望廬山瀑布 二首其二(絶句) 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -229
日本人には「望廬山瀑布」として、この絶句の方が広く知られている。五言古詩「望廬山瀑布 二首其一」の要約篇七言絶句「望廬山瀑布水二首 其二」としている。李白は以下の詩でも同じ手法をとっている。
越女詞 五首 其一~其五の絶句五首を五言律詩「採連曲」にまとめ、五言絶句「淥水曲」 にしている。
また、雑言古詩「襄陽歌」を五言絶句「襄陽曲」其一~其四にしている。
■李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集
望廬山瀑布水二首 其一 望廬山瀑布 二首其二 日は香炉(こうろ)を照らして紫煙(しえん)を生ず 遥かに看(み)る 瀑布の前川(ぜんせん)を挂(か)かるを 飛流(ひりゅう) 直下(ちょっか) 三千尺 疑うらくは是(こ)れ 銀河の九天より落つるかと 日照香炉生紫煙、遥看瀑布挂前川。 飛流直下三千尺、疑是銀河落九天。 香炉瀑布 直下銀河 生紫煙挂前川 三千尺落九天 毎日それぞれ一首(長詩の場合一部分割掲載)kanbuniinkai紀 頌之の漢詩3ブログ
西登香爐峰。南見瀑布水。』
挂流三百丈。噴壑數十里。
欻如飛電來。隱若白虹起。
初驚河漢落。半洒云天里。』
仰觀勢轉雄。壯哉造化功。
海風吹不斷。江月照還空。』
空中亂潀射。左右洗青壁。
飛珠散輕霞。流沫沸穹石。』
而我樂名山。對之心益閑。
無論漱瓊液。且得洗塵顏。
且諧宿所好。永愿辭人間。』
日照香炉生紫煙、遥看瀑布挂前川。
太陽が香炉峰を照らしはじめると 光に映えて紫のかすみがわきあがってくる、この嶺の上から遥か彼方に一筋の瀧がみえる まるで向こうの川まで掛けた川のようになってみえる。
飛流直下三千尺、疑是銀河落九天。
飛び出している流れが真下に落ちている 三千尺という長さだ。まるで大空の一番高い所から、天の川が落ちてくるのかと思えるのだ。
絶句としてのきれいな対句
五言絶句としても
香炉生紫煙、瀑布挂前川。
直下三千尺、銀河落九天。
四六駢儷文に読める
日照遥看 飛流疑是
望廬山瀑布 二首其二 現代語訳と訳註
(本文)
日照香炉生紫煙、遥看瀑布挂前川。
飛流直下三千尺、疑是銀河落九天。
(下し文)
日は香炉(こうろ)を照らして紫煙(しえん)を生ず
遥かに看(み)る 瀑布の前川(ぜんせん)を挂(か)かるを
飛流(ひりゅう) 直下(ちょっか) 三千尺
疑うらくは是(こ)れ 銀河の九天より落つるかと
(現代語下し文)
香炉峰に陽がさすと 紫の靄(もや)がわいてくる、遥か彼方に一筋の瀧 まるで向こうの川まで掛けた川。
飛び出す流れは直下して三千尺、まるで天から 銀河が落ちてくる。
(現代語訳)
太陽が香炉峰を照らしはじめると 光に映えて紫のかすみがわきあがってくる、この嶺の上から遥か彼方に一筋の瀧がみえる まるで向こうの川まで掛けた川のようになってみえる。
飛び出している流れが真下に落ちている 三千尺という長さだ。まるで大空の一番高い所から、天の川が落ちてくるのかと思えるのだ。
(訳注)
日照香炉生紫煙、遥看瀑布挂前川。
太陽が香炉峰を照らしはじめると 光に映えて紫のかすみがわきあがってくる、この嶺の上から遥か彼方に一筋の瀧がみえる まるで向こうの川まで掛けた川のようになってみえる。
○日照 日は白日、太陽のこと。○香炉 香炉峰: 白居易の詩の一節(「香炉峰の雪は簾を撥げて看る」)や『枕草子』への引用などで知られる。○紫煙 紫のかすみ。煙は、香炉の縁語。○瀑布 滝。○前川 向こうの川。別の本では長川となっているが、景色としては前川の方が奥深い。
飛流直下三千尺、疑是銀河落九天。
飛び出している流れが真下に落ちている 三千尺という長さだ。まるで大空の一番高い所から、天の川が落ちてくるのかと思えるのだ。
○飛流 見上げる高い所から流れが飛び出してくる○銀河 天の川。○九天 中華思想で天地は九で区分される。地は九州、天は九天、その真ん中を示す語である。李白詩350首kanbuniinkai紀頌之のブログ kanbuniinkai11の頌之漢詩 杜甫詩700首 kanbuniinkai10 頌之の漢詩 唐宋詩人選集 Ⅰ李商隠150首