2013年5月23日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩 | |
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩 | 應詔詩 曹植 魏詩<76-#まとめ>文選 上 献詩 773 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2413 |
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ | |
Ⅱ中唐詩・晩唐詩 | 奉和虢州劉給事使君三堂新題二十一詠。竹溪 韓愈(韓退之) <125>Ⅱ中唐詩686 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2414 |
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" | |
Ⅲ杜甫詩1000詩集 | 陪李七司馬皂江上觀造竹橋即日成往來之人免冬寒入水聊題短作簡李公,二首之二 成都5-(41) 杜甫<466>漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2415 |
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集 不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている | |
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 | |
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩 | |
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 | 江村即事 司空曙 唐五代詞・宋詩 薛濤-174-46-#36-#4 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2417 |
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應詔詩 曹植 魏詩<76-#まとめ>文選 上 献詩 773 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2413
應詔詩
肅承明詔,應會皇都。
つつしんで天子の詔命を拝し、都に上って入朝しょうとした。
星陳夙駕,秣馬脂車。
朝まだき星を見ながら、馬車を陳ねて、馬には秣をやり、車には脂をさすなどして準備する。
命彼掌徒,肅我征旅。
わたしは供頭に命じて旅の用意に手落ちなきよう戒めた。
朝發鸞台,夕宿蘭渚。
朝に鸞がすんでいる高い台を発し、夕には蘭の花さく渚に宿する。
#2
芒芒原隰,祁祁士女。
はるかに平原が広がる、そこには農蚕にいそしむ多くの若い男女のすがたがある。
經彼公田,樂我稷黍。
帝王の徳に溢れているため、よく手入れされた公田を通りすぎ、成育する黍や稷を楽しげに見る。
爰有樛木,重陰匪息。
枝がからみあって下垂している木があり、木かげを作ってはいるが、休息しない。
雖有餱糧,飢不遑食。
また乾かした携帯食をもってはいるが、食べて飢をいやす暇はなく、ひたすら旅をいそぐのみなのだ。
#3
望城不過,面邑不游。
都市に入るにながめてみて、通りすぎることをしない。まち中にむかっても、遊びに行くことをしない。
僕夫警策,平路是由。
御者に馬をむちうたせて、馬車を早く走らせ、平らな道に従ってひたすら進むのだ。
玄駟藹藹,揚鑣漂沫。
黒毛の四頭の馬は、その勢いすさまじく、くつわをふりあげ、あわを吹いて疾駆する。
流風翼衡,輕雲承蓋。
くびきの負担を少くし、軽ろやかな雲は、車のおおいの後ろに沸き起こりおしすすめる。
#4
涉澗之濱,綠山之隈。
時には、谷川の水辺を通り、山のいりくんだ隈を周囲をふちどるようにすすむ。
遵彼河滸,黃坂是階。
また、かの河の岸によりしたがってすすみ、黄土のおおう坂道によってすすむ。
西濟關谷,或降或升。
西のかたをめざして、関所や渓谷をわたりすぎる。その間、時には下に降りたり、時には上に登るのである。
鋋驂倦路,載寢載興。
車をひく馬は旅路につかれ、一行の人々は寝る時間も少く、辛労を重ねる。
#5
將朝聖皇,匪敢晏寧。
これから聖皇帝にお目見得しょうとしている身である。どうして安閑としておられようものか。
珥節長騖,指日遄征。
時には、車をとどめて休息することもあるが、また遙かな道をはせて行く。太陽をゆびさしては、急ぎすすむのである。
前驅舉燧,后乘抗旌。
進行列のさきがけ役は、たいまつをかかげて道をてらし、進行のしんがり役は、はねのついた旗で進行のさしずをする。
輪不輟運,鸞無廢聲。
車輪はたえず回転し、車の鈴はなりつづける。
#6
爰暨帝室,稅此西墉。
天子の宮廷のあるところにようやく到着し、そこの西の館に宿をしたのである。
嘉詔未賜,朝覲莫從。
しかし、御目通りの詔を賜らないのであり、朝廷にお目見得するてだてもないのである。
仰瞻城閾,俯惟闕庭。
仕方なく、城内の門のしきみを、むなしく仰ぎみたり、こうべをたれて、皇居の庭の方へと、くさぐさの思いをはせるしかないのである。
長懷永慕,憂心如酲。
いついつまでも、君をなつかしみ、慕わしく思い、憂慮する心は、さながら悪酔いに沈んでいるかのようである。
#1
粛みて明詔【めいしょう】を承け、皇都に会するに應ず。
星陳 夙に駕し、馬に秣かひ車に脂さす。
彼の掌徒に命じ、我が征旅を粛す。
朝に鸞臺を発し、夕に蘭渚に宿す。
#2
芒芒たる原隰【げんしゅう】,祁祁【きき】たる士女。
彼の公田を經,我が稷黍【しょくしょ】樂しむ。
爰【ここ】に樛木【きゅうぼく】有り,重陰【ちょういん】匪れど息わず。
餱糧【こうりょう】有りと雖も,飢えて食うに遑【いとま】あらず。
#3
城を望めども過らず、邑【ゆう】に面【むかえ】へども遊ばず。
僕夫は警策し、平路に是れ由る。
玄駟【げんし】は藹藹【あいあい】として、鑣【くつわ】を揚げ沫を漂わす。
流風は衡【くびき】を翼【たす】け、軽雲は蓋【がい】を承【たす】く。
#4
潤の潜を捗り、山の隈を縁り。
彼の河の滸に遵い、黃坂に是れ階る。
西のかた關と谷を濟り,或いは降り、或いは升る。
鋋驂 路に倦み,載び寢ね載び興く。
#5
將に聖皇に朝せんとし,敢えて晏寧【あんねい】に匪ず。
節を珥め 長く騖【は】せ,日を指して遄【すみや】かに征く。
前驅 燧【すい】を舉げ,后乘【こうじょう】旌【しょう】を抗【あ】ぐ。
輪は運【め】ぐる輟【や】めず,鸞は聲を廢【や】むる無し。
#6
爰【ここ】に帝室に暨【いた】り,此の西墉【せいじょう】に稅【やど】る。
嘉詔【かしょう】未だ賜らざれば,朝覲【ちょうぎん】從【よし】莫し。
仰ぎて城閾【じょういき】を瞻て,俯して闕庭【けつてい】を惟う。
長く懷【なつか】しみ永く慕う,憂心 酲【てい】の如し。