漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之のブログ 女性詩、漢詩・建安六朝・唐詩・李白詩 1000首:李白集校注に基づき時系列に訳注解説

李白の詩を紹介。青年期の放浪時代。朝廷に上がった時期。失意して、再び放浪。李白の安史の乱。再び長江を下る。そして臨終の歌。李白1000という意味は、目安として1000首以上掲載し、その後、系統別、時系列に整理するということ。 古詩、謝霊運、三曹の詩は既掲載済。女性詩。六朝詩。文選、玉臺新詠など、李白詩に影響を与えた六朝詩のおもなものは既掲載している2015.7月から李白を再掲載開始、(掲載約3~4年の予定)。作品の作時期との関係なく掲載漏れの作品も掲載するつもり。李白詩は、時期設定は大まかにとらえる必要があるので、従来の整理と異なる場合もある。現在400首以上、掲載した。今、李白詩全詩訳注掲載中。

▼絶句・律詩など短詩をだけ読んでいたのではその詩人の良さは分からないもの。▼長詩、シリーズを割席しては理解は深まらない。▼漢詩は、諸々の決まりで作られている。日本人が読む漢詩の良さはそういう決まり事ではない中国人の自然に対する、人に対する、生きていくことに対する、愛することに対する理想を述べているのをくみ取ることにあると思う。▼詩人の長詩の中にその詩人の性格、技量が表れる。▼李白詩からよこみちにそれているが、途中で孟浩然を45首程度(掲載済)、謝霊運を80首程度(掲載済み)。そして、女性古詩。六朝、有名な賦、その後、李白詩全詩訳注を約4~5年かけて掲載する予定で整理している。
その後ブログ掲載予定順は、王維、白居易、の順で掲載予定。▼このほか同時に、Ⅲ杜甫詩のブログ3年の予定http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-tohoshi/、唐宋詩人のブログ(Ⅱ李商隠、韓愈グループ。)も掲載中である。http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/,Ⅴ晩唐五代宋詞・花間集・玉臺新詠http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-godaisoui/▼また漢詩理解のためにHPもいくつかサイトがある。≪ kanbuniinkai ≫[検索]で、「漢詩・唐詩」理解を深めるものになっている。
◎漢文委員会のHP http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/profile1.html
Author:漢文委員会 紀 頌之です。
大病を患い大手術の結果、半年ぶりに復帰しました。心機一転、ブログを開始します。(11/1)
ずいぶん回復してきました。(12/10)
訪問ありがとうございます。いつもありがとうございます。
リンクはフリーです。報告、承諾は無用です。
ただ、コメント頂いたても、こちらからの返礼対応ができません。というのも、
毎日、6 BLOG,20000字以上活字にしているからです。
漢詩、唐詩は、日本の詩人に大きな影響を残しました。
だからこそ、漢詩をできるだけ正確に、出来るだけ日本人の感覚で、解釈して,紹介しています。
体の続く限り、広げ、深めていきたいと思っています。掲載文について、いまのところ、すべて自由に使ってもらって結構ですが、節度あるものにして下さい。
どうぞよろしくお願いします。

Index-3Ⅰ- 2-720年開元八年20歳から23歳

74 《春感詩》Index-3Ⅰ- 2-720年開元八年20歳から23歳 成都・峨嵋山に遊ぶ <74> Ⅰ李白詩1238 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4738

この国土は、南から北へ広々としてはるかで、際涯がない、自分の道が真っ直ぐであるほど、万事うまく成功しないものだ。街がこんな状態でさわがしいものであるから道を究めることなどできないから、自分としては青山のほとりに分け入り、雲門の竹林に掩われた書斎に静かに座りたいものだと思う。

 
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 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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index-3*-3- 720年開元八年20

6

No.

詩題

詩文初句

 

1

上李邕

大鵬一日同風起,

卷八

2

酬宇文少府見贈桃竹書筒

桃竹書筒綺繡文,

巻十八

3

登錦城散花樓

日照錦城頭,

巻二十

4

登峨眉山

蜀國多仙山,

巻二十

5

冬日歸舊山

未洗染塵纓,

巻二十五

6

春感詩

茫茫南與北,

巻二十五

 

 

制作年:              720年開元八年20

卷別:    卷一八五              文體:    五言律詩

詩題:    春感詩〔白隱居戴天大匡山,往來旁郡,依潼江趙徵君蕤。蕤亦節士,任俠有氣,善為縱橫學,著書號長短經。白從學餘,去遊成都,賦此詩,益州刺史蘇頲見而異之。〕〔見《唐詩紀事》、《詩紀》。】

作地點:              錦城(劍南道北部 / 益州 / 錦城)

及地點:              雲門寺 (江南東道 越州 山陰)           

 

 

春感詩

(春になって思うこと)

茫茫南與北,道直事難諧。

この国土は、南から北へ広々としてはるかで、際涯がない、自分の道が真っ直ぐであるほど、万事うまく成功しないものだ。

莢錢生樹,楊花玉糝街。

今、春も終わり、漢の時代の錢の形をした楡の実が樹になっている、楊柳の花は散り乱れて宝玉を街中にしいたようである。

塵縈遊子面,蝶弄美人釵。

車馬が行き交う道路の上には、塵埃が旅人の顔面に降りかかるし、蛺蝶は美人の簪をもてあそんで、飛び廻っている。

卻憶青山上,雲門掩竹齋。

街がこんな状態でさわがしいものであるから道を究めることなどできないから、自分としては青山のほとりに分け入り、雲門の竹林に掩われた書斎に静かに座りたいものだと思う。

 

 

(春感詩)

茫茫たり 南と北と,道直くして 事 諧【かな】い難し。

莢【ゆきょう】錢 樹に生じ,楊花 玉 街に糝す。

塵は縈【めぐ】るの遊子の面,蝶は弄す 美人の釵。

卻って憶う 青山の上,雲門に竹齋を掩う。

 

rihakustep足跡 

 

『春感詩』 現代語訳と訳註

(本文)

春感詩

茫茫南與北,道直事難諧。

莢錢生樹,楊花玉糝街。

塵縈遊子面,蝶弄美人釵。

卻憶青山上,雲門掩竹齋。

 

(下し文)

(春感詩)

