西嶽の蓮花山にのぼってゆくと、はるかかなたに明星の仙女や西玉母が見える。玉女のまっしろな手に今を盛りに咲く千葉の蓮の花を捧げ、そして、歩みも軽げに空中を飛行していた。虹の裾と長い広帯をほうき星のような筋をつけて、風をきって昇天してゆく。

 
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製作年:  753  天寶十二年  53

卷別: 卷一六一  文體: 五言古詩 

詩題:古風,五十九首之十九

 

 

古風,五十九首之十九

西岳蓮花山。 迢迢見明星。

素手把芙蓉。 虛步躡太清。

霓裳曳廣帶。 飄拂升天行。

 

邀我登云台。 高揖衛叔卿。

恍恍與之去。 駕鴻凌紫冥。

俯視洛陽川。 茫茫走胡兵。

流血涂野草。 豺狼盡冠纓。

西嶽の蓮花山にのぼってゆくと、はるかかなたに明星の仙女や西玉母が見える。
玉女のまっしろな手に今を盛りに咲く千葉の蓮の花を捧げ、そして、歩みも軽げに空中を飛行していた。
虹の裾と長い広帯をほうき星のような筋をつけて、風をきって昇天してゆく。
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わたしをまねいてくれ雲台の上につれて行ってくれ、そこで衛叔卿にあいさつさせた。
夢見心地で仙人とともに、鴻にまたがり、はてしない大空の上へとんでいったのだ。
洛陽のあたりや黄河のあたり、地上を見おろすと、みわたすかぎり胡兵が走りまわっている。
流された血は野の草にまみれている。山犬や狼の輩がみな冠をかむっているのだ。
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古風,五十九首の十九

西のかた 蓮花山に上れば、迢迢として 明星を見る。

素手 芙蓉を把り、虚歩して 太晴を躡【ふ】む。

霓裳【げいしょう】 広帯を曳き、諷払 天に昇り行く。

 

我を邀【むか】えて雲台に登り、高く揖す 衛叔卿【えいしゅくけい】。

恍恍として 之と与に去り、鴻に駕して紫冥を凌ぐ。

俯して洛陽の川を視れば、茫茫として胡兵を走らす。

流血 野草に涂【まみ】れ。 豺狼【さいろう】盡く冠纓【かんえい】。

 

華山000 

古風,五十九首之十九』 現代語訳と訳註

(本文) 古風,五十九首の十九

西岳蓮花山。 迢迢見明星。

素手把芙蓉。 虛步躡太清。

霓裳曳廣帶。 飄拂升天行。

 

邀我登云台。 高揖衛叔卿。

恍恍與之去。 駕鴻凌紫冥。

俯視洛陽川。 茫茫走胡兵。

流血涂野草。 豺狼盡冠纓。

 

(下し文)

古風,五十九首の十九

西のかた 蓮花山に上れば、迢迢として 明星を見る。

素手 芙蓉を把り、虚歩して 太晴を躡【ふ】む。

霓裳【げいしょう】 広帯を曳き、諷払 天に昇り行く。

我を邀【むか】えて雲台に登り、高く揖す 衛叔卿【えいしゅくけい】。

恍恍として 之と与に去り、鴻に駕して紫冥を凌ぐ。

俯して洛陽の川を視れば、茫茫として胡兵を走らす。

流血 野草に涂【まみ】れ。 豺狼【さいろう】盡く冠纓【かんえい】。

 

(現代語訳)

西嶽の蓮花山にのぼってゆくと、はるかかなたに明星の仙女や西玉母が見える。
玉女のまっしろな手に今を盛りに咲く千葉の蓮の花を捧げ、そして、歩みも軽げに空中を飛行していた。
虹の裾と長い広帯をほうき星のような筋をつけて、風をきって昇天してゆく。
わたしをまねいてくれ雲台の上につれて行ってくれ、そこで衛叔卿にあいさつさせた。
夢見心地で仙人とともに、鴻にまたがり、はてしない大空の上へとんでいったのだ。
洛陽のあたりや黄河のあたり、地上を見おろすと、みわたすかぎり胡兵が走りまわっている。
流された血は野の草にまみれている。山犬や狼の輩がみな冠をかむっているのだ。
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(訳注)

古風五十九首之十九

李白の思想哲學を考察する上で、最も基礎的な文献として指摘・言及される作品は古風五十九首である。

修僻技法の側面とりわけ、隠喩やその延長線上にある諷喩においても、大きな成果をあげているものと考えられ、その表現手法そのものが、李白の発想上の特色なのである。

を明らかにする手掛りになるように思われるのである。

この李白を理解するためには、彼の代表的な連作である古風五十九首を一首づつ丁寧に読んでいく必要がある。この作品群に対する彼の作詩態度を探っていって、その後に、時系列に他の作品を読んでいくことが大切なのである。李白を理解する、早道であり、基本的な学習法である。一千首前後有り、長詩もあるので、毎日8句~10句程度で進める。できる事なら、それを数回繰り返して読み、螺旋階段を上るように理解が高められるということなのである。

