李白《感興,六首之六》農夫としては、嘉穀が雑草と異なっている点を見分けもしないで、嘉穀は、折角穂を出してもそのまま捨て置かれ、格別保護されない。
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Index- | 9 | Ⅱ― 4-729年開元十七年29歳 | 4首 | ||
ID | No. | 詩題 | 詩文初句 | 李太白集 | |
131 | 76 | 1 | 長相思【寄遠】,二首之一 | 日色已盡花含煙, | 巻五 |
132 | 77 | 2 | 安州應城玉女湯作【《荊州記》云:「(常)有玉女乘車投此泉。」】 | 神女歿幽境, | 巻二十一 |
133 | 78 | 3 | 擬古,十二首之十一 | 涉江弄秋水, | 巻二十三 |
134 | 79 | 4 | 感興,六首之六〔集本八首,感興,八首之八〕 | 嘉穀隱豐草, | 巻二十三 |
年:729年開元十七年29歲
卷別: 卷一八三 文體: 五言古詩
詩題: 感興,六首之六〔集本八首,感興,八首之八〕
感興,六首之六〔集本八首,感興,八首之八〕
嘉穀隱豐草,草深苗且稀。
農夫既不異,孤穗將安歸。
常恐委疇隴,忽與秋蓬飛。
烏得薦宗廟,為君生光輝。
(感興,六首の六〔集本八首,感興,八首の八〕)
嘉穀 豐草に隱れ,草深くして 苗 且【しば】らく稀なり。
農夫 既に異ならず,孤穗 將に安にか歸せん。
常に恐る 疇隴【ちゅうりょう】委し,忽ち 秋蓬と飛ぶを。
烏んぞ得ん 宗廟に薦め,君が為に光輝を生ずるを。
『感興,六首之六〔集本八首,感興,八首之八〕』 現代語訳と訳註解説
(本文)
感興,六首之六〔集本八首,感興,八首之八〕
嘉穀隱豐草,草深苗且稀。
農夫既不異,孤穗將安歸。
常恐委疇隴,忽與秋蓬飛。
烏得薦宗廟,為君生光輝。
(下し文)
(感興,六首の六〔集本八首,感興,八首の八〕)
嘉穀 豐草に隱れ,草深くして 苗 且【しば】らく稀なり。
農夫 既に異ならず,孤穗 將に安にか歸せん。
常に恐る 疇隴【ちゅうりょう】委し,忽ち 秋蓬と飛ぶを。
烏んぞ得ん 宗廟に薦め,君が為に光輝を生ずるを。
(現代語訳)
(古に託して自己の感慨をのべたもの。)
稲を植えたのち、折角の嘉穀は、勢いの良い雑草の中に隠れてしまい、草は深くして、苗は、しばらく稀になってしまった。
しかし、農夫としては、嘉穀が雑草と異なっている点を見分けもしないで、嘉穀は、折角穂を出してもそのまま捨て置かれ、格別保護されない。
そういうこともあって、心配することがあるのは、田畑にゆだねていることと、そして、それが枯れれば秋蓬と一緒になって飛び去るのではないかとことである。
これはどうにかして、この嘉穀を宗廟に薦め君王のために、光輝を生ずるように致したいものだ。
(訳注)
感興,六首之六〔集本八首,感興,八首之八〕
(古に託して自己の感慨をのべたもの。)
嘉穀隱豐草,草深苗且稀。
稲を植えたのち、折角の嘉穀は、勢いの良い雑草の中に隠れてしまい、草は深くして、苗は、しばらく稀になってしまった。
嘉穀 よい穀物。特に、稲のこと。ここでは、実った稲を刈り取った稲から再び稲が出てきたものをいう。
豐草 勢いの良い雑草がいっぱい生えている。《詩経・大雅》生民之什「茀厥豐草、種之黃茂。」(厥の豊草を茀【おさ】め 之が黄茂【くわうも】を種ゆ)
農夫既不異,孤穗將安歸。
しかし、農夫としては、嘉穀が雑草と異なっている点を見分けもしないで、嘉穀は、折角穂を出してもそのまま捨て置かれ、格別保護されない。
常恐委疇隴,忽與秋蓬飛。
そういうこともあって、心配することがあるのは、田畑にゆだねていることと、そして、それが枯れれば秋蓬と一緒になって飛び去るのではないかとことである。
疇隴 ①畑のうね。「隴」は、小高い長い丘。「黍稷委疇隴、農夫安所獲黍稷疇隴に委てられ、農夫いづんぞ獲る所あらん」〔曹植・贈丁儀〕. ②田畑。
贈丁儀 曹植 魏詩<36>#1文選 贈答二 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1901
烏得薦宗廟,為君生光輝。
これはどうにかして、この嘉穀を宗廟に薦め君王のために、光輝を生ずるように致したいものだ。