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雪讒詩贈友人 #6 |
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別李義 - #6 |
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李白集校注 訳注解説ブログ 750年-5 《雪讒詩贈友人 【巻九(一)六三二】》 #4 漢文委員会 紀
頌之 Blog11088
750年 |
天寶九年 750年 |
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3. 雪讒詩贈友人 【巻九(一)六三二】 #4 |
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李白集校注 訳注解説 |
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漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 11088 |
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巻168-24
雪讒詩贈友人
(平生の行いが累をなして、他人からいろいろ悪評を広げられているので、賦して自分自身について正直に語ったものを、讒言をすすぐため友人に送った)
嗟予沈迷,猖獗已久。
ああ、予は世の中のくだらない事々に迷って、それに打ち込み、思うが儘に無茶なことをしたり、今考えれば、無意味なことや、ふしだらなことをして、こんな年齢になってしまった。
五十知非,古人嘗有。
しかし、五十にして四十九年の非を知るということは、諺にもなることで、古人も常にあるところである。予もまたその通りで、、ここに昨日の非をさとったというところである。
立言補過,庶存不朽。
こうして、言を立てて筋を通し、また、過ちを補いもってわが名を不朽に伝えようと希う次第である。
#2
包荒匿瑕,蓄此頑醜。
こうして、すべて荒穢を包含し、瑕疵を蔵匿するということは、ありがちであって、いかなるものでもこの見苦しい欠点を蓄えているのである。
月出致譏,貽愧皓首。
予は、徳を好まず好色のためにそしりを受けることを免れなかったのであり、白髪頭になっても恥を残したのは致し方ないのである。
感悟遂晚,事往日遷。
その欠点を認識するに至るのが遅きに失したのであり、そのことはすでに過ぎ去って歳月はしきりに移り行くことは誠に残念なことである。
白璧何辜,青蠅屢前。
しかし、白璧は何の罪もないのであって。青蠅は、しばしば飛んできて、その上にふんをうわ掛けして、汚らわしいものにしてしまう、小役人や糞ばえの宦官どもの讒言をなされたことは、白璧が変じて黒としたようなものである。
#3
羣輕折軸,下沈黃泉。
それからいかに軽いものでも、たくさん集まれば、その重量も増してゆき、やがて車軸をくじいてしまい、その車を黄泉の奥深い底に沈めるほどになる。
衆毛飛骨,上凌青天。
そして、科類は寝であっても多く集まって主翼の羽となれば、骨を備えた鳥の体をして、晴天を凌いで、飛翔せしめるというものである。
萋斐暗成,貝錦粲然。
糞蠅の宦官小役人の讒言であっても、繰り返され、広がり、波及した讒言が束になって押し寄せれば、ひどい結果をもたらすのである。
泥沙聚埃,珠玉不鮮。
そして、また、泥沙と雖も集まって塵埃となると、珠玉がその中に混じっていてもはっきりとわかることができなくなってしまうのである。
#4
洪燄爍山,發自纖煙。
かくして盛んな火炎が山を焦がして焼き付くけれど、それももとはといえば、か細い火種のようなもの、細い煙から起こるのである。
蒼波蕩日,起于微涓。
渺びょうたる大海の波が日を揺蕩するのも、小さな流れの集まったものに他ならないのである。
交亂四國,播于八埏。
讒言の結果として最後には、交ごも国境を接する四方の国々に大騒乱を起こさしめ、果てはさらに八方に広がるというくらい、人の話に扉は立てられない小さな讒言から起こったものがあるのだ。
拾塵掇蜂,疑聖猜賢。
顔回が飯を炊くとき、ゴミを拾って口に入れたというので、孔子の聖なるもこれを疑い自分にかくして「つまみ食いする」ということからの“教え”となったのである。
