今しも、十月の頃、愛しい阮郎は三千里も下って、遙か呉越の地に赴いたっきり、いつになったら帰るのやら、仕方なく待つだけなのだ。
77 《巴女詞》ndex-4 1-4 724年開元十二年24歳から 岷山で小鳥と暮らし、峨嵋山で遊ぶ 24歳 3 首 <77> Ⅰ李白詩1242 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4758
Index- | 4 | Ⅰ- 4-724年開元十二年24歳 | 3首 | ||
ID | No. | 詩題 | 詩文初句 | | |
74 | 16 | 1 | 別匡山 | 曉峰如畫參差碧, | なし |
75 | 17 | 2 | 峨眉山月半輪秋, | 巻七 | |
76 | 18 | 3 | 巴水急如箭, | 巻二十四 |
ndex-4 1-4 724年開元十二年24歳
年:724年開元十二年24歳
卷別: 卷一八四 文體: 五言絕句
詩題: 巴女詞
作地點: 渝州(山南西道 / 渝州 / 渝州)
巴女詞
巴水急如箭,巴船去若飛。
十月三千里,郎行幾歲歸。
(この詩は巴中の女子の風俗を詠ったもの)
長江上流の巴水は急流で矢のようにはやくながれる、したがって、ここを下ってゆく巴の船は鳥のように飛んで行ってしまう。
今しも、十月の頃、愛しい阮郎は三千里も下って、遙か呉越の地に赴いたっきり、いつになったら帰るのやら、仕方なく待つだけなのだ。
(巴女の詞)
巴水 急なること箭【や】の如し、巴船 去ること飛が若し。
十月 三千里、郎 行きて幾歳か歸える。
『巴女詞』 現代語訳と訳註
(本文)
巴女詞
巴水急如箭,巴船去若飛。
十月三千里,郎行幾歲歸。
(下し文)
(巴女の詞)
巴水 急なること箭【や】の如し、巴船 去ること飛が若し。
十月 三千里、郎 行きて幾歳か歸える。
(現代語訳)
(この詩は巴中の女子の風俗を詠ったもの)
長江上流の巴水は急流で矢のようにはやくながれる、したがって、ここを下ってゆく巴の船は鳥のように飛んで行ってしまう。
今しも、十月の頃、愛しい阮郎は三千里も下って、遙か呉越の地に赴いたっきり、いつになったら帰るのやら、仕方なく待つだけなのだ。
(訳注)
巴女詞
(この詩は巴中の女子の風俗を詠ったもの)
○巴 四川省重慶地方のこと。ここは要衝の地であり、大きな歓楽街があり、多くの女がいた。
巴水急如箭,巴船去若飛。
長江上流の巴水は急流で矢のようにはやくながれる、したがって、ここを下ってゆく巴の船は鳥のように飛んで行ってしまう。
○巴水 重慶地方を流れる長江の流れ。
○巴船 重慶地方の船は、急流にのれる船。
十月三千里,郎行幾歲歸。
今しも、十月の頃、愛しい阮郎は三千里も下って、遙か呉越の地に赴いたっきり、いつになったら帰るのやら、仕方なく待つだけなのだ。
○郎 阮郎(劉郎)のことで、別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。