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上留田行
薄遊出彼東道,上留田,
少しばかり遊びをしようと東山に向かう道に出発しようとする、留田の高楼に上ろう。
薄遊出彼東道,上留田,
少しばかり遊びをしようと東山に向かう道に出発しようとする、留田の高楼に上ろう。
循聽一何矗矗,上留田,
何度も聞いているとひと度どうしてなのか背伸びをグウッとして見るのだ、留田の高楼に上ろう。
澄川一何皎皎,上留田,
澄みきった川に対しているとひと度どうしてなのか背伸びをしたら明るく光り輝く日がこうこうとしている、留田の高楼に上ろう。
悠哉逷矣征夫,上留田,
ゆったりできたなあ、遠くに出ようとしている出征していく太夫がいる、留田の高楼に上ろう。
悠哉逷矣征夫,上留田,
ゆったりできたなあ、遠くに出ようとしている出征していく太夫がいる、留田の高楼に上ろう。
兩服上阪電遊,上留田,
脱いだ服をきちんと折りたたんで、奥座敷に上がり込んで稲光がするほどの遊びをしている、留田の高楼に上ろう。
舫舟下遊颷驅,上留田,
船を並べて舟遊びをして楽しむのであるそして風のように立ち去っていく、留田の高楼に上ろう。
此別既久無適,上留田,
この場所と別れてしまうとしばらくは、とても長くこんなたのしみはないのだ、留田の高楼に上ろう。
此別既久無適,上留田,
この場所と別れてしまうとしばらくは、とても長くこんなたのしみはないのだ、留田の高楼に上ろう。
寸心繫在萬里,上留田,
そんな男の心の内は万里の先にあるけれどこことつながっている、留田の高楼に上ろう。
尺素遵此千夕,上留田,
手紙をもらえばここで毎日夕方になればこれを読むのです、留田の高楼に上ろう。
秋冬迭相去就,上留田,
秋がさり冬がくるとたがいに互いを思ってどう身を処するかの態度をきめる、留田の高楼に上ろう。
素雪紛紛鶴委,上留田,
白い雪がしんしんと降れば鶴に気持ちをゆだねる、留田の高楼に上ろう。
清風飈飈入袖,上留田,
新年の清々しい風が飄々と吹いて袖口から入り、留田の高楼に上ろう。
嵗云暮矣增憂,上留田,
そしてまた暮になり、年の暮れの憂いが増すのである、留田の高楼に上ろう。
嵗云暮矣增憂,上留田,
そしてまた暮になり、年の暮れの憂いが増すのである、留田の高楼に上ろう。
誠知運來詎抑,上留田,
今となって本当に知ったことは、運命・人生にとってどうしても自分を抑制行くことが大切であるということだ、留田の高楼に上ろう。
熟視年往莫留,上留田。
年を重ねた経験のある目で見ると年齢が行くと抑制したりしないことだ、留田の高楼に上ろう。
薄【いささ】か遊び彼の東の道に出でん,上留田,
薄【いささ】か遊び彼の東の道に出でん,上留田,
聴くに循【したが】って一に何ぞ矗矗【ちくちく】たる,上留田,
澄める川一に何ぞ皎皎【きょうきょう】たる,上留田,
悠【ゆう】なるかな逷【とお】きかな征夫は,上留田,
服を両つにして阪を上り電【いなびかり】のごと遊び,上留田,
舟を舫【なら】べ下り遊び颷【かぜ】のごとく駆く,上留田,
此より別れて既に久しく適【たの】しみ無し,上留田,
此より別れて既に久しく適【たの】しみ無し,上留田,
寸心は繋【か】けて万里に在り,上留田,
尺素【しゃくそ】は比の千夕に遵【もち】う,上留田,
秋冬迭【たが】いに相い去り就く,上留田,
秋冬迭【たが】いに相い去り就く,上留田,
素雪【そせつ】は紛粉として鶴のごとく委【ゆだ】ね,上留田,
清風飈飈【ひょうひょう】として袖に入る,上留田,
歳 云に暮れ憂いを増す,上留田,
