蘇武 《詩四首 其四》#1 夜中蝋燭を焚き続けて過ごしたが見上げると十六夜の別れ月が夜明けの空に見ある、かぐわしい蘭の香りにつつまれる。その名残月と芳香はこの二人で過ごした夜に発して、ゆるやかな風にのってわが奥座敷へと漂って芳香をはこんで別離の情を一層深くする。
2013年8月6日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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蘇武 《詩四首 其四》#1 古詩源 詩<103-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩848 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2788
詩四首 其四
燭燭晨明月,馥馥秋蘭芳。
夜中蝋燭を焚き続けて過ごしたが見上げると十六夜の別れ月が夜明けの空に見ある、かぐわしい蘭の香りにつつまれる。
芬馨良夜發,隨風聞我堂。
その名残月と芳香はこの二人で過ごした夜に発して、ゆるやかな風にのってわが奥座敷へと漂って芳香をはこんで別離の情を一層深くする。
征夫懷遠路,遊子戀故鄉。
旅立つ人というものは、往くての長い道中を思い、異郷に留まる遊子というものは故郷を恋いしたうものである。
寒冬十二月,晨起踐嚴霜。
そうこうしていて寒冬十二月になった、朝早く起きて出て見れば、ひどい霜が足にあたる。
#2
俯觀江漢流,仰視浮雲翔。
良友遠別離,各在天一方。
山海隔中州,相去悠且長。
嘉會難再遇,歡樂殊未央。
願君崇令德,隨時愛景光。
燭燭たり農の明月、説法として秋蘭芳し、
券馨良夜に毒し、凪に随って我が堂に聞ゆ。
征夫遠路を懐ひ、遊子故郷を鯉ふ)
塞多い二月、鳥に起きて厳霜を践む。
#2
俯して江漢の流るるを観、仰いで浮雲の翔るを視る。
良友遠く離別し、各【おのお】の天の一方に在り。
山海中州を隔て、相去ること悠【はるか】にして且つ長し。
嘉會【かかい】再び遇ひ難く、歓楽殊【こと】に末だ央【つ】きず。
願はくば君 令 徳を崇くし、時に随ひて景光を愛せよ。
『詩四首 其四』 現代語訳と訳註
(本文)
燭燭晨明月,馥馥秋蘭芳。
芬馨良夜發,隨風聞我堂。
征夫懷遠路,遊子戀故鄉。
寒冬十二月,晨起踐嚴霜。
(下し文) (詩四首 其の四)
燭燭たり農の明月、説法として秋蘭芳し、
券馨良夜に毒し、凪に随って我が堂に聞ゆ。
征夫遠路を懐ひ、遊子故郷を鯉ふ)
塞多い二月、鳥に起きて厳霜を践む。
(現代語訳)
夜中蝋燭を焚き続けて過ごしたが見上げると十六夜の別れ月が夜明けの空に見ある、かぐわしい蘭の香りにつつまれる。
その名残月と芳香はこの二人で過ごした夜に発して、ゆるやかな風にのってわが奥座敷へと漂って芳香をはこんで別離の情を一層深くする。
旅立つ人というものは、往くての長い道中を思い、異郷に留まる遊子というものは故郷を恋いしたうものである。
そうこうしていて寒冬十二月になった、朝早く起きて出て見れば、ひどい霜が足にあたる。
(訳注)
詩四首 其四
燭燭晨明月,馥馥秋蘭芳。
夜中蝋燭を焚き続けて過ごしたが見上げると十六夜の別れ月が夜明けの空に見ある、かぐわしい蘭の香りにつつまれる。
○燭燭 光明のさま。
○晨明月 明月が明け方まで残るというと陰暦9月の16日から20日の名残月(別れ月)ということになる。
〇馥馥 芳ばしいこと。
〇我蘭芳 「秋蘭芳」に作るテクストもある。
芬馨良夜發,隨風聞我堂。
その名残月と芳香はこの二人で過ごした夜に発して、ゆるやかな風にのってわが奥座敷へと漂って芳香をはこんで別離の情を一層深くする。
〇芬馨 芳香に同じ。男女の性交の際の汗臭さを消す芳香を焚く臭い。
○良夜 男女の睦まじい混じり合いの夜。二人で過ごした夜。
〇聞我堂 「聞」は香気の伝わり及ぶこと、我々の奥座敷にまで芳香が漂い匂って来る。
征夫懷遠路,遊子戀故鄉。
旅立つ人というものは、往くての長い道中を思い、異郷に留まる遊子というものは故郷を恋いしたうものである。
寒冬十二月,晨起踐嚴霜。