茫茫たり 南と北と,道直くして 事 諧【かな】い難し。

莢【ゆきょう】錢 樹に生じ,楊花 玉 街に糝す。

塵は縈【めぐ】るの遊子の面,蝶は弄す 美人の釵。

卻って憶う 青山の上,雲門に竹齋を掩う。

 

(現代語訳)

(春になって思うこと)

この国土は、南から北へ広々としてはるかで、際涯がない、自分の道が真っ直ぐであるほど、万事うまく成功しないものだ。

今、春も終わり、漢の時代の錢の形をした楡の実が樹になっている、楊柳の花は散り乱れて宝玉を街中にしいたようである。

車馬が行き交う道路の上には、塵埃が旅人の顔面に降りかかるし、蛺蝶は美人の簪をもてあそんで、飛び廻っている。

街がこんな状態でさわがしいものであるから道を究めることなどできないから、自分としては青山のほとりに分け入り、雲門の竹林に掩われた書斎に静かに座りたいものだと思う。

李白図102 

(訳注)

春感詩

(春になって思うこと)

 

茫茫南與北,道直事難諧。

この国土は、南から北へ広々としてはるかで、際涯がない、自分の道が真っ直ぐであるほど、万事うまく成功しないものだ。

茫茫 1 広々としてはるかなさま。2 ぼんやりかすんではっきりしないさま。3 草・髪などが伸びて乱れているさま。

 

莢錢生樹,楊花玉糝街。

今、春も終わり、漢の時代の錢の形をした楡の実が樹になっている、楊柳の花は散り乱れて宝玉を街中にしいたようである。

 漢代錢名,即莢錢。重三銖,錢面有「漢興」二字。見漢書.卷二十四.食貨志下。樹在春季結成的果實。

 

塵縈遊子面,蝶弄美人釵。

車馬が行き交う道路の上には、塵埃が旅人の顔面に降りかかるし、蛺蝶は美人の簪をもてあそんで、飛び廻っている。

 

卻憶青山上,雲門掩竹齋。

街がこんな状態でさわがしいものであるから道を究めることなどできないから、自分としては青山のほとりに分け入り、雲門の竹林に掩われた書斎に静かに座りたいものだと思う。

青山上 四川の靑城山の道教本山の事であろう。李白は載天山から、青城山を経て、峨嵋山に遊んでいる。

雲門 江南東道 越州、山陰の雲門寺で、蜀を後にして旅に出たいということ。

73-#2 《冬日歸舊山》Index-3Ⅰ- 2-720年開元八年20歳から23歳 成都・峨嵋山に遊ぶ <73-#2> Ⅰ李白詩1238 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4738

しばらくはここに留まっているつもりであるが、この時、若しここを立ち去るということになるなら、今度は、全く浮世と絶縁して、三清の大空へ昇天したいとおもうのだ。

 
 2014年8月31日の紀頌之5つのブログ 
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 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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 Ⅱ中唐詩・晩唐詩
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437-#3 《謝自然詩》韓愈(韓退之)ID <1151> Ⅱ韓昌黎集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4739韓愈詩-437-#3 
 ・李商隠詩 (1) 136首の75首・李商隠詩 (2) 135首の61首●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首 
 index-5 806年39歳 50首の(2)25首index-6[807年~809年 42歳]20首index-7[810年~811年 44歳] 34首index-8 [812年~814年47歳]46首index-9[815年~816年 49歳] 57首index-10[817年~818年 51歳]・「平淮西碑」28首 
 index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など 
 孟郊張籍     
 ●杜甫の全作品1500首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" 
 Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorブログ765年永泰元年54歲-03 《莫相疑行-#1》 杜甫index-15<803-#1> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4740 杜甫詩1500-803-#1-1119/2500 
 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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 ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor15-456《漁歌子一首》魏承班Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-639-15-(456) 19漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4742 
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index-3*-3- 720年開元八年20

6

No.

詩題

詩文初句

 

1

上李邕

大鵬一日同風起,

卷八

2

酬宇文少府見贈桃竹書筒

桃竹書筒綺繡文,

巻十八

3

登錦城散花樓

日照錦城頭,

巻二十

4

登峨眉山

蜀國多仙山,

巻二十

5

冬日歸舊山

未洗染塵纓,

巻二十五

6

春感詩

茫茫南與北,

巻二十五

 

 

制作年:              720年開元八年20

卷別:    卷一八五              文體:    五言古詩

詩題:    冬日歸舊山

作地點:              戴天山(劍南道北部 / 綿州 / 無第三級行政層級)

及地點:              戴天山 (劍南道北部 綿州 昌明) 別名:大康山、大匡山、匡山  

 

 

冬日歸舊山

(この詩は、冬日、むかしの山居に帰るときに心境を詠った。)#1

未洗染塵纓,歸來芳草平。

塵に染まった冠の紐を未だに洗うことなどしないままで、旧山に帰ってみるとその辺一帯はあれはてて芳草が平らかにしいた様に生えている。

一條藤徑綠,萬點雪峰晴。

そこに通じている一筋の小道には、藤の蔓がからみあっていて、その色は緑であるし新たに雪を頂きにかぶった万点の峰は、晴れた空にくっきりと聳えている。

地冷葉先盡,谷寒雲不行。

地には、日光を受けずして、冷ややかなるによって、葉はまずすべて落ち去って、谷は寒く、雲も湧いてゆくことはない。

嫩篁侵舍密,古樹倒江橫。

若竹は、家を侵して、密に繁り、古樹、古木は江水の辺に倒れて横たわっている。

白犬離村吠,蒼苔壁上生。

白い犬は、村を離れて吠え、青苔は壁上にしょうじている。

#2

穿廚孤雉過,臨屋舊猿鳴。

それから、厨房が穿っていて、そこから一羽の雉が飛び過ぎていく。屋根の上には、昔馴染みの猿がないている。

木落禽巢在,籬疏獸路成。

中に入って、寝牀を掃うと蒼鼠が走り回り、手文庫をひっくり返してみると紙魚が驚いて飛び出す。

拂床蒼鼠走,倒篋素魚驚。

それから硯を洗って、この屋の修繕について良策を書き連ねてみる、松の木を敲いて、この身も、松特有の貞節になぞられるものとおもうのだ。

洗硯修良策,敲松擬素貞。

しばらくはここに留まっているつもりであるが、この時、若しここを立ち去るということになるなら、此時重一去,去合到三清。

今度は、全く浮世と絶縁して、三清の大空へ昇天したいとおもうのだ。

 