#5
哀哉悲夫!誰察予之貞堅。
彼婦人之猖狂,不如鵲之彊彊。
彼婦人之淫昏,不如鶉之奔奔。
坦蕩君子,無悅簧言。
#6
擢髮續罪,罪乃孔多。
傾海流惡,惡無以過。
人生實難,逢此織羅。
積毀銷金,沈憂作歌。
#7
天未喪文,其如余何。
妲己滅紂,褒女惑周。
天維蕩覆,職此之由。
漢祖呂氏,食其在傍。
#8
秦皇太后,毐亦淫荒。
螮蝀作昏,遂掩太陽。
萬乘尚爾,匹夫何傷。
辭殫意窮,心切理直。
#9
如或妄談,昊天是殛。
子野善聽,離婁至明。
神靡遁響,鬼無逃形。
不我遐棄,庶昭忠誠。
(讒を雪ぐの詩 友人に贈る)
嗟す 予が沈迷,猖獗 已に久し。
五十 非を知る,古人 嘗て有り。
言を立て 過ちを補い,庶わくば 不朽に存せん。
#2
包荒をみ 瑕を匿し,此の頑醜を蓄う。
月 出でて 譏を致し,愧を皓首に貽す。
感悟 遂に晚く,事 往いて 日 遷る。
白璧 何の辜か,青蠅 屢しば前む。
#3
羣輕 軸を折き,下 黃泉に沈む。
衆毛 骨を飛し,上 青天を凌ぐ。
萋斐 暗に成り,貝錦 粲然たり。
泥沙 埃を聚め,珠玉 鮮ならず。
#4
洪燄の山を爍くは,纖煙より發す。
蒼波の日を蕩す,微涓より起る。
交ごも四國を亂して,八埏に播く。
塵を拾い 蜂を掇い,聖を疑い 賢を猜む。
#5
哀しい哉 悲しい夫!誰か予の之貞堅を察せむ。
彼の婦人の猖狂は,不如鵲の彊彊たるにしかず。
彼の婦人の淫昏は,鶉の奔奔たるにしかず。
坦蕩たる君子は,簧言を悅ぶ無かれ。
#6
髮を擢いて罪を續うも,罪は乃ち孔【はなは】だ多し。
海を傾けて惡を流し,惡 以て過ぐるは無し。
人生 實に難し,此の織羅に逢う。
積毀 金を銷し,沈憂 歌を作る。
#7
天 未だ文を喪さず,其れ余は何如。
妲己【だっき】は紂を滅し,褒女は周を惑わしむ。
天維 蕩覆,職として 此れに之れ由る。
漢祖 呂氏,食其【いき】傍に在る。
#8
秦皇の太后,毐【あい】亦た淫荒。
螮蝀【せいとう】昏を作り,遂に太陽を掩う。
萬乘 尚お爾り,匹夫 何ぞ傷まむ。
辭 殫くし 意 窮まり,心 切に理直。
#9
或は妄談如く,昊天 是れ殛【つみ】す。
子野は善く聽き,離婁は 至明。
神に遁響靡く,鬼に 逃形無し。
我を 遐棄せず,庶わくば 忠誠を昭らかにせよ。
李白集校注 関係個所 抜粋 #4
(爍) 音式灼切。鑠埃音哀爍式灼切音 |
(四國) 詩小雅青蠅: 讒人罔極交亂四國。 |
(八埏) 文選司馬相如封禪/書: 下泝八埏。 注: 孟康註:八埏地之八際也。 張銧註:八埏八方也。 |
(拾塵) 家語巻五: 孔子厄於陳蔡、從者七日不食、子貢以所齎/貨竊犯圍而出、告糴於野人、得米一石焉。 |
顔回、仲由炊之於壊屋之下、有埃墨墮甑中、顔回取而食之。子貢自升/望見之不悅、以為竊食也、 以告孔子。子曰:『吾信回之為仁久矣、雖汝有云、弗以疑也、其或者必有故乎!吾將問之』 |
召顔回曰:『疇昔予夢見先人、豈或啟佑我哉!子炊而進飯吾將進焉。』 對曰:『向有埃墨墮飯中、 欲置之則不潔、欲/棄之則可惜、回即食之、不可祭也。』 孔子曰:『然乎!吾亦食之。』 顔回出、 孔子顧二三子曰:『吾之信回也、非特今日也。』 二三子由此乃服之。 |
(掇蜂) 王倚云:琴操:尹吉甫、周上卿也。有子伯竒、伯竒母死、更娶後妻、生伯邦。 乃譖伯竒於吉甫曰:『見妾有美色、然有欲心。』 吉甫曰:『伯竒為人慈仁、豈有此也?』 後妻曰:『試置妾空、居中君登樓而察之。』 後妻知竒仁孝、乃取毒蜂緣衣領、伯竒前掇之。 於是吉甫大怒、 放伯竒於野。宣王出遊、吉甫從、伯竒乃作歌、感之於宣王。 宣王曰:此放子詞。 吉甫乃收伯竒、射殺後妻。陸機詩、『掇蜂滅天道、恰塵惑孔顔。』 |
雪讒詩贈友人 李白集校注【巻九(一)六三二】 #1 訳注解説
(本文)
雪讒詩贈友人
#3
羣輕折軸,下沈黃泉。
衆毛飛骨,上凌青天。
萋斐暗成,貝錦粲然。
泥沙聚埃,珠玉不鮮。
(下し文)
(讒を雪ぐの詩 友人に贈る)
#4
洪燄の山を爍くは,纖煙より發す。
蒼波の日を蕩す,微涓より起る。
交ごも四國を亂して,八埏に播く。
塵を拾い 蜂を掇い,聖を疑い 賢を猜む。
(現代語訳)
(平生の行いが累をなして、他人からいろいろ悪評を広げられているので、賦して自分自身について正直に語ったものを、讒言をすすぐため友人に送った)
#4
かくして盛んな火炎が山を焦がして焼き付くけれど、それももとはといえば、か細い火種のようなもの、細い煙から起こるのである。
