《楚辞 『九辯』》 宋玉 <案内> 『九辯』は楚の宋玉の作である。辯は変なであり、道徳をのべて以て君王の施政のあり方をのべる。九は陽の数、道の綱紀であると。宋玉は屈原の弟子である。師は忠義心あるも放逐せられた。故に『九辯』を作って其の志を述べた。
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《楚辞 『九辯』》 宋玉 <案内>
楚辞 『九辯』 宋玉 | ||||
九章説も、九の数に合わせるために無理に分けたような所もあって、確かではないが、一応旧説に準じて、九段に分けて訳注する。九辯」は楚辞の中でもすぐれた代表作品である。 | ||||
悲哉秋之為氣也!蕭瑟兮草木搖落而變衰, 憭慄兮若在遠行,登山臨水兮送將歸, 泬寥兮天高而氣清,寂寥兮收潦而水清, 憯悽增欷兮薄寒之中人,愴怳懭悢兮去故而就新, 坎廩兮貧士失職而志不平,廓落兮羇旅而無友生。 惆悵兮而私自憐。 | ||||
悲しいしいことよ、秋の気というものは! 風はさわさわと草木に吹きさびしく鳴っている。それにより、草木は葉を落とし、吹き散り、色を変わっておとろえる。 | ||||
逝く秋には心がいたみ悲しむもので、それは遠い旅路で、山に登ったり、水辺に立ったりして、故郷に帰ろうとする人を送る時のこころにおもうことのようである。 | ||||
秋の眺めはむなしく雲もない。大空は高くなり、空気は清々しいものとなる。秋の野はひっそりとしてくるし、物影もなくなるのだ。長雨で出来た道の溜り水も収まり引いて、秋の水は澄んでくるのだ。 | ||||
心は痛み悲しんで、しだいにすすり泣くのである、はだ寒い秋の気は次第に人の身にしみる寒さになるのである。そうして、物悲しくうつろな心になり、気力もうちしおれ、住みなれた土地を去って見知らぬ国に行くことになるのである。 | ||||
そのような境遇であれば心は楽しいものではなく、貧しい士太夫、その人は心中おだやかであるはずもない。ただ広々として寂しいのはその地も、こころもそうなのだ。その地を離れてこの旅の空に友達もいないのである。 | ||||
心は恨み嘆いており、そしてひそかに自分を憐れに思うことであろう。 | ||||
九辯 第一段ー#1 宋玉 <00-#1> | ||||
九辯 第一段ー#2 宋玉 <00-#2> | ||||
九辯 第二段-#1 宋玉 <00-#3> | ||||
九辯 第二段-#2 宋玉 <00-#4> | ||||
九辯 第三段-#1 宋玉 <00-#5> | ||||
九辯 第三段-#2 宋玉 <00-#6回目> | ||||
九辯 第三段-#3 宋玉 <00-#7回目> | ||||
九辯 第三段-#4 宋玉 <00-#8回目> | ||||
九辯 第四段-#1 宋玉 <00-#9回目> | ||||
九辯 第四段-#2 宋玉 <00-#10回目> | ||||
九辯 第五段-#1 宋玉 <00-#11> | ||||
九辯 第五段-#2 宋玉 <00-#12> | ||||
九辯 第五段-#3 宋玉 <00-#13> | ||||
九辯 第五段-#4 宋玉 <00-#14> | ||||
九辯 第五段-#5 宋玉 <00-#15> | ||||
九辯 第五段-#6 宋玉 <00-#16> | ||||
九辯 第六段-#1 宋玉 <00-#17> | ||||
九辯 第六段-#2 宋玉 <00-#18> | ||||
九辯 第一~ニ段(とおし) 宋玉 <00-#19> | ||||
九辯 第三段(とおし) 宋玉 <00-#20> | ||||
九辯 第四五段(とおし) 宋玉 <00-#21> | ||||
九辯 第七段-#1 宋玉 <00-#22> | ||||
九辯 第七段-#2 宋玉 <00-#23> | ||||
九辯 第八段-#1 宋玉 <00-#24> | ||||
九辯 第八段-#2 宋玉 <00-#25> | ||||
九辯 第六・七・八段 まとめ 宋玉 <00-#26> | ||||
九辯 第九段―#1 宋玉 <00-#27> | ||||
九辯 第九段―#2 宋玉 <00-#28> | ||||
九辯 第九段―#3 宋玉 <00-#29> | ||||
九辯 第九段―#4 宋玉 <00-#30> | ||||
九辯 第九段―#5 宋玉 <00-#31> | ||||
九辯 第九段―#6 宋玉 <00-#32> | ||||
九辯 第九段―#7 宋玉 <00-#33> | ||||
九辯 第九段―#8 宋玉 <00-#34> | ||||
九辯 第九段―まとめ 宋玉 <00-#35> | ||||
『九辯』は楚の宋玉の作である。辯は変なであり、道徳をのべて以て君王の施政のあり方をのべる。九は陽の数、道の綱紀であると。 宋玉は屈原の弟子である。師は忠義心あるも放逐せられた。故に『九辯』を作って其の志を述べた。 | ||||
宋玉は、戦国時代末期の文学者で、屈原の弟子とされる。屈原にならって主として辞賦作品を作っているが、その批判精神は受け継いではいない。主君の意向に沿った作品を作る宮廷作家の典型とされる。宋玉の作品は、《文選》には『風の賦』『高唐の賦』『神女の賦』『登徒子好色の賦』など,《楚辞》には『九弁』『招魂』などが収められる。ただ、彼の伝記に確実なよりどころがないこととあわせて,作品の来歴に多くの問題のあることが指摘されているが、旧説に合わせて紹介する。 | ||||