冬日歸舊山

未だ洗わず 塵に染むるの纓,歸り來れば芳草平らかなり。

一條 藤徑綠に,萬點 雪峰の晴。

地 冷やかにして 葉 先ず盡き,谷寒くして雲行かず。

嫩篁【どんこう】舍を侵して密,古樹 江に倒れ橫たう。

白犬 村を離れて吠え,蒼苔 壁上りて生ず。

#2

廚を穿って孤雉【こち】過ぎ,屋に臨んで舊猿鳴く。

木落ちて禽巢在り,籬 疏にして 獸路成る。

床を拂えば蒼鼠【そうそ】走り,篋【きょう】を倒【さかしま】にすれば素魚驚く。

硯を洗うて良策を修し,松を敲いて素貞に擬す。

此の時 重ねて一去,去らば合【まさ】に 三清に到るべし。

2蜀の山00 

 

『冬日歸舊山』 現代語訳と訳註

(本文)#2

穿廚孤雉過,臨屋舊猿鳴。

木落禽巢在,籬疏獸路成。

拂床蒼鼠走,倒篋素魚驚。

洗硯修良策,敲松擬素貞。

 

(下し文)#2

廚を穿って孤雉【こち】過ぎ,屋に臨んで舊猿鳴く。

木落ちて禽巢在り,籬 疏にして 獸路成る。

床を拂えば蒼鼠【そうそ】走り,篋【きょう】を倒【さかしま】にすれば素魚驚く。

硯を洗うて良策を修し,松を敲いて素貞に擬す。

此の時 重ねて一去,去らば合【まさ】に 三清に到るべし。

 

(現代語訳)

それから、厨房が穿っていて、そこから一羽の雉が飛び過ぎていく。屋根の上には、昔馴染みの猿がないている。

中に入って、寝牀を掃うと蒼鼠が走り回り、手文庫をひっくり返してみると紙魚が驚いて飛び出す。

それから硯を洗って、この屋の修繕について良策を書き連ねてみる、松の木を敲いて、この身も、松特有の貞節になぞられるものとおもうのだ。

しばらくはここに留まっているつもりであるが、この時、若しここを立ち去るということになるなら、今度は、全く浮世と絶縁して、三清の大空へ昇天したいとおもうのだ。

李白図102 

(訳注) #2

冬日歸舊山

(この詩は、冬日、むかしの山居に帰るときに心境を詠った。)#2

 

穿廚孤雉過,臨屋舊猿鳴。

それから、厨房が穿っていて、そこから一羽の雉が飛び過ぎていく。屋根の上には、昔馴染みの猿がないている。

穿廚 厨房が穿っている。台所には食べ物の残りかすがあり、屋根が破れて、そこから雉が飛び出した。

 

木落禽巢在,籬疏獸路成。

木の葉はすっかり落ちて、鳥の巣が丸見えでわかるし、籬は疎らになっていて、野獣の通路が出来上がっている。

 

拂床蒼鼠走,倒篋素魚驚。

中に入って、寝牀を掃うと蒼鼠が走り回り、手文庫をひっくり返してみると紙魚が驚いて飛び出す。

 寝牀。

 書物を蔵する箱。

素魚 「シミ(衣魚、紙魚)」と総称される。人家に生息するものが本を食害すると思われていたため「紙魚」と書かれる。

 

洗硯修良策,敲松擬素貞。

それから硯を洗って、この屋の修繕について良策を書き連ねてみる、松の木を敲いて、この身も、松特有の貞節になぞられるものとおもうのだ。

素貞 松特有の貞節が男としての貞節に擬す。

 

此時重一去,去合到三清。

しばらくはここに留まっているつもりであるが、この時、若しここを立ち去るということになるなら、今度は、全く浮世と絶縁して、三清の大空へ昇天したいとおもうのだ。

到三清 三清の大空へ昇天したいということ。

 nat0001

73-#1 《冬日歸舊山》Index-3Ⅰ- 2-720年開元八年20歳から23歳 成都・峨嵋山に遊ぶ <73-#1> Ⅰ李白詩1237 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4733

塵に染まった冠の紐を未だに洗うことなどしないままで、旧山に帰ってみるとその辺一帯はあれはてて芳草が平らかにしいた様に生えている。そこに通じている一筋の小道には、藤の蔓がからみあっていて、その色は緑であるし新たに雪を頂きにかぶった万点の峰は、晴れた空にくっきりと聳えている。

 
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 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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73-#1

《冬日歸舊山》Index-3- 2-720年開元八年20歳から23歳 成都・峨嵋山に遊ぶ <73-#1> Ⅰ李白詩1237 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4733

 

 

index-3*-3- 720年開元八年20

6

No.

詩題

詩文初句

 

1

上李邕

大鵬一日同風起,

卷八

2

酬宇文少府見贈桃竹書筒

桃竹書筒綺繡文,

巻十八

3

登錦城散花樓

日照錦城頭,

巻二十

4

登峨眉山

蜀國多仙山,

巻二十

5

冬日歸舊山

未洗染塵纓,

巻二十五

6

春感詩

茫茫南與北,

巻二十五

 

 

制作年:              720年開元八年20

卷別:    卷一八五              文體:    五言古詩

詩題:    冬日歸舊山

作地點:              戴天山(劍南道北部 / 綿州 / 無第三級行政層級)

及地點:              戴天山 (劍南道北部 綿州 昌明) 別名:大康山、大匡山、匡山  

 

 