そうこうしていて寒冬十二月になった、朝早く起きて出て見れば、ひどい霜が足にあたる。
「名月」から導かれる月について
泠色 冷は9月 初は8/3か,9/3である。澄むがあるので8月初めではなく、9/3と考える。9月は別れの月でもある。明月は8月15日の満月を云う。
三日月01
月は三夜五夜と日々明るくなり、十五夜には満月になる、四夜五夜と蟾蜍に喰われ兔もいなくなり、二十日夜になると欠け月になる。
陰暦十六夜の月。満月の翌晩は月の出がやや遅くなるのを、月がためらっていると見立てたもの。《季 秋》
陰暦二〇日の月。特に陰暦八月についていう。更け待ち月。[季]秋。
・月 雁声が聞こえる時の「月」とは、秋の月のことになる。月について、今夜は十二夜、満月には帰ってきてくれるという希望を持った意味となる。ちなみに十三夜は初恋。二十日は名残月、別れの月。閨情詩はそれぞれ別の意味を含んでいるので併せて考えると味わいが深くなる。)
・殘月 十五夜までにはなく陰暦十六日以降、一般的には二十日頃の夜明けに残る月を云う。このような月を詩に詠うは芸妓との別れる場合、人目を忍んで逢瀬を重ねた男女の別れを云う。
・初月 初月(はつづき、しょげつ). 三日月。陰暦3日(ごろ)の、月で最初に見え始める月。特に、陰暦8月の初月。唐朝の中興も未だ力微に、群盗の勢いなお盛んなることを暗示する。杜甫は同谷を出発したのは11月の終わりで成都に着いたのは12月20日を過ぎているはずである。したがってこの詩の「初月」はこの夜、昇った月ではない。秦州における杜甫の五言律詩『初月』「光細弦欲上,影斜輪未安。微升古塞外,已隱暮雲端。河漢不oborotsuki02h改色,關山空自寒。庭前有白露,暗滿菊花團。」秦州抒情詩(8) 初月 杜甫 <293>に“「八月三日の月」初月、三日月は、その光が細くこの日その弦形の尖端をうわむきにしている、しかしその影の部分は半円形の底辺のあたりはおちつかぬさまだ。三日月の影の部分が広がって満月になるエネルギー、そのことは自分の夢、希望を満たすことであり、それが自分とその家族の安寧、安定、おちつきにつながる輪、満月の満足までにはなっていない。”この『初月』に基づいている。
・立秋(りっしゅう)は、二十四節気の第13。七月節(旧暦6月後半 - 7月前半)。初めて秋の気配が現れてくる頃とされる。このころは涼しい、清という季語である。
・処暑(しょしょ)は、二十四節気の第14。七月中(通常旧暦7月内)。
・白露(はくろ)は、二十四節気の第15。八月節(旧暦7月後半 - 8月前半)。大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。『暦便覧』では、「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」と説明している。
・秋分(しゅうぶん)は、二十四節気の第16。八月中(旧暦8月内)。
・寒露(かんろ)は、二十四節気の第17。九月節(旧暦8月後半 - 9月前半)。露が冷気によって凍りそうになるころ。雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き止むころ。
・霜降(そうこう)は、二十四節気の第18。九月中(通常旧暦9月内)。露が冷気によって霜となって降り始めるころ。『暦便覧』では「露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」と説明している。
楓や蔦が紅葉し始めるころ。この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼ぶ。
・立冬(りっとう)は、二十四節気の第19。十月節(旧暦9月後半 - 10月前半)。初めて冬の気配が現われてくる日。『暦便覧』では、「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と説明している。
秋分と冬至の中間で、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合、この日から立春の前日までが冬となる