節は今、秋、この身は依然として、豳州の山合いの谷に寓居しているが、庭の木々は、葉は皆落ちつくして、枝の身であるがにょきにょきと互いに交叉し、涇水の流れは皓皓とみなぎって早瀬の波は激しいようだ。
5. 豳谷 邠州の谷間。豳穀:太平寰宇記 「古豳地在邠州、三水縣西南三十里、有古豳城在龎川水西葢古公劉之邑卽此城也。
國都城記 豳國者后稷之曽孫曰、公劉始都焉、豳谷名也。
與故栒邑城相去約五十餘里。 漢志註云「豳鄉是也。」
何大復雍大記「豳谷在邠州東北三十里、故三水縣公劉立國處、陜西通志「三水廢城在邠州三水縣東五里、故豳谷。」
6. 稍稍 葉のない木々の枝ばかりの様子を言う。謝朓、《酬王晉安》詩「稍稍枝早勁。」 吕向註「稍稍樹枝勁强無葉之貌。
7. 庭柯 庭にはえている木樹の枝絛。陶潛、歸去來辭、眄庭柯以怡顔郭璞。
8. 涇水 陝西省中部の渭河(渭水)の支流,涇河ともいう。寧夏回族自治区と甘粛省の境界,六盤(りくばん)山系に発し,南東へ流れ,渭河盆地の中央付近で渭河と合流する。全長約450km。黄土高原をへるため土砂が多く水はにごり,〈涇渭〉として本流の澄んだ渭河と対比される。秦代に東方の洛河とを結ぶ鄭国渠(ていこくきよ)が開かれ,また,漢の武帝時代には渭河に直結する白渠も開削されるなど,早くから灌漑に利用されてきた。涇水:山海經註「涇水出安定朝那縣西笄頭山東南經新平扶風至京兆高陵縣入渭」 詩地理考「涇水出原州百泉縣涇谷東南流至涇州臨
涇保定二縣又東南流至邠州之宜祿新平永夀三縣/又東北流至京兆之醴泉高陵雲陽三縣以入渭僧寳
9. 浩浩 1 水がみなぎり広がっているさま。「大海哮(た)けり、―又―たり」〈蘆花・自然と人生〉2 果てしなく広々としているさま。「浩浩として静かな天」
10. 揚湍波 早瀬の波をうって流れている。
哀鴻酸嘶暮聲急,愁雲蒼慘寒氣多。
その時、大鳥、雁は夕暮れ時にあたって、悲しい声を上げて急に飛び立ち、雲は愁うるがごとく、深く立ち込めて、そぞろに寒さを覚える。
11. 鴻 大雁。
12. 酸嘶 悲しい声を残して飛んでゆく。1.酸痛剧烈之貌。 2.哀鸣;悲叹。
13. 蒼慘 愁いの様子があわただしく痛ましい。
憶昨去家此為客,荷花初紅柳條碧。
自分は前日、家を去って、この地に来たので、その時は蓮の花が初めて紅の花を咲かせ、柳の枝葉が青く繁っていた。
14. 荷花初紅 蓮の花が初めて紅の花を咲かせる。