冬日歸舊山

(この詩は、冬日、むかしの山居に帰るときに心境を詠った。)#1

未洗染塵纓,歸來芳草平。

塵に染まった冠の紐を未だに洗うことなどしないままで、旧山に帰ってみるとその辺一帯はあれはてて芳草が平らかにしいた様に生えている。

一條藤徑綠,萬點雪峰晴。

そこに通じている一筋の小道には、藤の蔓がからみあっていて、その色は緑であるし新たに雪を頂きにかぶった万点の峰は、晴れた空にくっきりと聳えている。

地冷葉先盡,谷寒雲不行。

地には、日光を受けずして、冷ややかなるによって、葉はまずすべて落ち去って、谷は寒く、雲も湧いてゆくことはない。

嫩篁侵舍密,古樹倒江橫。

若竹は、家を侵して、密に繁り、古樹、古木は江水の辺に倒れて横たわっている。

白犬離村吠,蒼苔壁上生。

白い犬は、村を離れて吠え、青苔は壁上にしょうじている。

#2

穿廚孤雉過,臨屋舊猿鳴。

木落禽巢在,籬疏獸路成。

拂床蒼鼠走,倒篋素魚驚。

洗硯修良策,敲松擬素貞。

此時重一去,去合到三清。

 

冬日歸舊山

未だ洗わず 塵に染むるの纓,歸り來れば芳草平らかなり。

一條 藤徑綠に,萬點 雪峰の晴。

地 冷やかにして 葉 先ず盡き,谷寒くして雲行かず。

嫩篁【どんこう】舍を侵して密,古樹 江に倒れ橫たう。

白犬 村を離れて吠え,蒼苔 壁上りて生ず。

#2

廚を穿って孤雉【こち】過ぎ,屋に臨んで舊猿鳴く。

木落ちて禽巢在り,籬 疏にして 獸路成る。

床を拂えば蒼鼠【そうそ】走り,篋【きょう】を倒【さかしま】にすれば素魚驚く。

硯を洗うて良策を修し,松を敲いて素貞に擬す。

此の時 重ねて一去,去らば合【まさ】に 三清に到るべし。

 

nat0001 

『冬日歸舊山』 現代語訳と訳註

(本文)

冬日歸舊山―#1

未洗染塵纓,歸來芳草平。

一條藤徑綠,萬點雪峰晴。

地冷葉先盡,谷寒雲不行。

嫩篁侵舍密,古樹倒江橫。

白犬離村吠,蒼苔壁上生。

 

(下し文)

冬日歸舊山

未だ洗わず 塵に染むるの纓,歸り來れば芳草平らかなり。

一條 藤徑綠に,萬點 雪峰の晴。

地 冷やかにして 葉 先ず盡き,谷寒くして雲行かず。

嫩篁【どんこう】舍を侵して密,古樹 江に倒れ橫たう。

白犬 村を離れて吠え,蒼苔 壁上りて生ず。
 

(現代語訳)

(この詩は、冬日、むかしの山居に帰るときに心境を詠った。)#1

塵に染まった冠の紐を未だに洗うことなどしないままで、旧山に帰ってみるとその辺一帯はあれはてて芳草が平らかにしいた様に生えている。

そこに通じている一筋の小道には、藤の蔓がからみあっていて、その色は緑であるし新たに雪を頂きにかぶった万点の峰は、晴れた空にくっきりと聳えている。

地には、日光を受けずして、冷ややかなるによって、葉はまずすべて落ち去って、谷は寒く、雲も湧いてゆくことはない。

若竹は、家を侵して、密に繁り、古樹、古木は江水の辺に倒れて横たわっている。

白い犬は、村を離れて吠え、青苔は壁上にしょうじている。

 

(訳注)

冬日歸舊山

(この詩は、冬日、むかしの山居に帰るときに心境を詠った。)#1

 

未洗染塵纓,歸來芳草平。

塵に染まった冠の紐を未だに洗うことなどしないままで、旧山に帰ってみるとその辺一帯はあれはてて芳草が平らかにしいた様に生えている。

 

一條藤徑綠,萬點雪峰晴。

そこに通じている一筋の小道には、藤の蔓がからみあっていて、その色は緑であるし新たに雪を頂きにかぶった万点の峰は、晴れた空にくっきりと聳えている。

藤徑 藤の蔓が這いまつわっている小路。

雪峰 雪を頂く嶺。雪嶺山脈に雪を頂いている。

 

地冷葉先盡,谷寒雲不行。

地には、日光を受けずして、冷ややかなるによって、葉はまずすべて落ち去って、谷は寒く、雲も湧いてゆくことはない。

雲不行 古代では、雲は巌谷、洞窟から湧き出るものとされるが、谷が寒気に覆われ出て来ないという。

 

嫩篁侵舍密,古樹倒江橫。

若竹は、家を侵して、密に繁り、古樹、古木は江水の辺に倒れて横たわっている。

嫩篁 若竹。

 

白犬離村吠,蒼苔壁上生。

白い犬は、村を離れて吠え、青苔は壁上にしょうじている。
nat0002 

61 《登峨眉山》Index-2Ⅰ- 2-720年開元八年20歳13登峨眉山蜀國多仙山, <61> Ⅰ李白詩1225 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4673

蜀の国には仙郷の山が多くある。その中でも峨嵋山だけは邈然として、他にその類を見ないくらいのものである。仙山といわれる山を周遊して、一度登覧をこころみたが、その特に奇怪なる事物どもは、どうしても詳悉することができない。