 

古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集したのである。

泰山の道観 

西岳蓮花山。 迢迢見明星。
西嶽の最高峰に蓮花山があり、はるばると攀じ登っていくと明星玉女や西玉母に遭った。
○蓮花山 華山の最高峰。華山(西嶽;2,160m陝西省渭南市華陰市)

嵩山(中嶽;1,440m河南省鄭州市登封市)、

泰山(東嶽;1,545m山東省泰安市泰山区)、

衡山(南嶽;1,298m湖南省衡陽市衡山県)、

恒山(北嶽;2,016,m山西省大同市渾源県)とともに五嶽の一つにかぞえられ、中国大陸の西方をつかさどる山の神とされている。陝西省と山西省の境、黄河の曲り角にある。蓮花山の頂には池があり、千枚の花びらのある蓮の花を生じ、それをのむと羽がはえて自由に空をとぶ仙人になれるという。

陝西省と山西省の境、黄河の曲り角にある。蓮花山の頂には池があり、千枚の花びらのある蓮の花を生じ、それをのむと羽がはえて自由に空をとぶ仙人になれるという。華山(かざん、ホワシャン)は、中国陝西省華陰市にある険しい山。道教の修道院があり、中国五名山の一つで、西岳と称されている。最高峰となる南峰の標高は2,160m。花崗岩の岩場を削って、無数の石段が作られており、一部には断崖絶壁の上に作られた20cmほどしかない足場や桟道を通って行かねばならない場所があり、宗教聖地として、格段の険しい山として知られる。
 
○迢迢 はるかなさま。李白「長相思」につかう。

○明星 もと華山にすんでいた明星の玉女という女の仙人。

素手把芙蓉。 虛步躡太清。
玉女のまっしろな手に今を盛りに咲く千葉の蓮の花を捧げ、そして、歩みも軽げに空中を飛行していた。
○素手 しろい手。○芙蓉 蓮の異名。○虚歩 空中歩行。○太清 大空。

霓裳曳廣帶。 飄拂升天行。
虹の裾と長い広帯をほうき星のような筋をつけて、風をきって昇天してゆく。
○霓裳 虹の裾。

○諷払 ひらりひらり。裳と長い広帯をほうき星のような筋をつけて、風を切って飛行する形容。

邀我登云台。 高揖衛叔卿。
わたしをまねいてくれ雲台の上につれて行ってくれ、そこで衛叔卿にあいさつさせた。
○雲台 崋山の東北にそびえる峰。

○高揖 手を高くあげる敬礼。

○衛叔卿 中叫という所の人で、雲母をのんで仙人になった。漢の武帝は仙道を好んだ。武帝が殿上に閑居していると、突然、一人の男が雲の車にのり、白い鹿にその車をひかせて天からおりて来た。仙道を好む武帝に厚遇されると思い来たのだった。童子のような顔色で、羽の衣をき、星の冠をかむっていた。武帝は誰かとたずねると、「わたしは中山の衛叔卿だ。」と答えた。皇帝は「中山の人ならば、朕の臣じゃ。近う寄れ、苦しゅうないぞ。」邸重な礼で迎えられると期待していた衛叔卿は失望し、黙然としてこたえず、たちまち所在をくらましてしまったという。

恍恍與之去。 駕鴻凌紫冥。
夢見心地で仙人とともに、鴻にまたがり、はてしない大空の上へとんでいったのだ。
○恍恍 うっとり、夢見心地。

○鴻 雁の一種。大きな鳥。○繋冥 天。

俯視洛陽川。 茫茫走胡兵。
洛陽のあたりや黄河のあたり、地上を見おろすと、みわたすかぎり胡兵が走りまわっている。
○俯視 見下ろす。高いところから下を見下ろす。

○洛陽川 河南省の洛陽のあたりの平地。川は、河川以外にその平地をさすことがある。○茫茫 ひろびろと広大なさま。

○胡兵 えびすの兵。安禄山の反乱軍。玄宗の天宝十四戟(七五五年)十一月、叛旗をひるがえした安禄山の大軍は、いまの北京から出発して長安に向い、破竹の勢いで各地を席捲し、同年十二月には、はやくも東都洛陽を陥落した。

流血涂野草。 豺狼盡冠纓。
流された血は野の草にまみれている。山犬や狼の輩がみな冠をかむっているのだ。
○豺狼 山犬と狼。

○冠浬 かんむりのひも。
李白図102