歳 云に暮れ憂いを増す,上留田,
誠に知る運り来たり詎【いか】んぞ抑【ふせ】がん,上留田,
熟視すれば年往【ゆ】きて留まる美し,上留田,
現代語訳と訳註
(本文)
寸心繫在萬里,上留田,
尺素遵此千夕,上留田,
秋冬迭相去就,上留田,
素雪紛紛鶴委,上留田,
清風飈飈入袖,上留田,
嵗云暮矣增憂,上留田,
嵗云暮矣增憂,上留田,
誠知運來詎抑,上留田,
熟視年往莫留,上留田。
(下し文)
寸心は繋【か】けて万里に在り,上留田,
尺素【しゃくそ】は比の千夕に遵【もち】う,上留田,
秋冬迭【たが】いに相い去り就く,上留田,
秋冬迭【たが】いに相い去り就く,上留田,
素雪【そせつ】は紛粉として鶴のごとく委【ゆだ】ね,上留田,
清風飈飈【ひょうひょう】として袖に入る,上留田,
歳 云に暮れ憂いを増す,上留田,
歳 云に暮れ憂いを増す,上留田,
誠に知る運り来たり詎【いか】んぞ抑【ふせ】がん,上留田,
熟視すれば年往【ゆ】きて留まる美し,上留田,
(現代語訳)
そんな男の心の内は万里の先にあるけれどこことつながっている、留田の高楼に上ろう。
手紙をもらえばここで毎日夕方になればこれを読むのです、留田の高楼に上ろう。
秋がさり冬がくるとたがいに互いを思ってどう身を処するかの態度をきめる、留田の高楼に上ろう。
白い雪がしんしんと降れば鶴に気持ちをゆだねる、留田の高楼に上ろう。
新年の清々しい風が飄々と吹いて袖口から入り、留田の高楼に上ろう。
そしてまた暮になり、年の暮れの憂いが増すのである、留田の高楼に上ろう。
そしてまた暮になり、年の暮れの憂いが増すのである、留田の高楼に上ろう。
今となって本当に知ったことは、運命・人生にとってどうしても自分を抑制行くことが大切であるということだ、留田の高楼に上ろう。
年を重ねた経験のある目で見ると年齢が行くと抑制したりしないことだ、留田の高楼に上ろう。
(訳注)
寸心繫在萬里,上留田,
そんな男の心の内は万里の先にあるけれどこことつながっている、留田の高楼に上ろう。
・寸心 【すんしん】ほんの少しの気持ち。自分の気持ちをへりくだっていう語。
尺素遵此千夕,上留田,
手紙をもらえばここで毎日夕方になればこれを読むのです、留田の高楼に上ろう。
○尺素 手紙をいう詩語。長さ一尺のしろぎぬに書いたので尺素という。古楽府「飲馬長城窟行」に「児を呼びて鯉魚を君れば、中に尺素の書有り」。
秋冬迭相去就,上留田,
秋がさり冬がくるとたがいに互いを思ってどう身を処するかの態度をきめる、留田の高楼に上ろう。
・迭 入れかわる。抜けて他のものとかわる。
・去就 1 背き離れることと、つき従うこと。 2 どう身を処するかの態度。進退。
素雪紛紛鶴委,上留田,
白い雪がしんしんと降れば鶴に気持ちをゆだねる、留田の高楼に上ろう。
・素雪 白い雪。
清風飈飈入袖,上留田,
新年の清々しい風が飄々と吹いて袖口から入り、留田の高楼に上ろう。
・清風 清々しい風流な時がやってくる。清々しい風は秋口の風、新春の風をいう。
嵗云暮矣增憂,上留田,
そしてまた暮になり、年の暮れの憂いが増すのである、留田の高楼に上ろう。
嵗云暮矣增憂,上留田,
そしてまた暮になり、年の暮れの憂いが増すのである、留田の高楼に上ろう。
誠知運來詎抑,上留田,
今となって本当に知ったことは、運命・人生にとってどうしても自分を抑制行くことが大切であるということだ、留田の高楼に上ろう。
熟視年往莫留,上留田。
年を重ねた経験のある目で見ると年齢が行くと抑制したりしないことだ、留田の高楼に上ろう。
・熟視 年を重ねた経験のある目で見ること。