登安陽城樓 李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -325
登安陽城樓
縣城南面漢江流,江漲開成南雍州。
襄陽城の南の城壁に向かって漢水の江が流れていく。川はその水を満々とたたえてこの南の襄陽の街を開いている。
才子乘春來騁望,羣公暇日坐銷憂。
才知にすぐれ、頭の働きのすばやい人は春が来たらその陽気にのってここまで馳せ参じてけしきをながめるのである。太公望は、暇な日を過ごすのにじっとすわって心配事をすくなくしたのである。
樓臺晚映青山郭,羅綺晴驕綠水洲。
城郭の高台は夕日に映えていて城郭の向こうに春霞の山々がかすんで見えている。春になるとうつくしいあや絹は晴れた日には妖艶な感じになってくるし、澄み切った水にまた中州も春に驕っている。
向夕波搖明月動,更疑神女弄珠遊。
夕方になってきて満々とたたえた漢水の水面は揺れているそして明るい月がのぼってくる。更に月の仙女が輝く宝飾をもって遊んでいるのかと見間違うようである。
安陽城の樓に登る
縣城の南面に 漢江流る,江を漲らせて成を開く 南雍の州。
才子 春に乘じて 來騁を望む,羣公 暇日 坐して銷を憂う。
樓臺 晚に映ず 青山の郭,羅綺 晴に驕りて綠水の洲。
夕に向い 波搖 明月 動じ,更に疑う 神女 珠遊に弄る。
現代語訳と訳註
(本文) 登安陽城樓
縣城南面漢江流,江漲開成南雍州。
才子乘春來騁望,羣公暇日坐銷憂。
樓臺晚映青山郭,羅綺晴驕綠水洲。
向夕波搖明月動,更疑神女弄珠遊。
(下し文)安陽城の樓に登る
縣城の南面に 漢江流る,江を漲らせて成を開く 南雍の州。
才子 春に乘じて 來騁を望む,羣公 暇日 坐して銷を憂う。
樓臺 晚に映ず 青山の郭,羅綺 晴に驕る綠水の洲。
夕に向い 波搖れ 明月 動ず,更に疑う 神女 珠遊に弄るかと。
(現代語訳)
襄陽城の南の城壁に向かって漢水の江が流れていく。川はその水を満々とたたえてこの南の襄陽の街を開いている。
才知にすぐれ、頭の働きのすばやい人は春が来たらその陽気にのってここまで馳せ参じてけしきをながめるのである。太公望は、暇な日を過ごすのにじっとすわって心配事をすくなくしたのである。
城郭の高台は夕日に映えていて城郭の向こうに春霞の山々がかすんで見えている。春になるとうつくしいあや絹は晴れた日には妖艶な感じになってくるし、澄み切った水にまた中州も春に驕っている。
夕方になってきて満々とたたえた漢水の水面は揺れているそして明るい月がのぼってくる。更に月の仙女が輝く宝飾をもって遊んでいるのかと見間違うようである。
(訳注)
登安陽城樓
○安陽城 西には太行山脈がそびえ、そこから流れる漳河(しょうが、海河水系衛河の支流)が河北省邯鄲市との境を流れる。中国七大古都(北京、南京、杭州、西安、洛陽、開封、安陽)の一つである。約三千三百年前の商代後期の都で中国古代王朝の一つである殷の時代の遺跡「殷墟」があり、ヒエログリフ、楔形文字と並び世界三大古代文字の一つに数えられる甲骨文字が大量に出土している。
縣城南面漢江流,江漲開成南雍州。
縣城の南面に 漢江流る,江を漲らせて成を開く 南雍の州。
襄陽城の南の城壁に向かって漢水の江が流れていく。川はその水を満々とたたえてこの南の襄陽の街を開いている。
○縣城 襄陽城。○江漲 春の雪解け水が満々と水を湛えていること。別には、嶂と造るものがある。その場合安陽城の北側を流れる漳河のことを指すのか。○開成 世の人知を開発し、事業を完成すること。○雍州 湖北省襄陽。九州の一つ。古代王朝の安陽ということ。
才子乘春來騁望,羣公暇日坐銷憂。
才子 春に乘じて 來騁を望む,羣公 暇日 坐して銷を憂う。
才知にすぐれ、頭の働きのすばやい人は春が来たらその陽気にのってここまで馳せ参じてけしきをながめるのである。太公望は、暇な日を過ごすのにじっとすわって心配事をすくなくしたのである。
○才子 才知にすぐれ、頭の働きのすばやい人。多く男についていう。才人。才物。 2 抜けめがなく要領のよい人。○張公両竜剣 竜泉、太阿という二つの宝剣が、豫章と豐城とで出土し、張華と雷煥の二人が、おのおのその一刀を待ったと伝えられる。その後、張華が誅せられ、剣のありかを失った。雷煥が亡くなったのち、子の雷華が剣を持って旅をし、延平津に通りかかった時、剣が突然、腰間から躍り出て水中におちた。人を水にもぐらせてさがしたが、剣は見つからず、しかし、長さ数丈の二頭の竜を見たという。○羣公 太公望のこと。○暇日 暇な日。仕事のない日。○銷憂 心配を消す。
樓臺晚映青山郭,羅綺晴驕綠水洲。
樓臺 晚に映ず 青山の郭,羅綺 晴に驕る綠水の洲。
城郭の高台は夕日に映えていて城郭の向こうに春霞の山々がかすんで見えている。春になるとうつくしいあや絹は晴れた日には妖艶な感じになってくるし、澄み切った水にまた中州も春に驕っている。
○樓臺 建物などの高台見晴らし台。高閣、高楼、やぐら。○青山 孟浩然の自然を動的に表現、遠近法的表現する。また、青は春を意味する。城郭の向こうに小高い山、峴山を遙かに望むことを意味する。
過故人莊
故人具雞黍,邀我至田家。
綠樹村邊合,青山郭外斜。
開筵面場圃,把酒話桑麻。
待到重陽日,還來就菊花。
○羅綺「羅」は、うすぎぬ。「綺」はあやぎぬ。美しい衣服。
向夕波搖明月動,更疑神女弄珠遊。
夕に向い 波搖れ 明月 動ず,更に疑う 神女 珠遊に弄るかと。
夕方になってきて満々とたたえた漢水の水面は揺れているそして明るい月がのぼってくる。更に月の仙女が輝く宝飾をもって遊んでいるのかと見間違うようである。
この詩は安陽城を借りて、襄陽城の遊郭のある大堤あたりから襄陽城の向こうに見える峴山を詠っているようである。
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