 
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 ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場 
 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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61 《登峨眉山》Index-2Ⅰ- 2-720年開元八年20歳13登峨眉山蜀國多仙山, <61> Ⅰ李白詩1225 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4673 
 孟浩然 詩 index李白詩index謝霊運 詩 index司馬相如 《 子虛賦 ・上林賦 》揚雄 《 甘泉賦 》 ●諸葛亮(孔明)出師表 
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437-#1 《謝自然詩》韓愈(韓退之)ID <1149> Ⅱ韓昌黎集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4729韓愈詩-437-#1 
 ・李商隠詩 (1) 136首の75首・李商隠詩 (2) 135首の61首●韓愈index-1 ・孟郊、張籍と交遊・汴州乱41首●韓愈詩index-2[800年 33歳~804年 37歳]27首●韓愈詩index-3 805年 38歳・]陽山から江陵府 36首●韓愈詩index-4 806年 39歳 江陵府・権知国子博士 51首(1)25首 
 index-5 806年39歳 50首の(2)25首index-6[807年~809年 42歳]20首index-7[810年~811年 44歳] 34首index-8 [812年~814年47歳]46首index-9[815年~816年 49歳] 57首index-10[817年~818年 51歳]・「平淮西碑」28首 
 index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首index-13 821年~822年 55歳 22首index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首韓愈 哲学・儒学「五原」賦・散文・上奏文・碑文など 
 孟郊張籍     
 ●杜甫の全作品1500首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" 
 Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorブログ765年永泰元年54歲-02 《除草》 杜甫index-14 764年 杜甫<802-#1> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4730 杜甫詩1500-802-#1-1117/2500 
 杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩) 杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首 
 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
 ●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている 
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 ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor15-454《生查子二首》魏承班Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-637-15-(454) 巻九漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4732 
 薛濤の全詩花間集(1)花間集(2)花間集(3)花間集(4)花間集(5) 
 魚玄機全詩●花間集(6)●花間集(7)●花間集(8)●花間集(9)●花間集(10) 
 温庭筠66首 花間集1・2巻皇甫松11首 花間集二巻韋莊47首 花間集二巻薛昭蘊19首 花間集三巻牛嶠31首 花間集三・四巻張泌27首 花間集四巻 
 毛文錫31首 花間集5巻牛希濟11首 花間集5巻欧陽烱17首 花間集5・6巻和凝20首 花間集6巻顧夐56首 花間集6・7巻孫光憲47首 花間集7・8巻 
 魏承班15首 花間集8・9巻鹿虔扆6首 花間集9巻閻選8首 花間集9巻尹鶚6首 花間集9巻毛熙震29首 花間集9・10巻李珣39首 花間集10巻 
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61 《登峨眉山》Index-2- 2-720年開元八年2013登峨眉山蜀國多仙山, <61> Ⅰ李白詩1225 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4673

 

 

Index-3

- 3-720年開元八年20

6

ID

No.

詩題

詩文初句

 

10

1

上李邕

大鵬一日同風起,

卷八

11

2

酬宇文少府見贈桃竹書筒

桃竹書筒綺繡文,

巻十八

12

3

登錦城散花樓

日照錦城頭,

巻二十

13

4

登峨眉山

蜀國多仙山,

巻二十

14

5

冬日歸舊山

未洗染塵纓,

巻二十五

15

6

春感詩

茫茫南與北,

巻二十五

 

制作年:              720年開元八年20

卷別:    卷一八○              文體:    五言古詩

詩題:    登峨眉山

作地點:              峨眉山(劍南道北部 / 嘉州 / 峨眉山)

及地點:峨眉山 (劍南道北部 嘉州 峨眉山)    

 

 

登峨眉山

(峨嵋山に登って、概観したもので若い時の作)

蜀國多仙山,峨眉邈難匹。

蜀の国には仙郷の山が多くある。その中でも峨嵋山だけは邈然として、他にその類を見ないくらいのものである。

周流試登覽,怪安可息。

仙山といわれる山を周遊して、一度登覧をこころみたが、その特に奇怪なる事物どもは、どうしても詳悉することができない。

青冥倚天開,彩錯疑畫出。

眺めてみると、山色は青くして暗く、それが天に倚りかかって開いている。交錯している色彩は、描き出したものと見紛うほどなのである。

泠然紫霞賞,果得錦囊術。

ここにいたって、泠然軽挙、紫霞が漂い、棚引く景色を観賞しつつ、果然、錦囊に納めるべき仙家の秘術を習得した。

#2

雲間吟瓊簫,石上弄寶瑟。

平生有微尚,歡笑自此畢。

煙容如在顏,塵累忽相失。

儻逢騎羊子,攜手凌白日。

 

峨眉山に登る

蜀國 仙山多く,峨眉 邈として匹し難し。

周流 登覽を試む,怪 安んぞ息う可けんや。

青冥 天に倚って開き,彩錯 畫き出すかと疑う。

泠然たる紫霞の賞,果して錦囊の術を得たり。

#2

雲間 瓊簫を吟じ,石上 寶瑟を弄す。

平生 微尚有り,歡笑 此より畢る。

煙容 顏に在るが如く,塵累 忽ち相い失う。

儻し騎羊の子に逢わば,手を攜えて白日を凌がん。

2蜀の山00 

 

『登峨眉山』 現代語訳と訳註

(本文)

登峨眉山

蜀國多仙山,峨眉邈難匹。

周流試登覽,怪安可息。

青冥倚天開,彩錯疑畫出。

泠然紫霞賞,果得錦囊術。

 

登峨眉山

蜀國多仙山,峨眉邈難匹。

周流試登覽,怪安可息。

青冥倚天開【青冥倚天關】,彩錯疑畫出。

泠然紫霞賞,果得錦囊術。

 

(下し文)

峨眉山に登る

蜀國 仙山多く,峨眉 邈として匹し難し。

周流 登覽を試む,怪 安んぞ息う可けんや。

青冥 天に倚って開き,彩錯 畫き出すかと疑う。

泠然たる紫霞の賞,果して錦囊の術を得たり。

 

(現代語訳)

(峨嵋山に登って、概観したもので若い時の作)

蜀の国には仙郷の山が多くある。その中でも峨嵋山だけは邈然として、他にその類を見ないくらいのものである。

仙山といわれる山を周遊して、一度登覧をこころみたが、その特に奇怪なる事物どもは、どうしても詳悉することができない。

眺めてみると、山色は青くして暗く、それが天に倚りかかって開いている。交錯している色彩は、描き出したものと見紛うほどなのである。

ここにいたって、泠然軽挙、紫霞が漂い、棚引く景色を観賞しつつ、果然、錦囊に納めるべき仙家の秘術を習得した。

李白図102 

(訳注)

登峨眉山

(峨嵋山に登って、概観したもので若い時の作)#1

道教や中国の仏教で言うところの聖地で、中国三大霊山(五台山、天台山、峨眉山)や中国四大仏教名山(五台山、九華山、普陀山、峨眉山)の一つである。26の寺院を有し、普賢菩薩の霊場とされる。一帯は聖地となっていたために自然が護られ、約3,000種の植物と、絶滅危惧種を含む約2,000種の動物の宝庫でもある。一番高い峰が万仏頂(標高3,098メートル)で、頂まで32の名刹が続いている。後漢時代から仏教施設の建設が始まり、南宋時代に最盛期を迎えた。現代最大の寺院は、登山口にあたる報国寺で、明代1615年(万暦43年)に明光道人が創建したとされている。