渺びょうたる大海の波が日を揺蕩するのも、小さな流れの集まったものに他ならないのである。
讒言の結果として最後には、交ごも国境を接する四方の国々に大騒乱を起こさしめ、果てはさらに八方に広がるというくらい、人の話に扉は立てられない小さな讒言から起こったものがあるのだ。
顔回が飯を炊くとき、ゴミを拾って口に入れたというので、孔子の聖なるもこれを疑い自分にかくして「つまみ食いする」ということからの“教え”となったのである。
(訳注解説)
雪讒詩贈友人
(平生の行いが累をなして、他人からいろいろ悪評を広げられているので、賦して自分自身について正直に語ったものを、讒言をすすぐため友人に送った)
この詩は、李白の平生の行いが累をなして、他人からいろいろ悪評を広げられているので、賦して自分自身について正直に語ったものを、讒言をすすぐため友人に送ったものである。反省の体で、讒言を批判するのを四言、歯切れのよい詩であったり、六言に変調して、強調し、あざけったものである。
#4
洪燄爍山,發自纖煙。
かくして盛んな火炎が山を焦がして焼き付くけれど、それももとはといえば、か細い火種のようなもの、細い煙から起こるのである。
爍山 山が火炎によって溶かされるほど燃え上がることを言う。爍 ①ひかる。かがやく。「爍爍」
類 灼(シャク) ②とかす。金属をとかす。「爍金」 類 鑠(シャク). 下つき. 灼爍(シャクシャク)・閃爍(センシャク). 「爍」から始まる言葉. 爍爍(シャクシャク) · 爍かす(と-かす).
蒼波蕩日,起于微涓。
渺びょうたる大海の波が日を揺蕩するのも、小さな流れの集まったものに他ならないのである。
微涓 わずかな水の一滴を言う。涓. ①水のしずく。「涓滴」 ②小さい流れ。「涓流」 ③わずか。すこし。「涓毫(ケンゴウ)」 ④はらい清める。涓涓· 涓滴
交亂四國,播于八埏。
讒言の結果として最後には、交ごも国境を接する四方の国々に大騒乱を起こさしめ、果てはさらに八方に広がるというくらい、人の話に扉は立てられない小さな讒言から起こったものがあるのだ。
四國 領土の東西南北に接している四つの国。
拾塵掇蜂,疑聖猜賢。
顔回が飯を炊くとき、ゴミを拾って口に入れたというので、孔子の聖なるもこれを疑い自分にかくして「つまみ食いする」ということからの“教え”となったのである。
疑聖猜賢 聖人でさえ疑い、賢者でさえも猜疑心を持つということである。これh、論語に言う、孔子の顔回を疑った、「顔回の盗み食い」をいうのである。
「顔回の盗み食い」 |
陳国と蔡国の中間で孔子達の食糧が尽きてしまった。孔子達は、七日間も食べる物が無く、体力も衰え、昼間も横になって休むしかなかった。そんな時、顔回は何処からか米を貰って来て、すぐにご飯を炊き始めた。 しばらくしてご飯が蒸れた時、孔子は顔回が鍋のご飯を手でつかんで食べるところを見た。その後、ご飯が出来たので、顔回は孔子を食事に招いた。孔子はさっきのことを見てないふりをして起き上がり、顔回に「私はさっき祖先の夢を見ました。このご飯はとても清潔なので、まず祖先にお供えしてから食べよう」と言った。人が食べたご飯をお供えするのは、祖先に対し不敬になるのだ。 顔回は慌てて、「それはだめです!さっきご飯を炊いたとき、木炭の灰が鍋に落ちて、ご飯が汚れて、捨てるのは良くないので、つかんで食べました。」と言った。 顔回の言葉を聞いた孔子は嘆息して弟子たちに話した。「人は自分で見たものを信じるべきだが、目で見えても信用できるとは限らない。人は心に頼るが、自分の心があてにならない時もある。弟子たちよ、人を理解するのは簡単ではないことを忘れてはいけない!」 「顔回の盗み食い」この事で、孔子は危うく自分の優れた門下生を誤解するところだった。この後、孔子は「目で見た事が真実とは限らない」という道理を悟った。孔聖人でさえ誤って、自分が最も信頼している弟子を疑ってしまったのだから、ましてや普通の私達ではどうだろう。幸いにも、孔子は知恵を働かせて簡単に真実を知り、誤解を解くことができた。 人はしばしば自分が見たものだけを信じるが、目に見えないものはあまりにも多い。我々は外見だけで判断するのではなく,様々な角度から分別を認識しなければならない。自分が見た「見た目の印象」だけで恨みを抱く人は何人もいるが、死ぬまで自分の初めの認識が間違いだったことに気付かない。 |