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望廬山五老峯 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -226

廬山は断層の運動によって地塊が周囲からせりあがった断層地塊山地であり、その中に川や谷、湖沼、峰など多様な相貌をもつ。中国における第四紀の氷河が形成した地形の典型とも評され、この観点からジオパーク(世界地質公園)に指定されている。主峰の漢陽峰(大漢陽峰)は海抜が1,474メートルであるが、その周囲には多数の峰がそびえ、その間に渓谷、断崖絶壁、瀑布、洞窟など複雑な地形が生じている。


 五老峰: 海抜1,436メートルの奇岩の峰。形が、五人の老人が座っているように見えることからきている。
 漢陽峰: ピラミッド状の形をした廬山の主峰で江西省最高峰。海抜1,474メートル。
 香炉峰: 白居易の詩の一節(「香炉峰の雪は簾を撥げて看る」)や『枕草子』への引用などで知られる。
 三畳泉: 落差155メートルの大きな滝。
 龍首崖: 空中に突き出した崖。明代の寺院・天池寺の跡地に近い。
 含鄱口: 五老峰と太乙峰の間の谷間。鄱陽湖に面しているため、湖からの水蒸気がここで霧となって峰々を覆い隠している。

望廬山五老峯
廬山東南五老峯,青天削出金芙蓉。
廬山の東南に五老峰がある、青空の中から金色かがやく芙蓉の花を削り出したかのようだ。 
九江秀色可攬結,吾將此地巣雲松。

長江の支流、分流である九江のすばらしい景色が手に取るように見える。わたしはこの地で浮き世を離れ、高い雲のかかった松に巣を作って隠棲しようと思う。


廬山の五老峰を望む

廬山東南 五老峯,青天 削り出だす 金芙蓉。

九江の秀色を 攬結(らんけつ)す可(べ)き,

吾(われ) 此(こ)の地を將(も)って 雲松に巣(すく)はん。



望廬山五老峯 現代語訳と訳註
(本文)

廬山東南五老峯,青天削出金芙蓉。
九江秀色可攬結,吾將此地巣雲松。

(下し文) 廬山の五老峰を望む
廬山 東南  五老峯,
青天 削り出だす  金芙蓉。
九江の秀色を  攬結(らんけつ)す可(べ)き,
吾(われ) 此(こ)の地を將(も)って  雲松に巣(すく)はん。


李白の足跡55

(現代語訳)
廬山の東南に五老峰がある、青空の中から金色かがやく芙蓉の花を削り出したかのようだ。 
長江の支流、分流である九江のすばらしい景色が手に取るように見える。わたしはこの地で浮き世を離れ、高い雲のかかった松に巣を作って隠棲しようと思う。


(訳注)
望廬山五老峰

廬山の東南部分の嶺。本来、山の麓側(陽湖側=東側)からの眺めによって呼ばれた嶺嶺。五つ六つの嶺の稜線が、恰も五人の老人が背を丸めて並んでいるようにも、肩を組んで並んでいるかのようにも見えることから呼ばれた。李白は五老峰の近くの山の中に太白書堂を建ててそこに隠棲しようとした。


廬山東南五老峰、青天削出金芙蓉。
廬山の東南に五老峰がある、青空の中から金色かがやく芙蓉の花を削り出したかのようだ。 
東南 廬山は山塊、山地といった山で、その山塊の東南部分が五老峰にあたる。○削出 彫り出す。 ○金芙蓉 金色に輝くハスの花。また、金色に輝く芙蓉の花。五老峰が陽光で黄金色に輝く。


九江秀色可攬結、吾將此地巣雲松。
長江の支流、分流である九江のすばらしい景色が手に取るように見える。わたしはこの地で浮き世を離れ、高い雲のかかった松に巣を作って隠棲しようと思う。
九江 北側の眼下にある尋陽(いまの江西省九江市)のあたりには、長江の九つの支流があつまって、廬山の北を流れる。現・九江市がある。 ・秀色 ひいでた景色。すぐれた景色。 ○攬結 刈り取った稲束のようにとりまとめる。とりあつめる。○ すくう。巣を作る。ここでは、隠棲するの意。 ○雲松 浮き世を離れ、雲のかかった背の高い松。


○押韻 峯、蓉。松。


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