 

蜀國多仙山,峨眉邈難匹。

蜀の国には仙郷の山が多くある。その中でも峨嵋山だけは邈然として、他にその類を見ないくらいのものである。

多仙山 青城山、載天山、鹤鸣山、峨嵋山など。

 

周流試登覽,怪安可息。

仙山といわれる山を周遊して、一度登覧をこころみたが、その特に奇怪なる事物どもは、どうしても詳悉することができない。

 

青冥倚天開,彩錯疑畫出。

眺めてみると、山色は青くして暗く、それが天に倚りかかって開いている。交錯している色彩は、描き出したものと見紛うほどなのである。

 

泠然紫霞賞,果得錦囊術。

ここにいたって、泠然軽挙、紫霞が漂い、棚引く景色を観賞しつつ、果然、錦囊に納めるべき仙家の秘術を習得した。

泠然 少しも心を動かさずひややかな態度でいるさま。

錦囊術 錦囊に納めるべき仙家の秘術。

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晴れた日蔭は、成都城や周りを照らし、朝の鮮やかな光は散花樓に充満している。その散花樓には黄金を鏤めた窓があって、綺麗に彩色したとびらをはめこみ、珠の簾は巻き上げて、銀鉤にかかっている。

 
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制作年:              720年開元八年20

卷別:    卷一八○              文體:    五言古詩

詩題:    登錦城散花樓

作地點:              錦城(劍南道北部 / 益州 / 錦城)

及地點:              散花樓 (劍南道北部 益州 錦城)       

 

 

登錦城散花樓

(成都錦城の摩訶池のほとりにある散花樓にのぼって詠う。) 

日照錦城頭,朝光散花樓。

晴れた日蔭は、成都城や周りを照らし、朝の鮮やかな光は散花樓に充満している。

窗夾繡珠箔懸銀鉤。

その散花樓には黄金を鏤めた窓があって、綺麗に彩色したとびらをはめこみ、珠の簾は巻き上げて、銀鉤にかかっている。

飛梯綠雲中,極目散我憂。

自分はというと飛梯を踏み上ると、綠雲の中にいる。そして、両目でこの景色を眺めると心中にある不安や愁いというのがどこかに飛び散ったようだ。

雨向三峽,春江繞雙流。

終日ここにいると、夕方の雨は三峡に向って飛び去り、春の岷江は二筋に別れて城をめぐっている。

今來一登望,如上九天遊。

今、こうして登り来たって一たび、曠望すれば、九天に登って遊んでいるような気がして仙人の壮快の念にたえられないというものである。

 

錦城の散花樓に登る

日は照らす 錦城の頭,朝光す 散花の樓。

金窗 繡珠箔 銀鉤を懸く。

飛梯 綠雲の中,極目 我が憂いを散ず。

暮雨 三峽に向い,春江 雙流を繞る。

今 來って 一たび登望すれば,九天に上って遊ぶが如し。

 

成都関連地図 00 

『登錦城散花樓』 現代語訳と訳註

(本文)

登錦城散花樓

日照錦城頭,朝光散花樓。

金窗夾繡珠箔懸銀鉤。

飛梯綠雲中,極目散我憂。

暮雨向三峽,春江繞雙流。

今來一登望,如上九天遊。

 

(登錦城散花樓)

日照錦城頭,朝光散花樓。

金窗夾繡,珠箔懸銀鉤【珠箔懸瓊鉤】。

飛梯綠雲中,極目散我憂【極目散我愁】。

暮雨向三峽,春江繞雙流。

今來一登望,如上九天遊。

 

(下し文)

錦城の散花樓に登る

日は照らす 錦城の頭,朝光す 散花の樓。

金窗 繡を夾み,珠箔 銀鉤を懸く。

飛梯 綠雲の中,極目 我が憂いを散ず。

暮雨 三峽に向い,春江 雙流を繞る。

今 來って 一たび登望すれば,九天に上って遊ぶが如し。

 

(現代語訳)

(成都錦城の摩訶池のほとりにある散花樓にのぼって詠う。) 

晴れた日蔭は、成都城や周りを照らし、朝の鮮やかな光は散花樓に充満している。

その散花樓には黄金を鏤めた窓があって、綺麗に彩色したとびらをはめこみ、珠の簾は巻き上げて、銀鉤にかかっている。

自分はというと飛梯を踏み上ると、綠雲の中にいる。そして、両目でこの景色を眺めると心中にある不安や愁いというのがどこかに飛び散ったようだ。

終日ここにいると、夕方の雨は三峡に向って飛び去り、春の岷江は二筋に別れて城をめぐっている。

今、こうして登り来たって一たび、曠望すれば、九天に登って遊んでいるような気がして仙人の壮快の念にたえられないというものである。

李白図102 

(訳注)

登錦城散花樓

(成都錦城の摩訶池のほとりにある散花樓にのぼって詠う。) 

錦城 成都夷里橋南岸道西にあった。成都府城のことで、錦官とか錦里という。

散花樓 摩訶池のほとりにあった。

 

日照錦城頭,朝光散花樓。

晴れた日蔭は、成都城や周りを照らし、朝の鮮やかな光は散花樓に充満している。

 

金窗夾繡珠箔懸銀鉤。

その散花樓には黄金を鏤めた窓があって、綺麗に彩色したとびらをはめこみ、珠の簾は巻き上げて、銀鉤にかかっている。

 

飛梯綠雲中,極目散我憂。

自分はというと飛梯を踏み上ると、綠雲の中にいる。そして、両目でこの景色を眺めると心中にある不安や愁いというのがどこかに飛び散ったようだ。

 

暮雨向三峽,春江繞雙流。

終日ここにいると、夕方の雨は三峡に向って飛び去り、春の岷江は二筋に別れて城をめぐっている。

暮雨・三峽 朝雲となり暮に雨となる、宋玉《高唐賦》に基づく。三峽瞿塘峡、巫峡、西陵峡

 岷江。

雙流 岷江と錦江とは成都をめぐって合流す。

 

今來一登望,如上九天遊。

今、こうして登り来たって一たび、曠望すれば、九天に登って遊んでいるような気がして仙人の壮快の念にたえられないというものである。

九天遊 仙郷に比す。

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その書筒の中に仙書を入れ、これを携帯して、峨嵋山に分け入るためにここを去ったとしても、千里の先まで携えれば長しえに君を思って忘れることはできないだろう。

 
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 杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首 
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index-3*-3- 720年開元八年20

6

No.

