善哉行 謝靈運
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善哉行 謝靈運 宋詩<11-#2>玉台新詠・文選楽府 古詩源 巻五 635 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1757
善哉行
陽谷躍升,虞淵引落。景曜東隅,晼晚西薄。
朝日は湯谷の扶桑樹から躍り上がるように昇り、やがて太陽は、はるか西方の虞淵に沈んで夜になる。
朝日は桑畑の向こうからかがやいて昇り、かたむいた夕日は楡の畑に落ちて小さくなり暗くなっていく。
三春燠敷,九秋蕭索。涼來溫謝,寒往暑却。
春の三季は気候が温暖になっていき花が咲き誇り散って庭に敷物をしてくれるし、九秋は太陽、月、風も花も葉も次第に物寂しくなっていく。
すずしい風が吹き始めると熱射、熱気が去って行くが、じきに凍える寒さが訪れて暑かったときのことはすべて忘却してしまう。
居德斯頤,積善嬉謔。
徳を持った行いはその人の顔に反映されるし、善意・善幸をつみかさねればそれも希望どおり喜んだ気持ちになり、冗談も弾むというものだ。
#2
陰灌陽叢,凋華墮蕚。
日陰に日陰が合流するかと思えば日向に明かりが集まることもあるが、しおれた花はその花の咢から落してゆくものだ。
歡去易慘,悲至難鑠。
歓喜した後に悲惨なことが来るということも容易にわかるが、悲しいことがきてしまったらいきいきして元気をよくしようとしてもなかなかしがたいということだ。
擊節當歌,對酒當酌。
節季を迎えると歌を唄い、酒の宴を行い必ず盃を酌み交わすのである。
鄙哉愚人,戚戚懷瘼。
都から離れた土地ということを歎くのは愚かな人であり、自分が病に侵されていることは憂い恐れることなのだ。
善哉達士,滔滔處樂。
物事に達観している人こそ善いことである、其処には楽しいことがとうとうと溢れているということだ。
善哉行
陽は谷より躍升し,虞淵して引き落つ。
景は曜く東隅に,晼【かたむ】きて晚れ西に薄【せま】る。
三春は燠敷し,九秋は蕭索す。
涼來たり溫謝【さ】り,寒往き暑さ却【しりぞ】く。
德に居り斯【ここ】に頤【やしな】う,善を積み嬉謔す。
#2
陰灌【あきら】かにし陽叢まる,凋【しぼ】む華は蕚より墮つ。
歡び去り慘【いた】み易く,悲しみ至り鑠【と】け難し。
擊節し當に歌うべし,對酒して當に酌【く】むべし。
鄙なる哉 愚人,戚戚として瘼【くる】しみを懷う。
善哉の達士,滔滔として樂に處す。
『善哉行』 現代語訳と訳註
(本文)#2
陰灌陽叢,凋華墮蕚。歡去易慘,悲至難鑠。
擊節當歌,對酒當酌。鄙哉愚人,戚戚懷瘼。
善哉達士,滔滔處樂。
(下し文) #2
陰灌【あきら】かにし陽叢まる,凋【しぼ】む華は蕚より墮つ。
歡び去り慘【いた】み易く,悲しみ至り鑠【と】け難し。
擊節し當に歌うべし,對酒して當に酌【く】むべし。
鄙なる哉 愚人,戚戚として瘼【くる】しみを懷う。
善哉の達士,滔滔として樂に處す。
(現代語訳)
日陰に日陰が合流するかと思えば日向に明かりが集まることもあるが、しおれた花はその花の咢から落してゆくものだ。
歓喜した後に悲惨なことが来るということも容易にわかるが、悲しいことがきてしまったらいきいきして元気をよくしようとしてもなかなかしがたいということだ。
節季を迎えると歌を唄い、酒の宴を行い必ず盃を酌み交わすのである。
都から離れた土地ということを歎くのは愚かな人であり、自分が病に侵されていることは憂い恐れることなのだ。
物事に達観している人こそ善いことである、其処には楽しいことがとうとうと溢れているということだ。
(訳注)
#2善哉行
四言楽府、瑟調曲。人生の苦しみを詠う。
陰灌陽叢,凋華墮蕚。
日陰に日陰が合流するかと思えば日向に明かりが集まることもあるが、しおれた花はその花の咢から落してゆくものだ。
歡去易慘,悲至難鑠。
歓喜した後に悲惨なことが来るということも容易にわかるが、悲しいことがきてしまったらいきいきして元気をよくしようとしてもなかなかしがたいということだ。
・鑠 とかす。とける。鉱石や金属をごたまぜにして、熱してとかす。また、熱せられて金属がとける。 あかあかとかがやくさま。いきいきして元気がよい。美しい。
擊節當歌,對酒當酌。
節季を迎えると歌を唄い、酒の宴を行い必ず盃を酌み交わすのである。
鄙哉愚人,戚戚懷瘼。
都から離れた土地ということを歎くのは愚かな人であり、自分が病に侵されていることは憂い恐れることなのだ。
・鄙 [1]都から離れた土地。いなか。―にはまれな美人[2]支配の及ばない未開地に住む人々。えびす。
・戚戚 憂い悲しむさま。また、憂い恐れるさま。
・瘼 病,困苦.
善哉達士,滔滔處樂。
物事に達観している人こそ善いことである、其処には楽しいことがとうとうと溢れているということだ。
・達士 ある物事に熟達した人。練達の士。物事に達観している人。風流に生きていくことで納得して生きていく人。隠棲はしていないが気持ち的には世俗の事にこだわらない生活をする人。
・滔滔 1 水がとどまることなく流れるさま。2 次から次へとよどみなく話すさま。