詩題

詩文初句

 

1

上李邕

大鵬一日同風起,

卷八

2

酬宇文少府見贈桃竹書筒

桃竹書筒綺繡文,

巻十八

3

登錦城散花樓

日照錦城頭,

巻二十

4

登峨眉山

蜀國多仙山,

巻二十

5

冬日歸舊山

未洗染塵纓,

巻二十五

6

春感詩

茫茫南與北,

巻二十五

 

 

作年:    720年開元八年20

卷別:    卷一七八              文體:    七言古詩

詩題:    酬宇文少府見贈桃竹書筒

作地點:              渝州(山南西道 / 渝州 / 渝州)

及地點:              峨眉山 (劍南道北部 嘉州 峨眉山)    

交遊人物:宇文少府           書信往來

 

 

酬宇文少府見贈桃竹書筒

(この詩は某縣の尉である宇文某が、桃竹で作った書筒を送ったから、これに謝して歌ったものである。)

桃竹書筒綺繡文,良工巧妙稱群。

桃竹でつづられた書筒は、その面に綺繡の様な斑文があって、まことに綺麗である。そのうえ、上手な作り手が巧妙に細工をしているから世に群のものと称される。

靈心圓映三江月,彩質疊成五色雲。

その霊心は円かにして、三江の月に映じて、彩質は重なり合って、五色の雲を為すかと思われる。

中藏寶訣峨眉去,千里提攜長憶君。

その書筒の中に仙書を入れ、これを携帯して、峨嵋山に分け入るためにここを去ったとしても、千里の先まで携えれば長しえに君を思って忘れることはできないだろう。

(宇文少府の桃竹書筒を贈らる見に酬ゆ)

桃竹の書筒 綺繡の文,良工 巧妙 群とす。

靈心 圓映ず 三江の月,彩質 疊成す 五色の雲。

中に寶訣を藏して峨眉に去り,千里 提攜 長く君を憶う。

 

李白図102 

酬宇文少府見贈桃竹書筒』 現代語訳と訳註

(本文)

酬宇文少府見贈桃竹書筒

桃竹書筒綺繡文,良工巧妙稱群。

靈心圓映三江月,彩質疊成五色雲。

中藏寶訣峨眉去,千里提攜長憶君。

 

(下し文)

(宇文少府の桃竹書筒を贈らる見に酬ゆ)

桃竹の書筒 綺繡の文,良工 巧妙 群と稱す。

靈心 圓映ず 三江の月,彩質 疊成す 五色の雲。

中に寶訣を藏して峨眉に去り,千里 提攜 長く君を憶う。

 

(現代語訳)

(この詩は某縣の尉である宇文某が、桃竹で作った書筒を送ったから、これに謝して歌ったものである。)

桃竹でつづられた書筒は、その面に綺繡の様な斑文があって、まことに綺麗である。そのうえ、上手な作り手が巧妙に細工をしているから世に群のものと称される。

その霊心は円かにして、三江の月に映じて、彩質は重なり合って、五色の雲を為すかと思われる。

その書筒の中に仙書を入れ、これを携帯して、峨嵋山に分け入るためにここを去ったとしても、千里の先まで携えれば長しえに君を思って忘れることはできないだろう。

 

(訳注)

酬宇文少府見贈桃竹書筒

(この詩は某縣の尉である宇文某が、桃竹で作った書筒を送ったから、これに謝して歌ったものである。)

桃竹 桃枝竹で江南に産する。葉は椶のようであり、身は竹のようで、密節で書筒に向くものであるという。

 

桃竹書筒綺繡文,良工巧妙稱群。

桃竹でつづられた書筒は、その面に綺繡の様な斑文があって、まことに綺麗である。そのうえ、上手な作り手が巧妙に細工をしているから世に群のものと称される。

 

靈心圓映三江月,彩質疊成五色雲。

その霊心は円かにして、三江の月に映じて、彩質は重なり合って、五色の雲を為すかと思われる。

 

中藏寶訣峨眉去,千里提攜長憶君。

その書筒の中に仙書を入れ、これを携帯して、峨嵋山に分け入るためにここを去ったとしても、千里の先まで携えれば長しえに君を思って忘れることはできないだろう。

寶訣 仙書。

峨眉 道教や中国の仏教で言うところの聖地で、中国三大霊山(五台山、天台山、峨眉山)や中国四大仏教名山(五台山、九華山、普陀山、峨眉山)の一つである。26の寺院を有し、普賢菩薩の霊場とされる。一帯は聖地となっていたために自然が護られ、約3,000種の植物と、絶滅危惧種を含む約2,000種の動物の宝庫でもある。
55moon 

69 《上李邕》Index-3Ⅰ- 2-720年開元八年20歳から23歳 成都・峨嵋山に遊ぶ <69> Ⅰ李白詩1233 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4713

世の人は私が常に優れた詩文の調子をもっていると見てはいる、だけどそれは大きな志であるが皆冷笑して聞き流している。孔子は「なおよく、若者は畏るべし」と申されております。歳輪の行かない未経験者であなたさまのようにはいかないかもしれません。

 
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69 《上李邕》Index-3Ⅰ- 2-720年開元八年20歳から23歳 成都・峨嵋山に遊ぶ <69> Ⅰ李白詩1233 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4713 
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69 《上李邕》Index-3- 2-720年開元八年20歳から23歳 成都・峨嵋山に遊ぶ <69> Ⅰ李白詩1233 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4713

 

 

index-3*-3- 720年開元八年20

6

No.

詩題

詩文初句

 

1

上李邕

大鵬一日同風起,

卷八

2

酬宇文少府見贈桃竹書筒

桃竹書筒綺繡文,

巻十八

3

登錦城散花樓

日照錦城頭,

巻二十

4

登峨眉山

蜀國多仙山,

巻二十

5

冬日歸舊山

未洗染塵纓,

巻二十五

6

春感詩

茫茫南與北,

巻二十五

 

 

作年:    720年開元八年20

卷別:    卷一六八              文體:    七言律詩

詩題:    上李邕〔此首蕭士贇云是偽作。〕

作地點:              渝州(山南西道 / 渝州 / 渝州)

交遊人物:李邕    當地交遊(山南西道 渝州 渝州)

 

上李邕〔此首蕭士贇云是偽作。〕

大鵬一日同風起,摶搖直上九萬里。

假令風歇時下來,猶能簸卻滄溟水。

世人見我恆殊調,聞余大言皆冷笑。

宣父猶能畏後生,丈夫未可輕年少。

(この詩は李邕にこの詩を奉って、自分の抱負を述べたのである。)

〔この首、蕭士贇は李白の詩ではないと言っている。〕

大鵬は一日で風と共に飛び立ち、旋風のように上昇して東の海中に生えているという伝説の大木もとへ 九万里を飛ぶのだ。

もし、風がやみ、降りるときが来たとしても、それでもなお、青くはてしない大海原をゆらしたり、もどしたりするのである。

世の人は私が常に優れた詩文の調子をもっていると見てはいる、だけどそれは大きな志であるが皆冷笑して聞き流している。

孔子は「なおよく、若者は畏るべし」と申されております。歳輪の行かない未経験者であなたさまのようにはいかないかもしれません。(でもよろしくお願いします。)

 

(李邕に上【たてまつ】る)

大鵬  一日  風と同じく起ち、扶揺  直ちに上る九万里。

仮令【たとえ】  風歇【や】みて時に下り来るとも、猶お能く簸却【はきゃく】す滄溟の水を。  

時人 我の恒に調を殊にするを見、余が大言を聞きて皆【ことごと】く冷笑す。

宣父 猶お能く后生【こうせい】を畏る、丈夫  未だ年少を軽んず可からず。

 

 長安と西域 地図01

『上李邕』 現代語訳と訳註

(本文)

上李邕〔此首蕭士贇云是偽作。〕

大鵬一日同風起,摶搖直上九萬里。

假令風歇時下來,猶能簸卻滄溟水。

世人見我恆殊調,聞余大言皆冷笑。

宣父猶能畏後生,丈夫未可輕年少。

 

(下し文)

(李邕に上【たてまつ】る)

大鵬  一日  風と同じく起ち、扶揺  直ちに上る九万里。

仮令【たとえ】  風歇【や】みて時に下り来るとも、猶お能く簸却【はきゃく】す滄溟の水を。  

時人 我の恒に調を殊にするを見、余が大言を聞きて皆【ことごと】く冷笑す。

宣父 猶お能く后生【こうせい】を畏る、丈夫  未だ年少を軽んず可からず。

 

(現代語訳)

(この詩は李邕にこの詩を奉って、自分の抱負を述べたのである。)

〔この首、蕭士贇は李白の詩ではないと言っている。〕

大鵬は一日で風と共に飛び立ち、旋風のように上昇して東の海中に生えているという伝説の大木もとへ 九万里を飛ぶのだ。

もし、風がやみ、降りるときが来たとしても、それでもなお、青くはてしない大海原をゆらしたり、もどしたりするのである。

世の人は私が常に優れた詩文の調子をもっていると見てはいる、だけどそれは大きな志であるが皆冷笑して聞き流している。

孔子は「なおよく、若者は畏るべし」と申されております。歳輪の行かない未経験者であなたさまのようにはいかないかもしれません。(でもよろしくお願いします。)

 

(訳注)

上李邕

(この詩は李邕にこの詩を奉って、自分の抱負を述べたのである。)

〔此首蕭士贇云是偽作。〕

〔この首、蕭士贇は李白の詩ではないと言っている。〕

詩型 七言律詩
押韻 起、里。/來、水。/調、笑、少。

大鵬一日同風  摶搖直上九萬
假令風歇時下來  猶能簸卻滄溟
世人見我恆殊調  聞余大言皆冷
宣父猶能畏後生  丈夫未可輕年

●○●●○△●  △○●●△●●

△△△●○●△  △△●●△△●

△○●●?○△  △○●○○△●

○●△△●●△  ●○●●△○●

 李邕は『文選』に注をほどこした李善の子で、文と書にすぐれた大家で、このとき六十二、三歳であった。青州(北海郡)の太守に左遷されていたのだ。朝廷の高官が一地方郡の知事クラスということは、この頃の李林甫の文人を遠ざける施策の最大の犠牲者であった。
 それでも李白と杜甫にとっては作った詩歌を見てほしいと思ったことであろう。

そのとき李白が李邕に献じた詩が「上李邕」と思われる。李白も天子のおそばで翰林院供奉であった片りんを見せている。この大家に自分を『荘子』逍遥游篇の大鵬に比してみせている。

太白山001 

 

大鵬一日同風起,摶搖直上九萬里。

大鵬は一日で風と共に飛び立ち、旋風のように上昇して東の海中に生えているという伝説の大木もとへ  九万里を飛ぶのだ。
大鵬 中国神話の伝説の鳥、霊鳥である。羽ある生物の王。李白の才能を示す。

扶揺 東の海中に生えているという伝説の大木。つむじかぜ。

扶桑東海の日の出る所にあるという神木。日本の別名 

九万里 36km大鵬の飛ぶ距離、慣用語。

 

假令風歇時下來,猶能簸卻滄溟水。

もし、風がやみ、降りるときが来たとしても、それでもなお、青くはてしない大海原をゆらしたり、もどしたりするのである。
仮令 もし、仮に。

簸却 ふるわせたり、静かにさせる。

滄溟 果てしない大海原。

 

世人見我恆殊調,聞余大言皆冷笑。

世の人は私が常に優れた詩文の調子をもっていると見てはいる、だけどそれは大きな志であるが皆冷笑して聞き流している。
時人 今どきの人。

恒殊調 常に優れた詩文の調子。

 

宣父猶能畏後生,丈夫未可輕年少。

孔子は「なおよく、若者は畏るべし」と申されております。歳輪の行かない未経験者であなたさまのようにはいかないかもしれません。(でもよろしくお願いします。)
宣父 孔子 

○后生 後に生まれたもの
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